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万願寺とうがらし:大型で肉厚な京野菜の王様

この記事の要約
万願寺とうがらしは京都府舞鶴市万願寺地区で大正末期から栽培されるブランド京野菜で、長さ10〜23cmと大きく肉厚で甘みがあります。伏見とうがらしと在来種の自然交雑で生まれたとされ「とうがらしの王様」「万願寺甘とう」とも呼ばれます。旬は6〜8月。素焼き・じゃこ炒め・焼き浸し・天ぷらが定番で、乾燥野菜にすると甘みと旨味が一段とアップし、味噌汁やラーメンなど即席料理にも活用できます。

万願寺とうがらし(まんがんじとうがらし)は、京都を代表する夏の京野菜のひとつです。とうがらしの仲間ながら辛みがほとんどなく、大きく肉厚で甘みがあることから「とうがらしの王様」とも呼ばれています。種が少なく食べやすいため、素焼きや煮浸しをはじめさまざまな料理で親しまれてきました。この記事では、万願寺とうがらしの特徴や由来、伏見とうがらしとの違い、旬の時期、おすすめのレシピ、選び方・保存方法までを紹介します。

目次

万願寺とうがらしとは|「とうがらしの王様」と呼ばれる京野菜

万願寺とうがらしは、長さ10〜23cmと一般的なとうがらしよりはるかに大きく、太さや肉厚はピーマンに似ています。鮮やかな緑色で、肩の部分に一部くびれがあり、全体的にゆるやかに湾曲しているのが見た目の特徴です。皮はしっかりとして果肉は厚く、種が少ないため下処理が簡単で、丸ごと調理しても食べごたえがあります。とうがらしと聞くと辛さを思い浮かべますが、万願寺とうがらしは辛みがほとんどなく、ほんのりとした甘みと柔らかい食感が魅力です。青臭さも控えめなので、子どもから大人まで幅広く楽しめます。

「万願寺甘とう」とも呼ばれる由来

万願寺とうがらしは、京都府舞鶴市の万願寺地区で大正末期から栽培されてきた品種です。地名がそのまま名前の由来となっています。古くから京都で育てられていた伏見とうがらしと、大型の在来種が自然交雑して生まれたという説があり、両方の長所を受け継いで大きく甘い実をつけるようになりました。その甘さから「万願寺甘とう」の名でも流通しています。現在は舞鶴を発祥としながら京都府内の各地で生産され、夏を代表する京野菜として全国に出荷されています。

ブランド京野菜としての位置づけ

京野菜には、明治以前から京都で栽培されてきた固定種を対象とする「京の伝統野菜」と、品質や生産基準を満たした農産物を認証する「京のブランド産品(ブランド京野菜)」があります。万願寺とうがらしは大正末期に生まれた比較的新しい品種のため伝統野菜には含まれませんが、京都を代表するブランド京野菜として認証され、産地や出荷の基準が整えられています。同じ甘とうがらしでも、江戸時代から栽培される伏見とうがらしが「京の伝統野菜」であるのとは区分が異なる点も、知っておくと京野菜選びがいっそう楽しくなります。京野菜の品種一覧で他の品種との違いも確認できます。

伏見とうがらしとの違い

同じ京都生まれの甘とうがらしである伏見とうがらしと混同されがちですが、大きさや肉厚に違いがあります。以下の表で比べてみましょう。

比較項目万願寺とうがらし伏見とうがらし
大きさ10〜23cm・太め10〜15cm・細め
肉厚厚い・ジューシー薄い
食感肉厚でしっかり柔らかい
甘み強い甘み穏やかな甘み
辛みほぼなし(まれに辛い個体あり)ほぼなし
向く料理焼き物・炒め物焼き物・煮物・天ぷら
6月〜8月6月〜9月
出典:JA京都 京野菜

旬の時期と産地

万願寺とうがらしの旬は6月から8月にかけての夏場です。発祥地である舞鶴市をはじめ、現在は京都府内の各地の農家が栽培しており、夏の直売所やスーパーには鮮やかな緑色の実が並びます。次々と実をつけるため出荷が続き、家庭菜園でも育てやすい京野菜として親しまれています。京都府内の旬の野菜は京野菜カレンダーでも確認できます。

万願寺とうがらしの味わいと食感

万願寺とうがらしの最大の魅力は、肉厚でジューシーな果肉と、ほんのりとした甘みです。加熱すると甘みがいっそう引き立ち、皮の香ばしさととろけるような食感が生まれます。辛みや青臭さがほとんどないため、とうがらしが苦手な方やピーマンの苦みが気になる方でも食べやすいのが特徴です。大きく肉厚なので一本でも食べごたえがあり、丸ごと焼いたり、刻んで炒め物に加えたりと、調理の幅が広い京野菜です。

万願寺とうがらしのおすすめレシピと食べ方

万願寺とうがらしは青臭さや苦みが少なく、和洋を問わずさまざまな料理に活用できます。ここでは家庭で手軽に作れる定番の食べ方を紹介します。

定番の素焼きとじゃこ炒め

もっとも手軽なのは素焼きです。万願寺とうがらしを丸ごとグリルやフライパンで焼き目がつくまで焼き、かつお節としょうゆをかけるだけで、甘みと香ばしさが引き立つ一品になります。じゃこ炒めも人気で、ごま油でちりめんじゃこをカリッと炒め、食べやすく切った万願寺とうがらしを加えてしょうゆとみりんで味を調えれば、ごはんが進むおかずになります。種が少ないので下ごしらえも簡単です。

焼き浸しと天ぷら

焼き浸しは夏にぴったりのさっぱりとした食べ方です。焼き目をつけた万願寺とうがらしを、だし・しょうゆ・みりんを合わせた漬け汁に浸し、冷蔵庫で冷やしていただきます。天ぷらにすると、肉厚な果肉のジューシーさと衣のサクサク感が同時に楽しめ、塩でシンプルに味わうのがおすすめです。賀茂なすなど他の夏の京野菜と盛り合わせれば、彩り豊かな一皿になります。

おいしく仕上げる調理のコツ

炒め物でシャキシャキ感を残したいときは、繊維に沿って細切りにすると食感がよく、苦みも感じにくくなります。煮浸しのように味を含ませたいときは、繊維に対して横向きにカットすると味がしみ込みやすくなります。電子レンジで加熱する場合は、果肉の中の空気がふくらんで破裂することがあるため、つまようじで数か所穴を開けてから加熱すると安心です。まれに辛い個体が混じることがあるので、お子さま向けには味見をしてから出すとよいでしょう。

万願寺とうがらしの選び方と保存方法

新鮮な万願寺とうがらしの見分け方

新鮮な万願寺とうがらしは、鮮やかな緑色でツヤとハリがあり、しなびていないものです。手に取ったときにずっしりと重みを感じ、果肉が厚いものほど食べごたえがあります。ヘタの切り口がみずみずしく、黒ずんでいないものを選びましょう。表面に大きな傷やしわがあるものは鮮度が落ちている目安です。

保存のコツ

万願寺とうがらしは水気に弱いため、キッチンペーパーで包んでからポリ袋に入れ、冷蔵庫の野菜室で保存します。3〜5日を目安に使い切るのがおすすめです。長く保存したい場合は、ヘタを取って洗い水気を拭き取り、そのまま冷凍します。凍ったまま焼いたり炒めたりできるので、忙しいときにも便利です。たくさん手に入ったときは、乾燥させて保存する方法もあります。

乾燥でいっそう濃くなる万願寺とうがらし

肉厚な万願寺とうがらしは、乾燥させると甘みと旨味が一段と凝縮され、生とはひと味違う濃い風味になります。種ごと乾燥させるため、万願寺とうがらしのおいしさを余すことなく味わえるのも魅力です。水で戻せば生に近い柔らかな食感がよみがえり、煮物や炒め物に深いコクを加えます。味噌汁やラーメンなどの即席料理には、戻さずそのまま加えるだけでも旨味と歯ごたえを楽しめます。

Agritureでは、夏に大量に出荷される万願寺とうがらしのような京野菜を低温で乾燥させ、出荷規格に合わない実も無駄にせず、旬を過ぎても使える形で届けています。京都産の乾燥野菜はOYAOYAで取り扱っています。

万願寺とうがらしのよくある質問

万願寺とうがらしと伏見とうがらしの違いは?

万願寺とうがらしは大型で肉厚、伏見とうがらしは細身で柔らかいのが特徴です。万願寺は焼き物や炒め物、伏見は煮物や天ぷらに向いています。どちらも辛みのほとんどない甘とうがらしで、同じ京都生まれの京野菜です。

万願寺とうがらしは辛いですか?

辛みはほとんどなく、ほんのりとした甘みがあります。種が少なく食べやすいため、お子さまにもおすすめです。ただし、まれに辛い個体が混じることがあるため、心配な場合は味見をしてから調理すると安心です。

万願寺とうがらしの旬はいつですか?

6月から8月にかけての夏が旬です。発祥地の舞鶴市をはじめ京都府内各地で生産され、全国に出荷されています。次々と実をつけるため、家庭菜園でも育てやすい京野菜です。

万願寺とうがらしのおすすめの食べ方は?

素焼きにかつお節としょうゆをかける食べ方や、ちりめんじゃこと炒めるじゃこ炒めが定番です。焼き浸しや天ぷらにしても、肉厚な果肉のジューシーさが楽しめます。種が少なく下処理が簡単なのも魅力です。

万願寺とうがらしは京の伝統野菜ですか?

万願寺とうがらしは大正末期に生まれた品種のため、明治以前からの固定種を対象とする「京の伝統野菜」には含まれません。品質や生産基準を満たした「京のブランド産品(ブランド京野菜)」として認証されています。

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    この記事を書いた人

    小島 怜のアバター 小島 怜 Agriture CEO

    株式会社Agriture CEO/乾燥野菜やドライフルーツを中心とした受託加工・OEM事業。京都府内の農家と連携し、規格外野菜の活用や6次産業化支援を通じて、「持続可能な食の流通」を追求している。製造現場での豊富な実体験を活かし、商品企画から試作、小ロット対応、パッケージ設計、販路開拓支援まで、OEMを検討するすべての事業者に伴走するサポートを提供。

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