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6次産業化の認定より先に、加工を自前でやるか委託するかを決める

畑のものを加工して売りたい、という相談は毎年いただきます。そのとき最初に分かれ道になるのは、補助金が取れるかどうかではありません。加工の設備と人を自分で抱えるか、加工そのものを外に出すかです。ここを決めないまま制度の話から入ると、計画書は書けても採算が合わなくなります。

京都で農家さんからお預かりした原料を乾燥・粉砕している立場から、六次産業化・地産地消法で何が使えるのかと、現場で実際に効いてくる条件を並べます。言葉の意味だけを確かめたい方は6次産業化の語義をご覧ください。

この記事で分かること要点
認定の中身認定されるのは事業者ではなく「総合化事業計画」
認定で使えるもの4つの法律の特例。施設を持たないなら効くのは無利子資金
法律上の分かれ目自分で育てたものを乾かす間は「採取業」。営業許可も届出も要らない
袋の表示委託しても責任は売る側に残り、受託先の工場名も載る
自前か委託かの決め方年間の稼働量と品目数で決まる。数年を委託で回して判断する順序も取れる
目次

6次産業化の認定は、事業者ではなく計画に付く

「6次産業化の認定」と呼ばれているものの正体は、事業計画の認定です。事業者を認定するのではなく、これから5年以内で何をやるかを書いた計画を国が認定します。

認定されるのは「総合化事業計画」

根拠法は「地域資源を活用した農林漁業者等による新事業の創出等及び地域の農林水産物の利用促進に関する法律」で、六次産業化・地産地消法と略されます。平成22年(2010年)12月3日公布です。この法律にもとづいて認定されるのが「総合化事業計画」で、農家が一般に6次産業化の認定と呼んでいるのはこれを指します。

もうひとつ「研究開発・成果利用事業計画」という枠もありますが、こちらは累計29件と少数です。加工品を作って売る取組は、ほぼすべて総合化事業計画のほうに入ります。

条件は4つ。数値が入るのは売上と所得

農林水産省が公開している認定要件は、基本方針から抜き出された4項目です。全部を満たす必要があります。

項目内容
事業主体農林漁業者等が行うもの。個人・法人のほか、農協や集落営農組織などの団体も対象で、任意組織でも可
事業内容自らの生産に係る農林水産物等を不可欠な原材料に使った新商品の開発・生産・需要の開拓、新たな販売方式の導入・改善、またはそれらに必要な生産方式の改善のいずれか
経営の改善農林水産物等および新商品の売上高が5年間で5%以上増加すること。あわせて農林漁業および関連事業の所得が開始時から終了時までに向上し、終了年度が黒字になること
計画期間5年以内。3〜5年が望ましいとされている

事業内容の欄には、どちらにも「これまでに行ったことのない」「これまでに用いたことのない」という条件が付いています。すでに何年も作って売っている加工品をそのまま計画に書いても、新商品や新たな販売方式には当たりません。

加工を委託しても認定は取れます

要件で縛られているのは事業の主体であって、加工を自分の工場でやることではありません。機械メーカー、食品メーカー、小売、IT企業などを「促進事業者」として計画に位置づけることが認められており、事業規模は問われないと明記されています。加工を受託先に出す前提の計画でも、申請そのものは成り立ちます。

申請先は地方農政局。京都府なら近畿農政局

申請の窓口は各地方農政局、北海道農政事務所、沖縄総合事務局です。都道府県庁ではありません。滋賀・京都・大阪・兵庫・奈良・和歌山を担当するのは近畿農政局の農村振興部 都市農村交流課で、京都市上京区にあります。都道府県の県域拠点でも相談を受け付けています。

申請書に添える別表のうち、必ず作るのは資金の額と調達方法を書く別表3です。施設を整備しない場合、法律の特例を使わない場合は、施設の別表と特例の別表には「該当なし」と書きます。加工を外に出すなら、この2つは該当なしになります。

認定を取ると何が使えるのか。補助金は付いてこない

認定を受けただけで補助金が交付される仕組みではありません。認定に結び付いているのは4つの法律の特例です。補助事業は認定とは別に、それぞれの公募に申し込みます。

特例は4つ。資金、農地、都市計画、野菜の出荷

特例関係する場面
農業改良資金融通法等の特例無利子資金を借りるとき
農地法の特例(第12条第1項・第2項)農地に加工施設や直売施設を建てるとき
都市計画法の特例市街化調整区域に販売施設を建てるとき
野菜生産出荷安定法の特例指定野菜の出荷に関わるとき

4つのうち農地法と都市計画法の2つは、土地と施設に関わる特例です。加工を受託先に出して自分は施設を持たないなら、この2つは使う場面がありません。残るのは資金の特例が中心になります。認定を取る値打ちが人によって大きく違うのは、ここが理由です。

農業改良資金は無利子で、償還期間は12年以内

認定を受けた農業者等が借りられる農業改良資金は、貸付利率が無利子です。償還期間は12年以内で、うち据置期間が3〜5年以内。貸付限度額は個人で5,000万円、法人・団体で1億5,000万円です。窓口はJA、日本政策金融公庫の支店、沖縄振興開発金融公庫の支店になります。

林業なら林業・木材産業改善資金、漁業なら沿岸漁業改善資金が同じ位置づけで用意されています。据置期間があるということは、売れ始めるまでの数年を元本の返済なしで回せるということです。設備投資を伴う計画では、この数年が効きます。

終わった支援策が、解説記事に残り続けている

6次産業化は制度の組み替えが続いた分野です。申請を検討するときに引っかかりやすいのは次の3つで、いずれも現行の支援策として紹介されている例を見かけます。

よく書かれているもの現在の状況
農林漁業成長産業化ファンド(A-FIVE)からの出資株式会社農林漁業成長産業化支援機構は令和8年(2026年)3月31日をもって解散
食料産業・6次産業化交付金農林水産省が「過去の予算等」として整理。掲載は令和3年度まで
6次産業化サポート事業(6次産業化プランナーの派遣)同じく「過去の予算等」に掲載。実施要領は令和3年度まで

専門家に相談する枠組みが消えたわけではありません。呼び名が二度変わっています。

年度支援の枠組みの呼び名
令和3年度(2021年度)まで食料産業・6次産業化交付金、6次産業化サポート事業
令和4年度(2022年度)から令和6年度まで農山漁村発イノベーション
令和7年度(2025年度)から地域資源活用価値創出

現在の相談・専門家派遣は、地域資源活用・地域連携の中央サポート事業と都道府県サポート事業が担っています。制度名で検索すると古い情報のほうが上に出やすいので、名前を頼りに探すより農政局に直接あたるほうが早く済みます。

FOR BUSINESS

乾燥野菜のOEM・受託加工を承ります

国産の野菜・果物の乾燥、100メッシュ相当までの粉砕、10g以上の小袋充填までをお受けしています。小ロットの試作から量産までご相談ください。寄せられた相談の実例は OEM・卸のご相談 に掲載しています。

乾燥品の賞味期限は、出荷日から6ヶ月程度を目安にご案内しています。

認定2,654件のうち、96%に加工が入っている

成功例を探す前に、認定を取った人たちが実際に何をやっているのかを見ておくと、自分の計画がどこに位置するか分かります。農林水産省が累計の内訳を公表しています。

7割が「加工と直売」。レストランは1割に届かない

令和8年(2026年)7月末日現在の累計認定件数は2,654件です。事業内容の割合は次のとおりです。

事業内容割合
加工・直売68.9%
加工18.2%
加工・直売・レストラン7.0%
直売2.9%
加工・直売・輸出2.2%
輸出0.4%
レストラン0.4%

加工が入る4つの類型を足すと96.3%です。観光農園や農家レストランのイメージで語られることの多い制度ですが、レストランを含む類型は合わせても7.4%しかありません。加工をどう用意するかという問題は、6次産業化に取り組む人のほぼ全員が最初に通ります。自分で育てた野菜をパウダーにして売るという相談が多いのも、この分布と重なります。

対象は野菜が最多。地域では九州と関東に集まる

区分上位
対象農林水産物野菜31.6%、果樹18.7%、畜産物12.6%、米11.7%(複数を対象とする計画は全てをカウント)
地域別の認定件数九州471件、関東464件、近畿390件、東北382件、中国四国335件
都道府県別に多い順北海道163件、兵庫県119件、宮崎県113件、長野県100件、岡山県100件

野菜が3割を占めています。弊社にも野菜のご相談が最も多く、乾燥・粉末・ペーストと加工の選択肢が多いことと、規格外品を回しやすいことが効いていそうです。規格外野菜の活用から入る計画は、この層に含まれます。

どこまでが農業で、どこから食品の営業になる?

制度の話よりも先に効いてくるのが、食品衛生法上の線引きです。加工を始めると営業許可が要る、と一律に考えている方が多いのですが、線が引かれているのは加工を始めた時点ではありません。

自分で育てたものを乾かして売る間は「採取業」

食品衛生法第4条第7項で、農業および水産業における食品の採取業は「営業」に含まれないと定められています。採取業に当たる限り、HACCPに沿った衛生管理も、営業許可も、営業届出も対象外です。

どこまでが採取業かは、厚生労働省が個別の行為ごとに通知で示しています。乾燥に関わる部分を抜き出すと次のようになります。

行為採取業か
収穫後の農産物の乾燥機での乾燥当たる
農産物(野菜、ハーブ、果物等)の天日干し・乾燥(はさ掛け、大根の丸干し)当たる
野菜等の調製(皮剥き、根切り、へた取り、洗浄、袋詰め、冷蔵処理、冷凍処理、乾燥等の形状変化を伴わない出荷調整)当たる
乾燥キノコの生産当たる
消費の利便性のために行う調理や切断(茹で野菜、カット野菜、千切り等)当たらない
切干大根・干し柿・干しあんず・干し芋の製造、乾燥キノコの加工(スライス等)当たらない。ただし農家(生産者団体を含む)が自ら生産した農産物を原材料として使用する場合を除く

読み方に注意が要るのは最後の行です。切干大根の製造は原則として営業に当たりますが、自分が育てた大根を原料にする農家は除かれます。同じ商品を作っていても、原料が自分のものなら除外されます。

同じ通知でも、農家の除外が付いていない行為があります

干し柿・干しあんず・干し芋・切干大根・乾燥キノコの加工には「農家が自ら生産した農産物を原材料として使用する場合を除く」という但し書きが付いています。一方、同じ一覧にある製粉(米穀粉、そば粉)には但し書きがありません。通知は行為ごとに個別に整理されたもので、一覧にない行為の扱いは書かれていません。自分がやろうとしている工程が載っていない場合は、管轄の保健所に確認してから設備や売り方を決めてください。

他人の原料を扱い始めると、線をまたぐ

採取業から外れるのは、自分の畑の外に手を広げたときです。近隣の農家から原料を買って加工する、加工そのものを請け負う、加工品を仕入れて売る。このあたりから営業になり、業種に応じて営業許可か営業届出が要ります。

この線は、6次産業化の計画を広げていく方向とちょうど重なります。最初は自分の畑のものだけで始め、量が出るようになって近隣から集め始めた時点で、衛生管理の義務が生じます。計画の3年目以降を書くときに、ここを見込んでいるかどうかで現実味が違ってきます。

営業になると、許可か届出とHACCPが付いてくる

営業許可の業種は平成30年(2018年)の食品衛生法改正で見直されました。原材料や製造工程が共通する業種を統合したうえで、漬物製造業や液卵製造業などが新たに加わり、全体では34業種から32業種になっています。許可業種に当たらない営業は保健所への届出が必要で、こちらは施設基準がなく更新も不要です。いずれも令和3年(2021年)6月1日の施行です。

HACCPに沿った衛生管理も同じ令和3年6月1日に完全施行されました。食品等の取扱いに従事する者の数が50人未満なら「HACCPの考え方を取り入れた衛生管理」でよく、業界団体が作った手引書を使って衛生管理計画を組めます。人数は許可業種ごとではなく事業場全体で数え、人事・経理・営業・設備保全のように製造に直接携わらない人は含めません。

採取業でも、安全確保の責務は残ります

厚生労働省の質疑応答集では、採取業を営む者も食品等事業者であることに変わりはないとされ、一般衛生管理を中心に、自らが取り扱う食品の安全性を確保するために必要な措置を講ずるよう努めることが求められています。許可も届出も要らないことと、何もしなくてよいことは別です。

加工品の袋には、何を書く義務があるのか

衛生の線引きとは別に、表示の義務がかかります。食品表示法と食品表示基準では、製造者・加工者・輸入者・販売者をまとめて食品関連事業者等と呼び、基準の遵守を義務づけています。

委託して作ると、袋には受託先の工場名も載る

加工を外に出しても、袋に書く内容の責任は消えません。「食品関連事業者の氏名又は名称及び住所」の欄には、表示内容に責任を有する者を書きます。事項名は責任を負う立場で決まります。

誰が表示の責任を負うか事項名
自分の加工場で作り、自分が責任を負う製造者(加工なら加工者)
受託先と合意し、売る側が代わって表示する販売者

これとは別に、加工食品には「製造所又は加工所の所在地及び製造者又は加工者の氏名又は名称」を表示する義務があります。省略できるのは、表示責任者の住所・名称が製造所の所在地・名称と同じときだけです。委託して作るとこの2つは別になるので、袋には「販売者」として自分の名前と、製造所として受託先の工場の所在地と名称が並びます。

受託先の工場名を記号に置き換えられるとは限りません

製造所の所在地と製造者名を記号に置き換える製造所固有記号は、同一製品を二以上の製造所で製造している場合に届け出て使う仕組みです。委託先1社だけで作る商品では原則として使えません。工場名を出したくないという理由だけで選べる方法ではないので、ラベルの版を作る前に、どちらの名前が載るかを受託先と確認しておいてください。

原材料名も、アレルゲンも、賞味期限も、書いた内容に責任を持つのは売る側です。受託先は求められた条件で作りますが、何日もつ商品として売るかを決めるのは売る側の仕事になります。

期限の設定については、消費者庁が「食品期限表示の設定のためのガイドライン」を令和7年(2025年)3月28日に改正しています。乾燥品を扱うなら、検査結果を根拠に自分で決める工程が要ると考えておいてください。

直売所で売るか、店に卸すかで書く量が違う

もうひとつ、売り先で表示の負担が違います。食品表示基準では、食品を製造または加工した場所で販売する場合、一部の表示事項が不要とされています。

売る場所容器包装に書く内容
製造・加工した場所で販売する(自分の加工場や併設の直売所)原材料名、内容量、栄養成分の量および熱量、食品関連事業者の氏名・住所、原産国名、原料原産地名などは不要。ただし食品衛生法由来の表示事項は省略できない
小売店やECに卸す一括表示の全項目が必要

自分の加工場の横で売っている間は簡略な表示で済み、スーパーやECに卸した瞬間に一括表示の全項目が要る、という段差がここにあります。売り先を広げる計画なら、最初から卸す前提の表示で作っておくほうが、ラベルの作り直しを避けられます。

栄養成分表示を省略できる事業者

栄養成分の量および熱量については、消費税を納める義務が免除される事業者が販売するものは省略できます。当分の間、課税売上高1,000万円以下の事業者、または中小企業基本法の小規模企業者(おおむね常時使用する従業員が20人以下、商業・サービス業は5人以下)に適用されます。売上が伸びて免税事業者でなくなると表示の義務が生じるので、規模が変わるタイミングで確認してください。

自前で加工場を持つか、受託加工に出すか

同じ商品を売るにしても、設備・人・衛生管理のどれを自分で持つかで、必要な資金も動かせる速さも違ってきます。

自前で持つと、動いていない時間にも費用が乗る

加工場を建てる計画で見落とされやすいのは、稼働していない時間の費用です。収穫期にしか動かない乾燥機でも、減価償却は通年で乗ります。加工に人を割けば、その間の農作業は誰かが代わりに回すことになります。

衛生管理計画も、作った時点で終わりではありません。記録を取り続け、定期的に振り返って必要に応じて見直すところまでが求められています。保健所の立入があったときに見せるのは、計画書ではなく記録のほうです。

項目自前で持つ受託加工に出す
初期投資建物・機械・排水の設備が要る設備投資は不要
費用の性質固定費。閑散期も乗り続ける変動費。発注しなければ出ない
営業許可・届出作るものに応じて自分が取る受託先の設備と許可で作る
衛生管理自分で計画を作り記録を残す製造工程は受託先が負う
仕込みの量少量から自由に試せる受託先の最低ロットに合わせる
レシピ変更いつでも手を入れられるそのつど条件を詰め直す
袋の表示責任も製造所名も自分責任は自分。製造所は受託先の名前
認定の特例農地法・都市計画法が効く使う場面がない

最初の数年を委託で回して、数字を見てから決める

設備投資の判断でいちばん困るのは、売れる量が読めないことです。計画書には5年分の売上高を書きますが、初年度の実績がないまま乾燥機の能力を決めると、過大にも過小にもなります。

先に委託で回すと、歩留まり、1回に出せる量、売れ行き、返品率が実数で出ます。そのうえで自前に切り替えれば、必要な能力が決まった状態で機械を選べます。認定の計画期間は5年以内なので、前半を委託、後半で施設整備という組み立ても取れます。

どちらを選ぶかは、量と品目数で決まる

  • 年間を通して同じ設備を動かせる量があり、品目を絞れるなら、自前に向かう
  • 収穫期に量が集中する、品目が多い、売れ行きが読めない段階なら、委託に向かう
  • 農地に施設を建てる計画なら、認定の農地法・都市計画法の特例が効いてくる
  • 自分の畑の原料だけで回している間は採取業。近隣から集め始めるなら営業の準備が要る

補助金は、国・府県・市町村の3層で探す

6次産業化に使える制度は3つの層に分かれていて、層ごとに金額の桁も申請の重さも違います。

加工場を建てるなら国の交付金

農林水産物を使った新商品開発や加工・販売施設の整備に直結するのが農山漁村振興交付金(地域資源活用価値創出対策)です。前の章で触れた「地域資源活用価値創出」の予算がこれに当たります。産地単位で加工体制を作るなら強い農業づくり総合支援交付金や産地生産基盤パワーアップ事業も候補になります。いずれも都道府県を経由する制度です。

試作、パッケージ、展示会、ECのように少額から始める段階では小規模事業者持続化補助金が使いやすく、個人事業主や農家も対象になり得ます。設備投資を伴う商品開発なら新事業進出・ものづくり商業サービス補助金が候補です。

府県と市町村は、拠点のある地域から当たる

弊社の製造拠点がある地域では、次の制度がまとまっています。

地域制度
京都府京の食6次化ビジネス創出支援
長野県6次産業化支援(信州6次化サポートセンターと市町村補助)
愛媛県6次産業化チャレンジ総合支援事業
三重県6次産業化支援(近畿農政局の府県サポート窓口)
沖縄県県産農林水産物活用連携支援事業
京丹後市商工業支援補助(新商品・新製品開発/販路開拓)

市町村の制度は金額が小さいぶん要件がゆるく、最初の試作やパッケージ作りに向きます。補助金の一覧から、地域と金額の規模で絞り込んでください。

公募情報は必ず原典で確認してください

金額・要件・公募時期は変わります。必ず各制度の公式・最新の公募要領をご確認ください。

加工場を建てずに商品にするまで、Agritureで何ができるか

京都を拠点に、農家や農業法人からお預かりした原料を乾燥・粉砕し、小袋への充填まで請け負っています。加工場を建てずに商品化まで進めたい場合の受け皿として使っていただいています。

洗わずに送っていい。洗浄と下処理はこちらで行う

原料は生の状態でお送りいただくのが基本です。洗浄と下処理は弊社で行い、そこから乾燥、必要に応じて粉砕へ進みます。乾燥は温風乾燥で、フリーズドライとは仕上がりが違います。

工程内容
受け入れ・洗浄生鮮のままお預かりし、洗浄・下処理を行います
乾燥温風乾燥。品目ごとに温度と時間を設定します
粉砕100メッシュ(約150ミクロン)相当まで。これより細かい微粉砕はお受けしていません
充填・シール貼り小袋への充填とラベル貼りまで続けてお受けできます
検査微生物検査と賞味期限の検査に対応します
賞味期限乾燥品は出荷日から6ヶ月程度が目安です

仕上がった乾燥品は、そのまま野菜パウダーにすることも、乾燥の形を残して売ることもできます。どちらにするかで乾燥時のカットの大きさが決まるため、用途を先に決めていただくと試作が一度で済みます。小袋充填まで通しでお受けする場合は、袋の仕様と充填の最低ロットを別に決めていただきます。

よもぎは毛羽立ち、糖度の高い果物は粉にできない

試作の前にお伝えしている注意点が2つあります。どちらも実際に加工して分かったことです。

  • よもぎのように繊維が強い葉は、粉砕しても細かい粉状にならず、毛羽立った仕上がりになります
  • ブドウや柿のように糖度の高いものは、乾燥はできてもパウダー化ができません。乾き切らない場合は本製造をお受けできないこともあります

歩留まりも品目で大きく違います。葉物は生の重さの1割を切ることがあり、袋の数と売価の計算が想定と合わなくなります。葉物野菜を乾燥させたときの仕上がり量は別記事で実測をまとめています。

フリーズドライ、レトルト、野菜チップスは受けられない

先にお伝えしておいたほうが早いので、対応範囲の外を書いておきます。

  • フリーズドライ(現在は新規のお受付を停止しています)
  • コーヒーの焙煎・抽出・濃縮
  • レトルト
  • 野菜チップス
  • 1〜5gのスティック充填
  • 100メッシュより細かい微粉砕

この範囲を超える加工が必要な場合は、食品OEMの窓口で対応できるメーカーをお探しいただけます。

乾燥加工のOEMについてわかる資料をご用意しています

小ロット〜大ロットまで柔軟に対応できるアグリチャーOEM

  • 10kg~の小ロットからOEM対応
  • 持ち込み原料の乾燥加工も可能
  • 加工から充填まで一括でサポート

FOR BUSINESS

乾燥野菜のOEM・受託加工を承ります

国産の野菜・果物の乾燥、100メッシュ相当までの粉砕、10g以上の小袋充填までをお受けしています。小ロットの試作から量産までご相談ください。寄せられた相談の実例は OEM・卸のご相談 に掲載しています。

乾燥品の賞味期限は、出荷日から6ヶ月程度を目安にご案内しています。

よくある質問

6次産業化の認定を取らないと、加工品は売れませんか?

売れます。認定は加工品を売るための許可ではありません。無利子の農業改良資金や農地法・都市計画法の特例を使う予定がなければ、認定を取る実益は小さくなります。加工を委託して施設を持たない計画なら、先に売り先の見込みを固めるほうが効きます。

加工を外部に委託しても認定は取れますか?

取れます。要件が定めているのは事業主体が農林漁業者等であることで、加工を自分の施設で行うことは条件になっていません。申請書では、施設整備と法律の特例の別表を「該当なし」で作ることになります。

自分で育てた野菜を乾燥させて売るのに、営業許可は要りますか?

自分が生産した農産物を乾燥させる行為は、厚生労働省の通知で採取業として扱われており、営業許可も届出もHACCPの義務も対象外です。ただし他の農家から原料を買う、加工を請け負う、といった段階で営業に当たります。通知の一覧に載っていない工程をやる場合は、設備を入れる前に管轄の保健所へ確認してください。

委託して作った商品の袋には、誰の名前を書きますか?

受託先と合意して売る側が代わって表示する場合、事項名は「販売者」となり、売る側の氏名または名称と住所を書きます。これとは別に、製造所の所在地と製造者名として受託先の工場も表示する義務があり、両者が同一のときしか省略できません。委託で作ると袋に受託先の工場名が載るということなので、ラベルの版を作る前に受託先と確認しておいてください。

認定を取ると補助金がもらえるのですか?

補助事業はそれぞれ別に公募があり、申請して採択される必要があります。ネット上の解説には、すでに終了した交付金やA-FIVEの出資を現行として書いているものが残っています。資金計画を組むときは、制度名で検索した記事ではなく、農政局か各制度の公募要領で裏を取ってください。

計画は何年で作ればよいですか?

計画期間は5年以内で、3〜5年が望ましいとされています。期間中に、対象となる農林水産物等および新商品の売上高が5年間で5%以上増加すること、農林漁業および関連事業の所得が向上して終了年度に黒字となることの両方を満たす必要があります。

乾燥品の賞味期限はどのくらいに設定できますか?

弊社でお受けする乾燥品は、出荷日から6ヶ月程度を目安にご案内しています。実際に何ヶ月と表示するかは、包装形態や脱酸素剤の有無、検査の結果をもとに売る側が決めます。消費者庁の期限表示のガイドラインが令和7年3月に改正されているので、根拠資料の残し方もあわせてご確認ください。

まとめ

6次産業化を制度の話として読むと、認定を取るかどうかが論点に見えます。実際に手を動かす段になると、論点は加工を誰がやるかに移ります。

  • 認定されるのは事業者ではなく5年以内の事業計画。売上5%増と終了年度の黒字が条件
  • 認定で使えるのは4つの法律の特例。施設を持たないなら効くのは無利子資金が中心
  • 年間を通して設備が動く量と、絞れる品目があるなら自前。収穫期に集中する、品目が多い、売れ行きが読めないなら委託
  • 最初の数年を委託で回して歩留まりと売れ行きを実数で押さえ、そのうえで設備投資を判断する順序も取れる
  • 自分の畑の原料を乾かす間は採取業。近隣から集め始めると営業になり、許可か届出とHACCPが付いてくる
  • 委託しても袋の表示と賞味期限の責任は売る側に残り、製造所として受託先の工場名が載る

作っている品目と、1回に出せる量、売り先の見込みが決まっていれば、試作からご相談いただけます。

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    この記事を書いた人

    小島 怜のアバター 小島 怜 Agriture CEO

    株式会社Agriture CEO/乾燥野菜やドライフルーツを中心とした受託加工・OEM事業。京都府内の農家と連携し、規格外野菜の活用や6次産業化支援を通じて、「持続可能な食の流通」を追求している。製造現場での豊富な実体験を活かし、商品企画から試作、小ロット対応、パッケージ設計、販路開拓支援まで、OEMを検討するすべての事業者に伴走するサポートを提供。

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