食品の一括表示ラベルは何を書き、どこまで省略していいのか
自社で育てた野菜を乾燥させて袋に詰めた。ラベルのデザインまでは自分で作れた。あとは裏面の枠に何を書けばいいのか。
この枠は食品表示基準で「別記様式一」と呼ばれる形が決まっていて、書く項目も並び順も国が定めています。守らなければ販売できませんが、逆にいえば、埋めるべきマスは有限です。この記事では、一括表示の枠に入る事項とその順番、原材料名と添加物の分け方、アレルゲン、期限、文字の大きさ、そして小さい袋で省略できるものまでを、消費者庁の基準・通知・Q&Aの記述に沿って順番に見ていきます。
原料の産地をどう書くかについてはOrigin labeling rules for ingredients in processed foodsで扱っているので、この記事では枠のどこに入るかだけに触れます。
一括表示の枠には何を書き、どの順に並べるのか
裏面のあの枠は、正式には「表示事項を一括して表示する箇所」です。食品表示基準第8条第3号が、名称から食品関連事業者までの表示を「別記様式一により行う」と定めています。
別記様式一が定めている事項と、その並び順
別記様式一に印刷されている事項欄は、上から次の順です。
| 順 | 事項欄 | Contents |
|---|---|---|
| 1 | Name | 内容を表す一般的な名称 |
| 2 | Ingredient name | 重量の多い順 |
| 3 | Additives | 添加物に占める重量の多い順 |
| 4 | Country or region of origin of ingredients | 重量1位の原材料の産地 |
| 5 | 内容量(固形量/内容総量) | 単位を明記 |
| 6 | 消費期限(または賞味期限) | 年月日の順 |
| 7 | Storage method | 食品の特性に従って |
| 8 | Country of origin | 輸入品のみ |
| 9 | Manufacturer | 表示内容に責任を持つ者 |
期限が保存方法より上に来る点は、自作のラベルでよく入れ替わっています。
様式のただし書きで逃げ道も用意されています。第8条第3号には「別記様式による表示と同等程度に分かりやすく一括して表示される場合は、この限りでない」とあり、罫線の引き方まで一致させる必要はありません。
さらに別記様式一の備考では、添加物は事項欄を設けずに原材料名欄へ区分して書いてよいこと、原料原産地名は事項欄を設けずに対応する原材料名の次に括弧で書いてよいことが認められています。乾燥野菜の小袋では、この2つを使って欄を減らすのが実務的です。
枠が引けない袋、縦書きにしたい袋はどうするか
備考には、様式を縦書きにできること、枠の表示が困難な場合は枠を省略できることが書かれています。細長いスティック袋やチャック付きスタンドパックで枠線が引けないとき、罫線なしで項目名と内容を並べる形が取れます。
原材料名だけ入りきらない、という状況にも答えがあります。Q&Aの加工-247は、弁当や惣菜のように原材料が多い場合、一括表示部分に表示箇所を示せば原材料名を別の場所に書いてよいとしています。原則は同じ面の近接した位置、それが難しければ消費者が容易に確認できる面です。
「名称」に商品名をそのまま書けるのはどんなときか
名称欄は商品名を書く欄ではありません。基準は「その内容を表す一般的な名称」を求めています。
Q&Aの加工-7は、商品名がその内容を表す一般的な名称であれば名称に使ってよい、名称に括弧を付けて商品名を併記することも誤認させなければ差し支えない、としています。
商品名が一般的な名称でない場合はどうするか。加工-8が答えていて、商品名に近接した箇所に一般的な名称を明瞭に表示すれば、一括表示部分の名称欄を省略できます。ただし一般的な名称を商品名に比べて著しく小さく表示する方法は認められていません。表面に「京の乾し野菜(乾燥野菜)」と並べて書けば、裏の枠から名称欄を1行減らせます。
なお、名称を主要面に表示した場合は様式中の名称の事項を省略できること、内容量を名称とともに主要面に表示した場合も同様であることが、別記様式一の備考に定められています。
原材料名と添加物は、区切りを入れて分けないと通らない
添加物の事項欄を作らずに原材料名欄へまとめて書くとき、条件が一つあります。「原材料名と明確に区分して表示する」ことです。
スラッシュ・改行・別欄という3つの分け方
Q&Aの加工-248は、明確に区分する方法として3つを挙げ、「区切りを入れずに連続して表示することはできません」と明言しています。
| Method | How to write it |
|---|---|
| 記号で区分 | 豚ばら肉、砂糖、食塩、卵たん白、植物性たん白、香辛料 / リン酸塩(Na)、調味料(アミノ酸)… |
| 改行で区分 | 原材料を書いた後で改行し、添加物を次の行から書く |
| 別欄で区分 | 原材料名欄の中を上下に分け、下段に添加物を書く |
例示は3つですが、Q&Aは「以下の方法に限定するわけではありません」とも書いています。禁じられているのは区切りなしで続けることです。
スラッシュを使う場合、原材料と添加物の境目はスラッシュ1本だけです。スラッシュより前が原材料、後ろが添加物、それぞれの中で重量の多い順に並びます。
原材料は重量の多い順、仕入れた加工品は括弧の中へ
原材料名の順番は、基準第3条第1項が「原材料に占める重量の割合の高いものから順に、その最も一般的な名称をもって表示する」と定めています。
仕入れた調味料や粉のように2種類以上の原材料からなるもの(複合原材料)は、名称の次に括弧を付けて中身を重量順に並べます。ここに2つの省略規定があります。
- 複合原材料の原材料が3種類以上ある場合、重量順3位以下かつ5パーセント未満のものは「その他」とまとめられる
- 複合原材料が製品全体の5パーセント未満、または名称から中身が明らかな場合は、括弧の中を丸ごと省略できる
Q&Aの加工-51は、マヨネーズを例に「マヨネーズ(卵を含む)」まで縮められる書き方を示しています。マヨネーズは名称から中身が明らかなので、5パーセント以上使っていても括弧内を省略できます。
同じ種類の原材料を複数使う場合は、「野菜(にんじん、キャベツ、たまねぎ)」のように総称でくくる書き方も基準第3条第1項の2で認められています。乾燥野菜ミックスの表示ではこれを使うことになります。
添加物を使っていないとき「なし」と書くと不可になる
Q&Aの加工-249は、添加物を使っていない加工食品について、添加物の欄を設けて空欄にすることは可能だが省略する方が望ましい、としたうえで、「添加物の使用の有無にかかわらず『なし』との表示は認められません」と書いています。
無添加をうたいたい気持ちが出やすい場所ですが、枠内に「なし」は書けません。あわせて、「保存料不使用」のような不使用表示には消費者庁の別のガイドラインがかかるので、枠外のコピーも同時に点検してください。
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国産の野菜・果物を乾燥し、必要に応じて粉砕してお出ししています。扱っている品目は100種前後で、規格は 乾燥品の一覧・パウダーの一覧 に掲載しています。
アレルゲンは9品目が義務、カシューナッツには2028年3月末まで猶予がある
ここは2026年に変わった部分なので、古い解説記事を見て作ると間違えます。
義務の9品目と、推奨にとどまる20品目
食品表示基準別表第14が定める特定原材料は、えび、カシューナッツ、かに、くるみ、小麦、そば、卵、乳、落花生(ピーナッツ)の9品目です。カシューナッツは令和8年(2026年)4月1日施行の改正で、推奨から義務へ移りました。
ただし同じ改正の附則第2条に経過措置があり、令和10年(2028年)3月31日までに製造・加工・輸入される加工食品については、従前の例によることができます。いま版下を作るなら、猶予期間中に切り替える前提で、最初からカシューナッツを含めて組んでおくほうが刷り直しが減ります。
なお、ひとつ前の改正で義務化されたくるみの経過措置は令和7年3月31日で終わっており、こちらは完全に義務です。
推奨表示にとどまる「特定原材料に準ずるもの」は20品目で、アーモンド、あわび、いか、いくら、オレンジ、キウイフルーツ、牛肉、ごま、さけ、さば、大豆、鶏肉、バナナ、ピスタチオ、豚肉、マカダミアナッツ、もも、やまいも、りんご、ゼラチンです。ピスタチオは令和7年度に追加されました。義務ではありませんが、通知で表示が推奨されています。
個別表示と一括表示、どちらかに揃える
アレルゲンの書き方は2通りあります。
個別表示(原則) それぞれの原材料や添加物の直後に括弧を付けます。原材料なら「酵母エキス(小麦を含む)」、添加物なら「乳化剤(大豆由来)」。
一括表示 原材料名欄の最後に「(一部に小麦・卵・ごま・大豆を含む)」とまとめます。原材料と添加物で事項欄を分けている場合は、それぞれの欄の最後に書きます。
Q&Aの別添は個別表示を原則としたうえで、表示面積に限りがあって一括表示でないと書ききれない場合などを例に挙げて一括表示も認めています。
注意すべきはQ&AのE-9で、個別表示と一括表示を組み合わせて使うことはできません。どちらかに揃えます。小袋で文字数を削りたいなら一括表示、面積に余裕があるなら個別表示です。
「乳」は「乳成分を含む」と書く
特定原材料の「乳」は、アレルギー表示としては「乳成分を含む」と書きます。「乳を含む」「乳製品を含む」は認められていません。添加物の場合だけは「乳由来」とします。
落花生は「落花生を含む」「ピーナッツを含む」「落花生(ピーナッツ)を含む」のいずれでも構いません。
期限と保存方法は、決めた根拠を残しておく
消費期限と賞味期限、どちらを付けるか
基準第3条第1項は「品質が急速に劣化しやすい食品にあっては消費期限」、それ以外は賞味期限としています。第2条の定義では、消費期限が「安全性を欠くこととなるおそれがないと認められる期限」、賞味期限が「期待される全ての品質の保持が十分に可能であると認められる期限」です。
消費者庁の期限表示ガイドラインは、この定義から、消費期限は微生物試験など安全性に係る試験の結果を優先して設定する期限、賞味期限は理化学試験や官能検査の結果を優先して設定する期限だと整理しています。
3か月を超えるものは「年月」だけでいい
期限は年月日の順に書きます。ただし基準のただし書きで、製造または加工の日から期限までが3か月を超える場合は、年月の表示に代えられます。
乾燥野菜のように半年前後の賞味期限を設定する商品なら、日付印字を年月だけにできます。印字機の設定と在庫管理が楽になる箇所です。
なお、プライスラベルで表示する場合について、Q&Aの加工-261は、名称や原材料名の事項名は分かりにくくならなければ省略できるが、「消費期限」「賞味期限」の事項名は省略できないとしています。年月日だけではどちらの期限か分からないためです。「製造者」「加工者」「販売者」といった事項名も同様に省略できません。
常温で置く商品ほど、保存方法に温度を書き添える
Q&Aの加工-12は、保存方法を「保存温度10℃以下」「4℃以下で保存」のように書くこと、常温で保存すること以外に留意すべき特段の事項がないものは牛乳と乳飲料を除いて省略できることを示しています。ただし直射日光を避ける必要があるなら「直射日光を避け室温で保管」と書く必要があります。
さらに期限表示ガイドライン(令和7年3月)は踏み込んでいて、常温で保存する食品については、季節や出荷先の外気温、年平均気温の上昇、流通・配送を含むサプライチェーン全体の温度状況を考慮する必要があるとしたうえで、「保存の方法」に期限設定の際に想定した具体的な温度や湿度等の条件を付記することが望ましいと書いています。
開封後に保存方法を変えてほしい商品は、「開封後は4℃以下で保管してください」のように枠外へ書くか、枠内に入れるなら「使用上の注意」と事項名を付けて保存方法と区別することが望ましい、とされています。
「5日で分ける」「0.8を掛ける」は消費者庁が推奨していない
古い手引きで広まった2つの慣行について、消費者庁は現行ガイドラインで立場を示しています。
- 5日ルール:平成7年に厚生省と農林水産省が通知した「5日で消費期限と賞味期限を区別する」考え方は、用語の定義に基づく期限設定とはいえないことから平成20年に解消されており、消費者庁も推奨していない
- 安全係数:客観的な指標から得られた期限に1未満の係数を掛ける方法自体は一般的としつつ、「安全係数は1に近づけること、また、差し引く時間や日数は0に近づけることが望ましい」
0.8を機械的に掛けると期限が必要以上に短くなり、食品ロスにつながる、というのがガイドラインの立場です。加圧加熱殺菌したレトルトや缶詰のように品質のばらつきが小さい食品では、安全係数を考慮する必要はないとまで書かれています。
そして期限を決めたら終わりではありません。ガイドラインは「表示責任者は、期限設定の根拠に関する資料等を整備・保管し、消費者等から求められたときには情報提供するよう努めるものとする」としています。微生物検査と官能検査の記録は捨てないでください。
乾燥品の期限設定で見る指標はBest-before dates and storage of commercial dried vegetables.
内容量と製造者欄でつまずきやすいところ
乾燥野菜と乾燥果実は計量法の特定商品に入る
基準第3条第1項の内容量の項は、計量法の特定商品については計量法の規定により表示し、それ以外は内容重量・内容体積・内容数量を単位を明記して表示する、としています。
では乾燥野菜はどちらか。消費者庁の早わかり食品表示ガイドが載せている特定商品政令第5条の抜粋を見ると、第4号に「きのこの加工品及び乾燥野菜」、第5号に「乾燥果実」が挙がっています。つまり密封された乾燥野菜・乾燥きのこ・乾燥果実は特定商品であり、内容量と食品関連事業者の氏名または名称および住所を表示することになります。
単位はグラムまたはキログラム。「約20g」のような書き方や、個数での表示はできません。
「製造者」「販売者」「加工者」のどれを名乗るか
一括表示の一番下の欄名は、立場によって変わります。別記様式一の備考は、食品関連事業者が販売業者・加工業者・輸入業者である場合、「製造者」をそれぞれ「販売者」「加工者」「輸入者」とすると定めています。
OEMで作ってもらった商品を自社ブランドで売るなら「販売者」。自社工場で乾燥まで行うなら「製造者」。輸入した原料を国内で小分けしただけなら「加工者」です。輸入品を小分けする場合の原産国と加工者の考え方は輸入したドライフルーツを国内で小分けして売るときで詳しく書いています。
ここに書くのは「食品関連事業者のうち表示内容に責任を有する者の氏名又は名称及び住所」です。問い合わせが来たときに答える会社を書きます。
製造所の所在地は事業者名の近くに置く
基準第3条第1項は、食品関連事業者の氏名・住所とは別に、製造所または加工所の所在地と製造者・加工者の氏名を表示させています。両者が同一なら製造所側を省略できます。
違う場合、第8条第5号が「食品関連事業者の氏名又は名称及び住所と近接して表示しなければならない」と定めています。枠の上のほうと下のほうに離して書くことはできません。
製造所固有記号を使う道もありますが、消費者庁長官への届出が必要で、同一製品を2以上の製造所で製造している場合という条件が付きます。加えて、問い合わせに回答する者の連絡先、記号が表す製造所を掲載したウェブサイトのアドレス、全製造所の所在地のいずれかを表示しなければなりません。小ロットで1工場だけなら、素直に所在地を書くほうが早いです。
文字は8ポイント以上、小さい袋なら5.5ポイントまで下げられる
基準第8条第9号がこう定めています。
表示に用いる文字は、日本産業規格Z八三〇五(一九六二)に規定する八ポイントの活字以上の大きさの文字とする。ただし、表示可能面積がおおむね百五十平方センチメートル以下のもの(中略)にあっては、(中略)五・五ポイントの活字以上の大きさの文字とすることができる。
同じ第8条の第8号には「表示に用いる文字及び枠の色は、背景の色と対照的な色とする」ともあります。クラフト紙の袋に茶色の文字、といった版下は通りません。
150平方センチメートルはどこを測った面積か
Q&Aの加工-266が定義しています。表示可能面積とは「表示事項を表示しても判読が困難な部分を除いた容器包装の表面積」であり、包装の重なり部分、キャンディのひねりの部分、光電管マークは表示可能な部分に入りません。容器包装の表面積から表示が不可能な部分を差し引いた面積です。
同じ回答に「いたずらに表面積を少なくするような方法による包装は適当ではありません」という一文も入っています。5.5ポイントを使いたいがために袋を小さくする、という発想は封じられています。
150平方センチメートルは、おおよそ12cm×12cmの正方形1面分です。100g入りのスタンドパックだと表裏で超えることが多く、20g前後の小袋やスティックだと下回ります。判断に迷う線上の商品について、Q&Aの加工-259は「30cm²及び150cm²以下を基本としつつ、個々のケースに応じて判断することとなります」としています。
なお、加工-267は、表示可能面積がおおむね150cm²より大きい場合は8ポイント以上でなければならない、と明確に答えています。「少しだけ超えているから5.5ポイントで」は通りません。
行間や文字幅を詰めるのはどこまでか
Q&Aの加工-260が、文字ポイント数が確保されているものに多少の処理が行われることは差し支えない、ただしそれによって著しく見やすさが損なわれることは望ましくない、としています。
ポイント数を守ったうえでのトラッキング調整は可能、というのが答えです。逆に、長体をかけて高さを削るのは、ポイント数そのものを下げることになるので通りません。
袋のサイズと印刷方法の選び方はWhat is small-lot package printing?and Kinds of food packaging for more.
小さい袋と、その場で売る商品は省略できる項目が増える
表示可能面積がおおむね30平方センチメートル以下のとき
基準第3条第3項は、表示可能面積がおおむね30平方センチメートル以下の容器包装について、次の事項を省略できるとしています。
| 省略できる | 省略できない |
|---|---|
| Ingredient name | Name |
| Additives | 保存の方法 |
| 内容量・固形量・内容総量 | 消費期限または賞味期限 |
| 栄養成分の量および熱量 | Allergens |
| 製造所の所在地・製造者の氏名 | 食品関連事業者の氏名・住所 |
| Country or region of origin of ingredients | L-フェニルアラニン化合物を含む旨 |
| Country of origin | |
| 遺伝子組換え食品に関する事項 | |
| 乳児用規格適用食品である旨 |
L-フェニルアラニン化合物については、通知が「表示可能面積がおおむね30平方センチメートル以下であっても省略することができない」と明記したうえで、文字数の都合で困難な場合は「アスパルテーム(フェニルアラニン)」または「フェニルアラニンを含む」と短縮できるとしています。
30平方センチメートルは、5cm×6cmほど。試食用の小袋やノベルティのスティックがこの範囲に入ります。それでもアレルゲンと期限と責任者名は残ります。
作った場所でそのまま売るとき
基準第5条は「食品を製造し、又は加工した場所で販売する場合」と「不特定又は多数の者に対して譲渡(販売を除く。)する場合」について、原材料名、内容量・固形量および内容総量、栄養成分の量および熱量、食品関連事業者の氏名または名称および住所、原産国名、原料原産地名などの表示を要しないとしています。
早わかり食品表示ガイドはこれに一言添えています。「食品衛生法由来の表示事項については、省略できません」。アレルゲン、添加物、保存の方法、期限は残ります。
条文は「製造し、又は加工した場所で販売する場合」です。工場に併設した直売所で売るのはこれに当たりますが、離れたマルシェやイベント会場に持って行って売る場合は当たりません。同じ商品でも売る場所で表示義務が変わるので、直売用と出荷用でラベルを分けるか、出荷用に合わせて作るかを最初に決めておきます。
栄養成分表示を省略できる事業者と、推定値で書ける場合
栄養成分表示は原則として義務ですが、基準第3条第3項に省略できる場合が並んでいます。そのひとつが「消費税法第九条第一項において消費税を納める義務が免除される事業者が販売するもの」です。
早わかりガイドは運用を補足していて、当分の間は、課税売上高が1000万円以下の事業者、または中小企業基本法第2条第5項に規定する小規模企業者(おおむね常時使用する従業員の数が20人、商業またはサービス業では5人以下の事業者)に適用される、としています。始めたばかりの農家や個人事業なら、ここに当たることが多いはずです。
ただし、栄養表示をしようとする場合は省略できません。パッケージに栄養に関する表現を載せるなら、表示義務が戻ってきます。
義務の対象になる場合でも、分析にかける前に読んでおきたい規定があります。基準第3条第1項の栄養成分の項の2は、次の2つを満たせば、原材料の値からの算出、同様の組成のものの分析値、その他の合理的な推定により得られた値を表示できるとしています。
- 表示された値が規定の分析方法で得られた値とは一致しない可能性があることを示す表示をすること
- 表示された値の設定の根拠資料を保管すること
「この表示値は目安です」の一文は、この規定に対応したものです。ただし、栄養機能の表示や、栄養成分の補給ができる旨の表示などを行う場合は、この推定値の方法は使えません。
版下を作る前にAgritureで確認していること
ここからは受託側の話です。
貼付は1箇所単位で数える
弊社では乾燥・粉砕に加えて、小袋への充填とラベルの貼付を受けています。貼付は袋1枚あたりではなく、1箇所あたりで数えます。表面のブランドシールと裏面の一括表示ラベルを両方貼るなら、裏ラベルも1箇所として扱うので2箇所です。
見積もりの段階でここが食い違うことがあるので、依頼時には「表裏で何枚貼るか」を数字で伝えてもらうと早く進みます。表面のデザインに一括表示を刷り込んでしまい、貼るのは裏ラベルだけにする設計なら1箇所です。
データの支給があるかどうかで工程が変わる
ラベルのデザインデータを支給いただける場合、制作費はいただいていません。こちらで印刷して貼るところまでを受けます。
弊社でデザインから作る場合は別途お見積もりになります。その際にお願いしているのが、一括表示の中身を先に確定させることです。原材料名の並び、アレルゲンの書き方、期限の設定根拠は、製造する側だけでは決められません。特に、原料をお持ち込みいただく場合、その原料の規格書に書かれたアレルゲンがそのまま表示に乗ります。規格書がないと、原材料名欄が書けません。
刷り間違いをシールで直すときの制限
刷り上がったラベルの表示を間違えた場合、Q&Aの加工-269は、誤った表示の上からシールで適正な表示を貼付すること自体は差し支えないとしています。
令和3年3月17日からは、食品ロス削減の観点で、適正な表示を記載したポップシールやネックリンガーを任意の場所に貼付・配置する簡便な修正も認められています。条件は、ポップシール等が容易に容器包装と分離せず一体性があること、正しい表示内容がポップシール等の方であることが明瞭であること。
However,当分の間、この簡便な方法はアレルゲンや消費期限といった安全性に係る表示事項の修正には認められません。アレルゲンを間違えた場合は、上から貼って直すしかありません。この差は、刷る枚数を決めるときの判断材料になります。
小袋充填とラベル貼付の条件はSmall-bag filling OEM service、複数品目をブレンドする場合は乾燥野菜ミックスのOEM.
一括表示を作るときのチェックリスト
- 名称は内容を表す一般的な名称になっているか(商品名をそのまま置いていないか)
- 原材料は重量の多い順に並んでいるか。複合原材料は括弧で中身を書いたか
- 原材料と添加物の間に、スラッシュ・改行・別欄のいずれかの区切りが入っているか
- 添加物欄に「なし」と書いていないか
- アレルゲンは9品目を確認したか。カシューナッツを含めたか
- 個別表示と一括表示を混在させていないか
- 「乳」を「乳成分を含む」と書いたか
- 消費期限か賞味期限かを、食品の特性から選んだか。根拠資料を保管したか
- 3か月を超える期限を年月だけにする場合、印字の設定は合っているか
- 常温品の保存方法に、想定した温度条件を書き添えたか
- 内容量はグラム表記か(乾燥野菜・乾燥果実は計量法の特定商品)
- 欄名は製造者・販売者・加工者・輸入者のどれが正しいか
- 製造所の所在地は、事業者名と近接して置いたか
- 文字は8ポイント以上か。150平方センチメートル以下なら5.5ポイント以上か
- 文字と枠の色は、背景と対照的な色か
- 30平方センチメートル以下の小袋でも、名称・保存方法・期限・アレルゲン・事業者名は残っているか
FOR BUSINESS
乾燥野菜を業務用でお探しですか
国産の野菜・果物を乾燥し、必要に応じて粉砕してお出ししています。扱っている品目は100種前後で、規格は 乾燥品の一覧・パウダーの一覧 に掲載しています。
FAQ
Summary
一括表示の枠に入る事項も、その順番も、別記様式一で決まっています。埋めるべきマスは有限で、原材料名と添加物の間に区切りを入れる、アレルゲンは個別か一括かに揃える、文字は8ポイント以上(小さい袋は5.5ポイント以上)という3点を外さなければ、形はできます。
そのうえで、小規模な作り手ほど効いてくるのが省略規定です。30平方センチメートル以下の袋、製造した場所での販売、納税義務が免除される事業者の栄養成分表示。どれも、刷る前に知っていれば版下が変わります。
そして期限だけは、書き方より決め方のほうが重い。5日ルールも0.8の安全係数も、いま消費者庁が推奨しているものではありません。自社の商品で試験をして、根拠を残す。ここは外注できない部分です。
原料の産地の書き方はOrigin labeling rules for ingredients in processed foods、輸入品を小分けする場合は輸入したドライフルーツを国内で小分けして売るとき.
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