企業防災の取り組み事例10選|2026年版・健康経営×BCPの実践ガイド
企業防災の取り組みは、災害発生時に従業員と事業を守るためにすべての企業が向き合うテーマです。2025年9月の南海トラフ長期評価改訂、2025年12月の首都直下地震被害想定の更新を受け、2026年は取り組み内容を見直す企業が増えています。本記事では、企業防災の取り組みが必要な理由、5つの実施領域、業種別・規模別の事例10選、健康経営×BCPで進める新しい取り組み(オフィス八百屋)、導入5ステップとよくある失敗、FAQまで、担当者がそのまま実務で使える情報を整理します。
企業防災の取り組みとは|2026年版の全体像
企業防災の取り組みとは、地震・台風・豪雨・火災・感染症などの緊急事態から、従業員・顧客・事業資産を守るために企業が継続的に実施する一連の活動です。一度きりのイベントではなく、備蓄・訓練・BCPの運用・教育を組み合わせた「仕組み化された活動」として捉える必要があります。
2026年に取り組みを見直す3つの背景
- 南海トラフ・首都直下リスクの再評価:2025年9月の地震本部による南海トラフ長期評価改訂、2025年12月の内閣府による首都直下地震被害想定更新(最新動向は内閣府防災情報のページと各自治体ハザードマップで継続確認を推奨)
- 健康経営との連動:経済産業省の健康経営優良法人認定制度で、防災備蓄を福利厚生・食事改善施策と連動させる企業が増加
- テレワーク・分散勤務への対応:オフィス出社者だけでなく在宅勤務者の安否確認・備蓄支援への対応が必須に
企業防災の取り組みとBCP・災害対策の違い
| 用語 | 主な目的 | カバー範囲 |
|---|---|---|
| 企業防災(取り組み) | 従業員と事業を守る活動全般 | 事前対策・初動・事後・教育訓練 |
| BCP(事業継続計画) | 事業を止めない・早期復旧 | 業務継続のための手順書・代替策 |
| 災害対策 | 個別の災害種別への備え | 地震・台風・火災など個別 |
実務上は、企業防災の取り組みの中にBCPと災害対策が含まれる包含関係で整理すると分かりやすくなります。詳細は企業防災とは?2026年版|BCP×健康経営で進める実践ガイド(親記事)を参照してください。
企業防災の取り組みが必要な3つの理由
1. 事業継続のため
災害で事業が長期間止まれば、取引先への納品遅延、信用失墜、資金繰り悪化、最悪の場合は廃業に直結します。中小企業庁のBCP指針でも、BCP未導入企業は災害後の復旧が長引くおそれがあり、事業縮小や廃業のリスクが高まると説明されています。取り組みは事業を守るための投資です。
2. 法的義務(安全配慮義務)
労働契約法第5条は、企業に対して従業員の生命・身体の安全を守る「安全配慮義務」を課しています。東日本大震災では、銀行支店の屋上避難判断を巡って安全配慮義務違反が争点化した「七十七銀行事件」の裁判があり、最終的に請求は棄却されたものの、企業の災害時対応が司法判断の対象になりました。「やる・やらない」の選択ではなく、「どの水準で満たすか」の問題です。
3. 採用・従業員エンゲージメントの向上
災害時に「会社が自分たちを守ってくれる」と感じる従業員は、企業への信頼度が高まり、離職率の低下やエンゲージメント向上にもつながります。防災と健康経営を一体化した取り組みは、採用面接でアピール材料にもなり、若手や子育て世代の応募率向上に貢献するケースもあります。
企業防災で取り組む5つの領域
企業防災の取り組みは、次の5領域に分けて整理すると全体像を把握しやすくなります。担当者は、自社の現状と照らし合わせて、優先順位を決めて進めてください。
1. 事前対策(備蓄・設備・耐震)
災害前に準備しておくハード面の取り組みです。食料・水・医療品・電源・簡易トイレなどの備蓄、家具の固定、耐震補強、避難経路の整備、防災用品の配備が含まれます。詳細は企業の防災備蓄品リスト2026年版を参照してください。
2. 初動対応(安否確認・避難誘導)
災害発生直後から数時間の取り組みです。従業員の安否確認、避難誘導、災害対策本部の立ち上げ、顧客・取引先への連絡が含まれます。安否確認システムの導入や、緊急時連絡網の整備、災害用伝言ダイヤル(171)の社内周知などが鍵になります。
3. 事業継続(BCP発動)
初動後、業務を止めずに続けるためのBCPの発動フェーズです。優先復旧業務の選定、代替拠点での業務再開、サプライチェーンの維持、リモートワーク体制への切り替えが含まれます。事前に手順書とエスカレーションルートを文書化しておくことが必要です。
4. 事後対応(復旧・再発防止)
発災から数日〜数週間の取り組みです。被害状況の把握、記録、保険請求、取引先への状況報告、再発防止策の検討に加えて、従業員の心身のケア(メンタルヘルス)も重要になります。
5. 教育・訓練(日常の備え)
防災訓練・避難訓練・BCP訓練・救急講習など、日常的に従業員の防災意識を高める取り組みです。「作って終わり」の計画にしないために、年1〜2回の定期実施が一般的です。訓練後は必ずフィードバックを集め、計画を更新するサイクルが定着している企業ほど、有事の対応力が高くなります。
企業防災の取り組み事例10選|業種別・規模別・テーマ別
実際に企業が実施している取り組みを、業種・規模・テーマ別に10例紹介します。自社の規模・業種に近い事例を参考にして、まず1つから始めるのが現実的です。
大企業(1000人以上)の取り組み
- 事例1:BCP×全社訓練の徹底:BCP策定・年2回の全社防災訓練・安否確認システム導入・代替拠点の確保がセット運用。全国拠点の相互バックアップ体制も整備。
- 事例2:海外含むサプライチェーンBCP:原材料調達・物流ルートの代替先を国内外で複数確保し、災害時の供給停止リスクを最小化。年1回シミュレーションで実効性を確認。
- 事例3:従業員家族支援制度:従業員の家族向けに防災ガイドを配布し、家庭備蓄キットを社員価格で購入できる福利厚生制度を整備。家族の安全が確保されることで、社員の参集率が向上。
中小企業(100〜500人)の取り組み
- 事例4:最小限の備蓄+ローリングストック:予算制約から「最低限の備蓄+従業員の連絡手段」から開始。ローリングストックで廃棄コストを抑えつつ日常消費で備蓄を維持。
- 事例5:自治体BCP助成金の活用:東京都・大阪府などの中小企業向けBCP策定支援助成金を活用し、外部コンサルタントを入れてBCPを文書化。
- 事例6:地域企業との防災連携:同じビル・同じ商業施設の企業同士で備蓄・避難・帰宅支援を共同化し、コストと運用負荷を分担。
テレワーク中心の企業(100人未満)の取り組み
- 事例7:在宅勤務者向け備蓄補助:オフィス備蓄ではなく、社員1人あたり月数千円の防災手当を支給し、家庭備蓄を充実させる方式。
- 事例8:クラウド型安否確認+災害用チャット:オフィス出社者がいないため、SaaSの安否確認サービス+チャット(Slack、LINE WORKS)の整備を優先。
健康経営と一体化した取り組み
- 事例9:オフィス八百屋による「防災×健康経営」:オフィスに乾燥野菜を常備し、社員が日常的に消費しながら同じ在庫が防災備蓄になる仕組み。災害時の備蓄が炭水化物やたんぱく質に偏ると便秘・口内炎・疲労感などの体調不良が起こりやすいので、野菜の備えがあるだけで復旧時の従業員パフォーマンスが下がりにくくなる。健康経営優良法人認定の食生活改善施策の一例として活用しやすい(後述)。
- 事例10:地域貢献型・帰宅困難者受け入れ拠点:自社オフィスを帰宅困難者の一時滞在場所として地域に開放することを前提に、従業員+外部受け入れ人数分の備蓄を確保。自治体との協定締結で備蓄量に応じた助成金を受給するケースもあり、CSRと事業継続を兼ねた取り組み。
健康経営×BCPで進める新しい企業防災|オフィス八百屋
事例9の「防災×健康経営」を実現するサービスとして、Agritureが貝印グループとして運営するオフィス八百屋を紹介します。乾燥野菜・ドライフルーツ・インスタント味噌汁をオフィスに常備し、社員が日常的に消費しながら、同じ在庫が防災備蓄になる仕組みです。
サービスの基本仕様
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 食材 | 乾燥野菜(取り扱い品目は累計約100種類で、旬の中から数種類を組み合わせて納品)・ドライフルーツ・インスタント味噌汁 |
| 仕様 | 個包装3〜8g・水戻し不要・常温保存3カ月以上(ローリングストックで日常消費しながら回す前提) |
| 価格 | 1食あたり100円〜(企業負担と従業員負担の割合をカスタマイズ可能) |
| 初期費用・月額 | 無料(企業負担0円プランあり) |
| 原料 | 国産野菜100%・砂糖/添加物不使用・低温乾燥 |
| サステナビリティ | 規格外野菜のアップサイクルで生産者から適正価格で買い取り |
防災・健康経営・福利厚生・サステナビリティの4本立て
1つのサービスで4つの経営テーマをカバーできる点が、担当者から評価されています。
- 防災備蓄:常温保存3カ月以上の乾燥野菜が常時オフィスに在庫。ローリングストックが自動で回り、災害時の野菜不足対策になる
- 健康経営:日本人の野菜不足(1日平均約70g)の解消に役立ち、健康経営優良法人認定の食生活改善施策の一例として活用しやすい
- 福利厚生:食事補助・社員購入プラン・テレワーク社員への配送が選べ、20〜40代の多忙なビジネスパーソンに向いている
- サステナビリティ:規格外野菜のアップサイクルでフードロス削減に貢献。CSR施策と連動可能
取り組みとしての位置づけ
従来の防災備蓄は「総務部門の単独施策」として管理されがちでした。オフィス八百屋を活用すると、人事・健康経営担当・CSR部門との連携が自然に生まれ、社内横断の取り組みになります。社員にも「会社が私たちの健康と非常時の備えを真剣に考えている」というメッセージが伝わり、エンゲージメント向上にもつながります。
オフィス八百屋についてわかる
資料をご用意しています

- サービス内容・野菜ラインナップ
- 料金体系とプラン
- 導入・運用の流れ

サンプルセットもございます。詳しくは資料をダウンロード!
オフィス八百屋を少量でお試しできる、サンプルセットをご用意しています。詳しくは資料をご覧ください。
取り組みを始める5ステップとよくある失敗
取り組み導入の5ステップ
- 現状把握:既存の備蓄・BCP・安否確認の有無を棚卸し
- リスクの洗い出し:拠点ごとの地震・台風・豪雨などのリスクを整理
- 優先順位の決定:「従業員保護→事業継続→復旧」の順で対応範囲を決める
- 仕組み導入:備蓄(ローリングストック)・BCP文書・安否確認システムを段階的に導入
- 訓練と見直し:年1〜2回の訓練で実効性を確認し、必要に応じて更新
最初からすべてを完璧に揃える必要はありません。「やりやすい1つの領域」から始めて、徐々に広げていく進め方が定着しやすくなります。
よくある失敗1:備蓄を買って終わりにしてしまう
「買ったまま棚の奥で賞味期限切れ」が一番多いパターンです。回避策はローリングストック(日常消費しながら補充)の仕組みを作ること。福利厚生の食事補助サービスやオフィス八百屋を使うと、担当者が運用を続けやすくなります。
よくある失敗2:BCPを作っても実行できない
BCP文書が分厚く、担当者しか内容を把握していないと、災害時に実行できません。回避策は手順を1ページサマリーにまとめ、全従業員に共有+年1回の訓練で動きを確認すること。経営層が訓練に参加することで、現場への浸透も加速します。
よくある失敗3:安否確認が機能しない
連絡網を紙のまま放置しているケースや、安否確認システムを導入したが訓練で使っていないケースが典型です。回避策は年1〜2回の訓練で実際にシステムを動かし、従業員に操作を覚えてもらうこと。新入社員研修にも安否確認操作を組み込むと風化しません。
よくある失敗4:テレワーク社員の備えが抜け落ちる
オフィス中心の防災計画だけだと、在宅勤務者が災害時に孤立します。回避策は在宅勤務者向けの備蓄補助や、安否確認アプリでの分散対応を制度として追加すること。事例8のようなクラウド型安否確認の導入も有効です。
よくある質問|企業防災の取り組みQ&A
まとめ|取り組みは「続けられる仕組み」で作る
企業防災の取り組みは、事前対策・初動対応・事業継続・事後対応・教育訓練の5領域で整理し、自社の規模と業種に合わせて段階的に進めるのが現代の進め方です。事例10選にあるように、大企業はBCP×全社訓練、中小企業は最小限の備蓄+ローリングストック、テレワーク企業は在宅勤務者向け補助とクラウド安否確認、というように規模に応じたパターンがあります。
2026年版で注目されるのは、健康経営×BCPの一体化です。オフィス八百屋のような福利厚生サービスを使えば、防災備蓄と健康経営を1つの仕組みで両立でき、担当者の負担を減らしながら社員のエンゲージメント向上にも繋げられます。
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