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徳島の「完熟すだち」がアップサイクル飲料に——黄色く色づいた廃棄柑橘の救済が県内8例目に

徳島県産の「完熟すだち」を原料にしたアップサイクル飲料2種類が、スーパーのフジと三菱食品の手で商品化された。緑色のうちに出荷されず、黄色く熟して廃棄されてきた柑橘を救う取り組みで、県内のアップサイクル事例としては8例目にあたる。5月18日に販売を開始し、5月25日には開発側が県庁を訪れて知事へ報告した。中四国や兵庫県の30店舗で扱われる。

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緑のうちに出せなかった「黄色いすだち」が原料に

すだちは、皮が緑色のうちに収穫・出荷するのが一般的だ。時期を逃して黄色く色づいたものは「完熟すだち」と呼ばれ、香りや酸味の質が変わるため、青果としての通常流通には乗りにくい。結果として、味わいに価値があっても行き場を失い、廃棄されてきた。

今回の飲料は、この黄色く熟したすだちに着目したものだ。捨てられてきた柑橘を原料として引き取り、飲料として商品化することで、産地の余剰に出口をつくった。

フジと三菱食品が組んだ商品化の枠組み

商品化を担ったのは、スーパーマーケットのフジと、食品卸の三菱食品だ。小売と卸が連携することで、原料の確保から店頭での販売までを一気通貫で組み立てた。販売エリアは中四国と兵庫県で、フジグランやマルナカなど計30店舗に並ぶ。

柑橘のアップサイクルは各地で広がりを見せている。規格外みかんをまるごと瓶詰めにした事例のように、見た目や規格で弾かれた果実を加工品へ転換する発想が定着しつつある。

取り組みの全体像

項目 内容
原料 徳島県産の完熟すだち(黄色く熟した規格外品)
商品 アップサイクル飲料 2種類
手がけた企業 フジ、三菱食品
販売開始 5月18日
取扱店舗 中四国・兵庫県の30店舗(フジグラン、マルナカ等)
県内のアップサイクル事例 8例目

県・現場の受け止め

5月25日に開発側から報告を受けた県知事は、黄色くなったすだちに存在価値を見いだした点を評価し、味についても高く評価したと伝えられている。産地にとっては、これまで値のつかなかった完熟品に出口ができたことが大きい。卸・小売にとっては、地域性のある商品を地元の棚へ載せられる利点がある。消費者にとっては、廃棄されていた柑橘の風味を手に取れる体験が加わる。

こうした規格外柑橘の活用は、フードロス削減の流れと地続きだ。食品寄付の信頼性を高めるフードバンク認証制度のように、余った食品をどう循環させるかという課題に、産地・流通の双方が向き合い始めている。

読者への影響——地域柑橘の出口づくり

食品メーカーや小売の担当者にとって、この事例は「規格外=廃棄」という前提を崩す具体例になる。完熟すだちのように、規格を外れた瞬間に値がつかなくなる農産物は全国に存在する。それを飲料という形で価値化できれば、産地の負担を減らしつつ、店頭に地域色のある商品を増やせる。

業界への波及——乾燥加工という別の選択肢

飲料化は有力な出口だが、保存性という点では乾燥加工も見逃せない。柑橘の皮や果肉を乾燥させれば、香りを残したまま長期保存でき、調味料やお茶、菓子の素材として通年使える。Agritureが運営するOYAOYAも、京都産の規格外野菜を乾燥野菜へ転換することで、天候に左右されない安定供給を実現してきた。完熟すだちのような季節限定の余剰柑橘も、乾燥という手段を組み合わせれば、シーズンを越えた活用が見えてくる。

家庭での活用

黄色く熟したすだちは、家庭でも使い道がある。緑のものより酸味がまろやかになるため、果汁を搾って飲み物や料理の風味づけに使いやすい。皮を薄く削いで乾燥させれば、香りづけの素材として保存できる。規格外だからと敬遠せず、熟したならではの風味を楽しむ視点が、家庭でのロス削減にもつながる。

まとめ

黄色く熟して廃棄されてきた完熟すだちが、飲料2種として店頭に並んだ。県内8例目となるこの取り組みは、規格外柑橘の救済とフードロス削減を地域の小売・卸の連携で実現した好例だ。捨てられてきた農産物にどう出口をつくるか——その問いに、徳島の現場が一つの答えを示した。

参考

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この記事を書いた人

小島 怜のアバター 小島 怜 Agriture CEO

株式会社Agriture CEO/乾燥野菜やドライフルーツを中心とした受託加工・OEM事業。京都府内の農家と連携し、規格外野菜の活用や6次産業化支援を通じて、「持続可能な食の流通」を追求している。製造現場での豊富な実体験を活かし、商品企画から試作、小ロット対応、パッケージ設計、販路開拓支援まで、OEMを検討するすべての事業者に伴走するサポートを提供。

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