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Preventing Crops' "Field Food Loss" with AI—Mirai Saien's TENRYO Achieves a 90% Reduction in Work and a 15% Yield Increase at JA Toyohashi

2026年、筑波大学発アグリテックスタートアップ「株式会社ミライ菜園」(名古屋市・代表:畠山友史)が開発したAI病害虫予測アプリ「TENRYO(テンリョウ)」が農業現場への浸透を加速している。世界で年間約25%の作物が収穫前に失われるという「畑のフードロス」に対し、20年分の気象・病害虫データを学習したAIで1週間先のリスクを予測し、農家の先手対応を支援する。

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畑のフードロスとは——一般的なフードロス460万トンを上回る年700万トンの被害

「フードロス」というと消費段階での廃棄が注目されがちだが、ミライ菜園が問題提起するのは「収穫前の畑で失われる農作物」だ。世界では主要作物の約4分の1が病害虫によって収穫前に失われており、日本国内だけでも年間約700万トン相当の被害が発生していると同社は推計する。

これは消費段階・流通段階での一般的な食品ロス(約460万トン)を上回る数字でありながら、社会的認知はまだ低い。物価高と物流2024年問題がフードロスを増大させているという現状と合わせて考えると、農業サプライチェーン全体でのロス構造を把握し対策することの重要性が見えてくる。

フードロスの種類日本国内の推計規模
一般的な食品ロス(消費・流通段階)約460万トン/年
畑のフードロス(病害虫による収穫前ロス)約700万トン/年

TENRYOの仕組み——20年の気象データ×病害虫発生履歴を学習したAI

TENRYO(テンリョウ)は、過去20年分の気象データと病害虫の発生履歴を機械学習で解析し、直近の気象データを入力として「1週間後の病害虫発生リスク」をスコア化して農家に通知するスマートフォンアプリだ。特許は6件取得済み。

対応作物は23品目に拡大しており、キャベツ・ブロッコリー・タマネギ・水稲・柑橘類など主要品目をカバー。導入実績は愛知・愛媛・群馬・北海道・京都のJAや農業法人に広がっている。

特筆すべき事例として、JA豊橋では2025年から全営農相談員がTENRYOを活用し、従来のフェロモントラップによる現地調査から全面切り替えを実施。これにより調査作業時間が約9割削減された。

収量15%増を実現した現場事例

2023〜2024年の冬期、TENRYOは季節外れのタイミングで「黒すす病リスク」を3度にわたってアラート発報した。このAIの予測を受けて先手対策を講じた農家では被害がほぼゼロに抑えられ、ある若手農家は収量を前年比15%増加させることに成功した。

従来の病害虫対策は「発生を確認してから防除する」後手の対応が主流だった。1週間先の発生リスクを可視化することで、農家は①農薬散布の適正タイミングを選べる、②過剰散布を減らせる、③天候を見ながら効率的に動ける——という3つのメリットを同時に享受できる。

SDGs・農業政策との接点

農林水産省が推進する「みどりの食料システム戦略」では、2050年までに農薬使用量を50%低減する目標を掲げている。TENRYOのようなリスク予測型ツールは、この目標と直接接続する技術だ。必要なときだけ農薬を使う「IPM(総合的病害虫管理)」の実現を、デジタル技術で後押しする。

Also,規格外農産物の問題と病害虫被害は密接に関連している。病斑や外観不良による規格外品の発生を事前の防除強化で抑えることができれば、フードロス削減と農家収入の安定化が同時に達成される。

アグリテックの次フェーズ——「予防型農業」へのシフト

ミライ菜園の事例は、農業DXの方向性として「記録・可視化」から「予測・予防」へのシフトを示している。センサーデータやドローン撮影が「現状把握」ツールとして普及してきた一方、「1週間後の状態を予測して行動変容を促す」段階へと進化している。

JA豊橋での9割削減という数値は、省力化・コスト削減効果としても強烈だ。農業従事者の高齢化・担い手不足が深刻化するなかで、「AIが代わりにフィールドを監視し続ける」という価値提案は、今後さらに評価されていくだろう。

今後の課題と展望としては、①対応作物の拡大(現在23品目→より多品目化)、②予測精度の継続的改善と第三者機関による検証、③小規模・家族経営農家へのアクセシビリティ向上(低価格プラン展開等)、が注目される。

The agriture editorial team's perspective

「見えないフードロス」という切り口は、農業と食品産業の接点にいる事業者・バイヤー・政策担当者に刺さるメッセージだ。廃棄食品マッチングで消費段階のロスを削減する取り組みと並べて考えると、フードシステム全体でのロス構造がより立体的に見えてくる。

畑のフードロス700万トンという数字が社会的に認知されれば、農業保険・農業共済・農協の防除サービスとの連携も加速する可能性がある。筑波大学発という技術的裏付けと、JA豊橋という実導入実績を持つミライ菜園の動向は、今後も注目し続けたい。


Source:
PRTimes – 農作物の見えないフードロスをAIで——株式会社ミライ菜園

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Author of this article

小島 怜のアバター Rei Kojima Agriture CEO

CEO of Agriture Inc. Runs a contract processing and OEM business centered on dried vegetables and dried fruit. In partnership with farmers within Kyoto Prefecture, he pursues “sustainable food distribution” through the use of non-standard vegetables and support for sixth-industrialization. Drawing on extensive hands-on experience at manufacturing sites, he provides support that walks alongside every business considering OEM—from product planning and prototyping to small-lot handling, packaging design, and sales-channel development.

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