自家焙煎のドリップバッグ、充填だけを外注するには
自分の店で焙煎した豆をドリップバッグにして売っている。手詰めが追いつかなくなってきたので、袋に詰める作業だけをどこかに頼みたい。Agritureには、こうした「充填だけ」のご相談が届きます。
この記事では、弊社が小袋充填OEMサービスで実際にお受けしている条件をもとに、ドリップバッグの充填を外に頼むときに決めることを順にまとめます。最初につまずきやすいのは、豆の状態と、作業費と資材代の分け方の2つです。
| 項目 | 弊社の対応 |
|---|---|
| 送っていただく原料 | 挽いた粉の状態でお送りください。弊社では焙煎も粉砕もしていません |
| 充填の作業 | 手詰めで対応します(1万袋以上は機械充填) |
| 費用の分け方 | 袋詰めは1袋75円。フィルターや外装の袋は、資材として1枚ごとに計算します |
| 黒糖などの同封 | 試作し、検査機関で生菌数を確認できれば対応します |
| 袋・フィルター | お持ち込みも、弊社での手配も可能。持ち込み資材は、発注前に実物で熱シールの確認をします |
| 最低ロット | 小袋充填は500袋から。ドリップパック加工は原料の構成や焙煎度で費用が変わるため、個別のお見積もりです |
| 納期の目安 | 500袋で約1か月、3,000袋で約2か月 |
| 表示・賞味期限の設定 | 弊社では行いません。袋に自社名を出す側で設定していただきます |
充填だけの外注、どこまで任せられる?
弊社が請けるのは、お預かりした原料を計量して袋に詰め、封をして返すところまでです。豆をどう仕上げるかは依頼する側の仕事として残ります。ここを先に線引きしておくと、見積もりのやり取りが短くなります。
送るのは挽いた粉。焙煎と粉砕は手元で済ませる
弊社は焙煎の設備も、コーヒー豆を挽く設備も持っていません。そのため、最終製品に入る状態、つまり挽いた粉でお送りいただきます。豆のまま送っていただいても、こちらで挽くことはできません。
黒糖やスパイスは、試作して生菌数を確かめてから
フィルターの中にコーヒー粉と一緒に黒糖やスパイスを入れたい、というご相談もあります。この仕様は、まず試作をして、その試作品を検査機関に出し、生菌数に問題がなければ本製造に進む流れでお受けしています。検査の手配と費用は、相談のうえで決めます。粉と違う粒の大きさのものが混ざるため、いきなり量産には入りません。
粒の大きさそのものは制約になりません。手詰めのため、機械の投入口を通す必要がないからです。粉末に粒が混ざった原料でも、そのまま詰められます。
小袋充填は500袋から。ドリップパックは個別見積もり
小袋充填OEMサービスの最低ロットは、どのパッケージでも500袋です。これより少ない数量は、充填の段取りにかかる手間が数量に見合わないため承っていません。一般的な充填の受託が数千〜数万袋からであることを考えると、500袋は試作やテスト販売の規模に近い数字です。
ドリップパック加工は、原料の構成や焙煎度によって費用が変わるため、個別のお見積もりになります。数量を先に決めるより、使う袋とフィルターを決めてからご相談いただくほうが、話が早く進みます。
1袋いくら?袋詰め75円に、フィルターと袋の資材代が乗る
見積もりで食い違いやすいのが、作業費と資材代の分け方です。袋詰めの作業費は1袋ごと、フィルターや外装の袋は資材として1枚ごとに計算します。
充填の作業費は1袋75円。資材代と送料は別
公開している充填の単価は次のとおりです。含まれるのは充填の作業だけで、袋・フィルターなどの資材代と送料は別途かかります。
| 作業 | 公開単価(税別) |
|---|---|
| 充填(1種類、またはブレンド済みをそのまま詰める) | 75円/袋 |
| 充填(原料ごとに分量を測ってミックスする) | 130円/袋 |
| シール貼り(1箇所あたり。裏ラベルも1箇所として計算) | 15円/箇所 |
| 脱酸素剤の同梱 | 無料 |
| 乾燥剤の同梱 | 無料 |
| パッケージ資材 | 袋の種類によります(お持ち込みの場合は資材持ち込み費5,000円) |
| コーヒーのドリップパック加工 | 仕様をお聞きして個別にお見積もりします |
フィルターは資材として1枚ごとに計算する
価格表では、フィルターは袋詰めの作業費とは別に、資材として1枚ごとに計算します。お茶用のタグ付きメッシュフィルター(65×80mm)は1枚29円(税別)です。コーヒー用のドリップフィルターや外装の袋は、使う資材によって単価が変わるため、仕様を伺ってお見積もりします。
ここに袋代・フィルター代・送料と発送作業(1件300円)が乗ります。充填のみのご依頼は、初回に初期費用15,000円がかかります。原価を組むときは、作業費だけで計算しないでください。
数量を増やしても単価は下がりにくい。小袋ほど1袋あたりは高くつく
手詰めのため、数量が増えても単価はほとんど変わりません。ロットを積めば大きく下がる、という前提では考えないほうが安全です。
また、作業費は1袋あたりでいただくため、中身の量にかかわらず同じように乗ります。200gの大袋なら気にならない金額でも、ドリップバッグのように内容量が少ない商品では、売価に占める充填費の割合が大きくなります。
自分の袋に詰めてもらえる?まず熱でくっつくか試す
すでにデザインした袋を使っている場合でも、その袋に詰めて封をすることは可能です。ただし、封ができるかどうかは袋の素材によります。
持ち込み・無地・印刷から、3通りとも受けられる
- 印刷済みのパッケージを送っていただき、そこに詰める
- 無地の袋に詰めて返し、シール貼りなどの仕上げは自社で行う
- 資材の手配と印刷から任せる
袋の形やフィルムの選び方そのものは、パッケージ資材選定の5つのポイントにまとめています。ここでは、持ち込む場合に何を確かめるかに絞ります。
持ち込んだ資材は、熱シールのテストをしてから判断する
お送りいただいた袋は、弊社で熱シールのテストをします。しっかり留まることを確認してから、お受けできるかをお答えします。見た目が同じフィルムでも、内側の層によって留まり方が変わるためです。すでに手詰めで使っている袋でも、封の仕方が変われば結果は変わります。
そのため、発注の前に実物のサンプルを送っていただいています。本番で使う予定のものと同じロットで用意してください。印刷を発注する前にご相談いただければ、袋の作り直しを避けられます。
粒度・内容量・フィルターの形・数量を決めてから送る
- 粉の挽き方(本番と同じ粒度で試作する)
- 1袋あたりの内容量(グラムで決める)
- フィルターの形と、外装のサイズ
- 作りたい袋の数と、売り始めたい時期
相談から納品まで。500袋で約1か月
初めて外に出す場合は、資材のテストと試作が入るぶん、想像より時間がかかります。売り始める日が決まっているなら、最初の相談の時点で伝えてください。
仕様の確認から納品までの流れ
持ち込みの資材がある場合と、具材を入れる場合は、本製造の前に2つの確認が入ります。ここを飛ばせないので、逆算するときはこの2つぶんの日数を見てください。
| 順番 | やること | 決まること |
|---|---|---|
| 1 | 仕様の共有(粉の量・袋・フィルター・数量) | 見積もりの前提 |
| 2 | 資材のテスト(持ち込みの場合) | その袋で封ができるか |
| 3 | 試作(具材を入れる場合は検査も) | 仕上がりと、生菌数の確認 |
| 4 | 原料の発送 | 本製造の開始日 |
| 5 | 本製造・納品 | 納品日と送料 |
催事に合わせるなら、この日数から逆算する
手詰めのため、数量がそのまま日数に効きます。イベントや催事、季節商品に合わせる場合は、この日数から逆算して原料を送る日を決めてください。原料が届いてから作り始めるので、発送の日がそのまま製造の開始日になります。
送料は実費。原料を送る日が製造の開始日
原料の送付と納品の配送費は実費で、宅配便の一般的な料金でのやり取りになります。遠方の場合は日数と送料が変わるので、事前にご確認ください。粉は湿気を吸うため、送っていただくときは密封した状態でお願いします。
売る前に決める、袋の表示と賞味期限
充填を外に出しても、売る商品の表示を決めるのは自社側の仕事です。特にドリップバッグは、中身に何かを足した時点で書き方が変わります。
黒糖を入れると「レギュラーコーヒー」とは書けない
「レギュラーコーヒー及びインスタントコーヒーの表示に関する公正競争規約」は、レギュラーコーヒーを「コーヒー生豆を焙煎したもの(煎り豆)及び煎り豆にコーヒー生豆を加えたもの並びにこれらを挽いたもの」と定めています。砂糖や黒糖を加えたものは、この定義に入りません。
この規約は業界の表示ルールで、コーヒーを製造・輸入して売る事業者と、コーヒーに自社の商標や名称を表示する事業者が対象です。充填を外に出しても、袋に自社名を出すなら自分ごとになります。
加糖したドリップバッグは規約の対象から外れますが、表示が自由になるわけではありません。規約から外れる商品は、食品表示基準の一般のルールで表示します。名称は内容を表す一般的なものにして、原材料は重量の多い順に並べます。
コーヒーだけなら、名称と原材料名はこう書く
中身が挽いたコーヒーだけなら、規約の書き方に沿って一括表示を作ります。
| 欄 | 書き方 |
|---|---|
| 品名または名称 | 「レギュラーコーヒー」と書く |
| 原材料名 | 「コーヒー豆」と書き、括弧内に「生豆生産国名」の見出しを付けて国名を書く |
| 生豆生産国名 | ブレンドは重量の多い順。3か国以上なら多い順に2か国以上+「その他」 |
| 内容量 | グラム(g)またはキログラム(kg)で単位を明記 |
| 賞味期限 | 開封前の状態で定めた期限 |
これは規約で定められた項目です。実際の袋には、このほかに保存方法、表示に責任を持つ事業者の名称と所在地、製造所の所在地、栄養成分表示も入ります。
また、国内で製造した加工食品は、重量割合が最も高い原材料の産地を示すルールの対象です。レギュラーコーヒーは生豆生産国名の書き方が規約で決まっているので、実際の書き分けは保健所や表示に詳しい専門家に確認してください。
賞味期限を決めるのは、袋に自社名を出す側
期限を設定するのは表示責任者です。消費者庁の「食品期限表示の設定のためのガイドライン」(令和7年3月)は、食品の特性等に応じた科学的・合理的な根拠に基づく期限の設定と、安全係数の設定を、自ら考えて行うことを求めています。賞味期限は、理化学試験や官能検査などの品質の試験結果を優先して設定する期限です。
安全係数は1に近づけることが望ましく、設定の根拠となる資料は保管して、求められたときに説明できるようにしておきます。弊社は充填を請ける立場で、期限を決めるための試験は行っていません。
黒糖や砂糖を加えた商品の食品表示と賞味期限の設定について、弊社には知見がありません。検査機関への依頼は、売る側で手配していただくことになります。充填の可否と条件はお答えできますので、表示と期限は分けてご相談ください。
小袋充填についてわかる資料をご用意しています
小ロット〜大ロットまで柔軟に対応できるアグリチャー

- 500袋〜小袋充填に対応
- お茶、コーヒーにも対応
- シール張りまで一気通貫で実施
よくある質問
まとめ
ドリップバッグの充填だけを外に頼むときは、原料の状態・費用の分け方・袋、そして売るときの表示を先に決めておくと、見積もりのやり取りが短く済みます。弊社でお受けする場合のポイントは次のとおりです。
- 焙煎と粉砕はこちらでは行わないため、挽いた粉の状態で送る
- 袋詰めは1袋75円。フィルターや外装の袋は資材として別に計算し、送料と発送作業もかかる
- 持ち込んだ袋は、発注前に実物でテストして可否を判断する
- 黒糖などを一緒に入れる仕様は、試作と生菌数の確認を経てから本製造に進む
- 表示と賞味期限は、袋に自社名を出す側が決める
使いたい袋とフィルターが決まっている方は、その仕様を添えてご相談ください。数量は500袋からです。
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