出汁OEMの始め方|野菜だし・だしパックを乾燥野菜メーカーが解説
自社ブランドのだしを持ちたい、飲食店で使うオリジナルのだしパックを作りたい。そんなときに使えるのが出汁のOEM(受託製造)です。とはいえ「どんなだしが作れるのか」「最小ロットや費用はどれくらいか」が分からず、最初の一歩で迷う担当者の方は少なくありません。
このページでは、乾燥野菜を製造するメーカーの立場から、出汁OEMの基本、だしの種類と形態、乾燥野菜を使った野菜だしの作り方、小ロットでの始め方、発注から納品までの流れを実務目線で整理します。
出汁OEMとは
OEMは、他社のブランドで販売する商品を製造することを指します。出汁OEMなら、原料の配合設計から製造、だしパックへの充填、パッケージまでをメーカーに任せ、自社は企画と販売に集中できます。設備投資がほぼ不要で始められるのも利点です。
OEMで任せられる範囲
出汁OEMで委託できるのは製造工程だけではありません。素材の選定やうま味の配合設計、だしパックの形態、パッケージのデザインまで、商品化に必要な工程をまとめて依頼できます。オリジナルの調味料として展開したい場合も相談できます。
- 素材の選定とうま味の配合設計
- 乾燥・粉砕・ブレンドなどの加工と製造
- だしパックや小袋への充填
- パッケージのデザイン・印刷
出汁OEMが向いているケース
自社工場を持たずにオリジナルのだし商品を持ちたい企業、飲食店で使う業務用のだしをそろえたい事業者、ご当地素材を活かした土産物を企画したい事業者など、出汁OEMが活きる場面は幅広くあります。プライベートブランド(PB)として展開するケースでも使われます。
だしの種類とだしパックの形態
ひとくちにだしといっても、使う素材や形態で味も使い方も変わります。商品の方向性を決めるうえで、まず種類を押さえておくと相談がスムーズです。
素材で選ぶだしの種類
定番はかつお節などの削り節や昆布、煮干しを使っただしです。これに乾燥野菜を合わせると、動物性素材に頼らない野菜だしも作れます。和風、洋風、エスニックなど、狙う料理に合わせて素材を組み立てます。
| だしの種類 | 主な素材 | 向いている用途 |
|---|---|---|
| かつおだし | かつお節・削り節 | 和食全般・みそ汁 |
| 昆布だし | 昆布 | 上品な和食・鍋 |
| 煮干しだし | 煮干し | こくのあるみそ汁 |
| 野菜だし | 乾燥野菜 | 洋風スープ・ベジ対応 |
だしパックと業務用の形態
形態は、家庭用のだしパックや、飲食店向けの業務用の大袋、粉末タイプなど、用途で選びます。だしパックは手軽さが魅力で、小売や土産物に向きます。粉末タイプは調味料としても使いやすく、用途が広がります。充填や袋の形はスティック充填OEMの選び方も参考になります。
| 形態 | 特徴 | 向いている販路 |
|---|---|---|
| だしパック(不織布) | 煮出すだけで手軽 | 家庭用・小売・土産 |
| 顆粒・粉末 | 溶かす・ふりかけて使える | 業務用・時短調理 |
| 濃縮・液体 | 少量で味が決まる | 飲食店・惣菜 |
| 大袋(業務用) | まとめ買いでコスト効率がよい | 飲食店・給食 |
乾燥野菜でつくる野菜だしOEM
動物性素材を使わない野菜だしは、ベジタリアン対応の商品として相談されることの多い分野です。塩分は配合しだいで調整できるため、減塩を意識した設計にも応用できます。乾燥野菜を原料から扱うメーカーにとっては、うま味と香りを設計しやすく、強みが活きる領域になります。
100品目近い乾燥野菜を原料にできる
当社では京野菜や伝統野菜を含む100品目近い野菜を乾燥加工しています(自社調べ)。うま味の強い野菜を組み合わせれば、奥行きのある野菜だしを設計できます。どの野菜を主役にするかで、だしの方向性が変わります。野菜だしの詳しい設計は野菜だしのOEMで解説しています。
- 玉ねぎ:甘みとコクが出て、洋風スープのベースに向く
- トマト:酸味とうま味で、洋風・エスニックに振れる
- きのこ:濃いうま味が出て、和洋どちらにも合う
- 昆布や削り節と合わせると、和風の厚みが増す
規格外野菜やご当地野菜を活かす
形が不ぞろいで通常は流通しにくい規格外の野菜も、乾燥・粉砕すればだしの原料として使用できます。地域の野菜を使えば、土産物やご当地商品としての物語性も生まれます。乾燥野菜そのものの受託加工は乾燥野菜のOEM・受託加工で紹介しています。
乾燥加工のOEMについてわかる資料をご用意しています
小ロット〜大ロットまで柔軟に対応できるアグリチャーOEM

- 既存原料100g~からOEM対応
- 持ち込み原料の乾燥加工も可能
- 加工から充填まで一括でサポート
用途別の出汁OEM設計と広がる需要
同じだしでも、どの売り場で売るかによって、最適な味や形態は変わります。販路を先に決めると、商品の設計がぶれずに進みます。
販路ごとに設計を変える
家庭用は手軽さと使い切りやすさ、業務用はコストと安定供給、土産は地域性とパッケージが重視されます。狙う販路に合わせて、味の濃さや形態、容量を設計します。
| 販路 | 重視される点 | 向いている形態 |
|---|---|---|
| 小売・家庭用 | 手軽さ・使い切りやすさ | 個包装のだしパック |
| 飲食店・業務用 | コスト・安定した味 | 大袋・濃縮タイプ |
| 観光土産 | 地域性・贈りやすさ | 箱入り・ご当地パッケージ |
| 給食・施設 | 減塩・アレルゲン対応 | 大容量・粉末タイプ |
時短・健康・プラントベースの需要
共働きや単身世帯の増加を背景に、煮出すだけで味が決まるだしパックや、溶かすだけの顆粒だしの需要が高まっています。健康志向から、化学調味料に頼らないだしや減塩のだしも求められています。
とくに動物性を使わないプラントベースのだしや、トマトなどの野菜を使っただしは、ベジタリアンやハラール対応の広がりとともに注目されています。トマト出汁のうま味設計やヴィーガン・五葷抜きへの対応など、野菜だしの詳しい設計は野菜だしのOEMや野菜出汁のうま味を引き出すコツで深く解説しています。
小ロットで始める出汁OEM
はじめての商品開発では、いきなり大量に作るのは不安が大きいものです。まずは小ロットで試作し、売れ行きを見ながら量産に移す進め方が現実的です。
最小ロットの考え方
出汁OEMの最小ロットは、商品や形態によって幅があります。完成品のだしパックは量産だと数千袋単位が目安になる一方、原料となる乾燥野菜の加工は品目によっては100gの小ロットから対応できます。完成品と原料のロットを分けて考えると、見積もりを読み違えずに済みます。
| 段階 | ロットの目安 | 狙い |
|---|---|---|
| 試作 | 少量・小ロット | 味と仕様を固める |
| テスト販売 | 小〜中ロット | 売り場の反応を見る |
| 量産 | 中〜大ロット | コストを下げて展開 |
他カテゴリと組み合わせる
同じ乾燥野菜を使えば、だしと近い発想でスープやふりかけにも展開できます。シリーズで企画すると、原料の共通化でコストを抑えやすくなります。乾燥素材を使った別カテゴリの始め方はスープOEM製造の始め方やふりかけOEMも参考になります。
出汁OEMの発注から納品までの流れ
実際に出汁OEMを依頼するときの流れを知っておくと、準備すべきことが見えてきます。大まかには、相談から試作、量産、納品までの流れで進みます。
相談前に決めておきたいこと
相談をスムーズに進めるには、要望を事前に整理しておくと役立ちます。要望がはっきりしているほど、メーカーからの提案も具体的になり、開発が早く進みます。
- 狙う味の方向性(和風・洋風・野菜だしなど)
- 想定する販路(小売・業務用・土産・PB)
- 形態(だしパック・粉末・大袋)
- 希望するロットと予算の目安
- 納期の目安
品質管理と表示の確認
食品である以上、衛生管理や原材料の表示、アレルゲン情報の確認は欠かせません。販路によっては認証や検査が求められることもあります。製造を依頼する前に、どこまでの品質管理体制があるかを確認しておくと安心です。素材を支給したい場合は、受け入れの可否も早めに相談しておきましょう。
Agritureならではの出汁づくり
だしは、素材のうま味をどれだけ引き出し、残せるかが決め手です。乾燥野菜の加工で培った技術で、うま味を活かしただしづくりを支援できます。
大手企業が運営する農園で育てたトマトをドライトマトに加工し、社員向け事業の素材として供給した実績もあります(Agriture社での経験)。自社農園や契約農家の野菜を、付加価値のあるだしに変える相談にも対応できます。
- 低温乾燥でうま味成分や香りを残す
- 規格外野菜や端材をアップサイクルし、コストとフードロス削減を両立
- 100品目近い乾燥野菜から、だしの方向性を設計できる
- 自社農園・契約農家の野菜を原料にした商品化を支援
こんな企画ができる
- 自社農園や契約農家の野菜を使った「ストーリーのあるだし」
- 規格外野菜を活かした「もったいないだし」
- 地域野菜を主役にした「ご当地だしパック」
- 福利厚生やノベルティ向けの少量・名入れ商品
乾燥加工のOEMについてわかる資料をご用意しています
小ロット〜大ロットまで柔軟に対応できるアグリチャーOEM

- 既存原料100g~からOEM対応
- 持ち込み原料の乾燥加工も可能
- 加工から充填まで一括でサポート
よくあるご質問
まとめ:野菜を活かした出汁OEMで差別化する
出汁OEMは、自社で設備を持たなくても、オリジナルのだし商品を企画・販売できる手段です。素材や形態を押さえ、小ロットの試作から育てていけば、リスクを抑えながら商品化を進められます。
とくに乾燥野菜を使った野菜だしは、ベジ対応や減塩の流れに乗りやすく、原料から一貫して作れるメーカーの強みが活きる領域です。だしの商品化を考えている方は、まず作りたいイメージと数量を整理して相談してみてください。
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