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鳥取の伝統野菜とは?4品目(GI登録の砂丘らっきょう・伯州美人を含む)の特徴と旬・食べ方を解説

鳥取県の伝統野菜は、日本海沿岸の鳥取砂丘・中国山地・大山山麓といった地形多様性のなかで栽培されてきた在来種です。日本伝統野菜推進協会では鳥取県の在来種4品目(板井原だいこん・砂丘らっきょう・三宝甘長とうがらし・伯州ねぎ)を整理しており、本記事ではその4品目すべてを詳しく解説します。砂丘らっきょうは2016年3月10日に「鳥取砂丘らっきょう」「ふくべ砂丘らっきょう」の2名称で同一のGI第11号として登録された全国流通の特産品です(品種:「らくだ」、登録生産者団体:鳥取いなば農業協同組合)。

鳥取砂丘の砂地で江戸時代末期に導入され、大正初期に本格生産が始まった砂丘らっきょう(大正3年=濱本四方蔵が砂丘畑でまとまった栽培に成功)、智頭町の郷土料理「板井原ごうこ」の素材である板井原だいこん、辛みのない甘長系トウガラシ「三宝甘長」、米子市を中心に栽培されるとろける食感の伯州ねぎなど、鳥取で受け継がれる4品目を紹介します。

目次

「伝統野菜」の定義と本記事の対象

「伝統野菜」には全国統一の定義がなく、認定機関によって基準が異なります。主要な認定機関の基準を整理します。

認定機関主な基準
京都府「京の伝統野菜」明治以前の栽培歴があり府内全域が対象(たけのこ含む、キノコ類・シダ類を除く、絶滅品目も対象)
大阪府「なにわの伝統野菜」概ね100年以上前から大阪府内で栽培
奈良県「大和の伝統野菜」戦前から本県での生産が確認・独特の栽培方法・味や香り・形態・来歴の特徴
長野県「信州伝統野菜認定制度」来歴・食文化・品種特性(来歴は昭和30年代以前)
鳥取県県独自の伝統野菜認定制度はなし。JA鳥取いなば等が地域ブランド化を支援

本記事では日本伝統野菜推進協会が整理する鳥取県の4品目すべてを本編で解説します。

鳥取の伝統野菜とは?鳥取砂丘と中国山地の食文化

エリア代表品目地域特性
因幡(鳥取・八頭)砂丘らっきょう、三宝甘長とうがらし、板井原だいこん鳥取砂丘の砂地・中国山地の山間部
伯耆(米子・境港・大山山麓)伯州ねぎ(主力品種は「改良伯州5号」、JA鳥取西部のブランド・GI登録名は「伯州美人」)大山山麓と弓浜半島の砂地〜平野

鳥取県は旧国名の因幡・伯耆に分かれ、因幡は鳥取砂丘の砂地と中国山地の山間部、伯耆は大山山麓と日野川流域という、東西で異なる地形を持ちます。砂丘らっきょうは砂地を活かした代表的な特産品、伯州ねぎは米子平野の砂壌土で栽培されるとろける食感のねぎです。

4品目早見表

#品目分類主産地
1板井原だいこんダイコン(小型)八頭郡智頭町板井原秋〜冬
2砂丘らっきょうラッキョウ(GI第11号)鳥取市福部町の砂丘畑6月
3三宝甘長とうがらしトウガラシ(甘長)鳥取市・八頭郡7〜8月
4伯州ねぎ(主力品種:改良伯州5号/JA鳥取西部ブランド・GI登録名:伯州美人)ネギ(軟白部太型)米子市・境港市・大山山麓11〜2月(米子市公式)

100種前後の取り扱い品目がわかる商品カタログ

小ロット〜大ロットまで柔軟に対応できるアグリチャー

乾燥野菜
  • 100g~の小ロットから販売可能
  • 日本各地の伝統野菜の扱いあり
  • ドライフルーツ/ハーブも対応可能

鳥取の伝統野菜4品目の特徴と食べ方

砂丘らっきょう — 鳥取砂丘のGI登録特産

6月
産地鳥取市福部町の砂丘畑
向く料理甘酢漬け、塩漬け、醤油漬け、薬味

砂丘らっきょうは、鳥取市福部町の鳥取砂丘に隣接する砂丘畑で栽培される「らくだ」品種のらっきょうです。砂層が厚く、水はけがよく、土壌の養分が限られる砂丘の環境が、繊維が細かくシャキシャキした食感と色白の外観を育てます。2016年3月10日に「鳥取砂丘らっきょう」「ふくべ砂丘らっきょう」の2名称で農林水産省の地理的表示(GI)第11号に登録されました(登録生産者団体:鳥取いなば農業協同組合)。

福部町のらっきょう栽培は、大正初期に産業組合が設立され、大正3年(1914年)には濱本四方蔵が砂丘畑でまとまった栽培に成功して以降、100年以上続く産地です。現在は約120haの栽培面積で約75戸の農家が栽培しており、全国でも規模の大きい産地の一つです。旬は6月の約1か月で、甘酢漬け・塩漬け・醤油漬けの加工品として通年流通します。

板井原だいこん — 智頭町の小型大根

秋〜冬
産地八頭郡智頭町板井原
向く料理板井原ごうこ(たくあん漬け)、漬物

板井原だいこんは、八頭郡智頭町板井原地区で栽培される長さ10〜15cmの小型の在来大根です。中国山地の山間集落で受け継がれてきた品種で、地元では「板井原ごうこ」と呼ばれるたくあん漬けの素材として使われます。山間部の冷涼な気候と集落独自の栽培継承が、この小型の大根の保存を支えてきました。

生食よりも漬物加工が主用途で、「板井原ごうこ」は智頭町の郷土料理として地域で受け継がれています。栽培・出荷は限定的で、智頭町内の直売所や地元のイベントで扱われることがあります。

三宝甘長とうがらし — 辛くない肉厚の甘長

7〜8月
産地鳥取市・八頭郡
向く料理焼きもの、天ぷら、油炒め、肉詰め

三宝甘長とうがらしは、鳥取市・八頭郡で栽培される辛味のない大型の甘長トウガラシで、長さ17〜20cm・重さ35〜40gとししとうより大ぶり。肩幅も3cm以上と太く、果肉は肉厚で甘く柔らかく、焼きもの・天ぷら・油炒めなど加熱調理で素材の味が活きます。辛みを気にせず子どもでも食べやすい甘長トウガラシです。

旬の7〜8月には鳥取市内のJA直売所・道の駅で出荷されます。肉詰めや焼き浸しにすると果肉の甘みが引き立ちます。

伯州ねぎ — 米子の太く柔らかい白ねぎ

11〜2月(米子市公式)
産地米子市・鳥取県西部
向く料理鍋物、すき焼き、焼きねぎ、汁物

伯州ねぎは鳥取県西部(米子市・境港市・大山山麓周辺)で古くから栽培されてきた在来の白ねぎの総称で、現行の主力品種は在来種を改良した固定種「改良伯州5号」(鳥取県オリジナル品種)です。軟白部分が太く柔らかく、加熱すると甘くとろける食感が持ち味。このうちJA鳥取西部が出荷する一定基準のものはブランド名「伯州美人」として流通し、2024年8月27日に農林水産省の地理的表示(GI)第153号に登録されました(登録生産者団体:鳥取西部農業協同組合)。

旬の11〜2月が出荷期ですが、収穫量は限られ、主に関西市場に出荷されるため地元でも入手機会は多くありません。

鳥取の伝統野菜の購入方法と保存のコツ

品目主な入手先時期
砂丘らっきょう鳥取市福部町のJA直売所、ふるさと納税、全国通販生6月、加工品通年
板井原だいこん智頭町内の直売所・地元イベント秋〜冬
三宝甘長とうがらし鳥取市・八頭郡のJA直売所・道の駅7〜8月
伯州ねぎ/伯州美人鳥取県西部JA直売所、GI「伯州美人」は関西市場中心11〜2月(米子市公式)

県外への通販・ふるさと納税

  • 砂丘らっきょう — 鳥取市のふるさと納税返礼品として生(6月)・加工品(通年)で発送。「鳥取砂丘らっきょう」「ふくべ砂丘らっきょう」のGIマーク付き
  • 伯州ねぎ/伯州美人 — 米子市・境港市等のふるさと納税返礼品として冬季発送。GIマーク付きの「伯州美人」は関西市場中心に流通
  • 加工品 — 砂丘らっきょうの甘酢漬け・塩漬け・醤油漬けが通年流通

100種前後の取り扱い品目がわかる商品カタログ

小ロット〜大ロットまで柔軟に対応できるアグリチャー

乾燥野菜
  • 100g~の小ロットから販売可能
  • 日本各地の伝統野菜の扱いあり
  • ドライフルーツ/ハーブも対応可能

鳥取の伝統野菜を守る取り組み

取り組み内容
砂丘らっきょう GI登録2016年3月10日にGI第11号として登録
JA鳥取いなばのブランド展開砂丘らっきょうを中心に全国流通とふるさと納税を推進
伯州美人 GI登録2024年8月27日にGI第153号として登録(登録団体:鳥取西部農業協同組合)
智頭町の地域ぐるみ保存板井原だいこん・板井原ごうこの継承を地域住民が担う

よくある質問

鳥取県には伝統野菜の公式認定制度がありますか?

鳥取県独自の伝統野菜認定制度は現在ありません。本記事では日本伝統野菜推進協会が整理する鳥取県の在来種4品目(板井原だいこん・砂丘らっきょう・三宝甘長とうがらし・伯州ねぎ)を紹介しています。砂丘らっきょうは2016年にGI第11号として国の地理的表示保護制度に登録されており、GIマーク付きで全国流通しています。

砂丘らっきょうが「鳥取砂丘らっきょう」「ふくべ砂丘らっきょう」と2つ名前がある理由は?

GI第11号として2名称が同時に登録されているためです。2016年3月10日に「鳥取砂丘らっきょう」「ふくべ砂丘らっきょう」の2名称が同一の登録番号(第11号)で登録されました。いずれも鳥取市福部町の砂丘畑で栽培される「らくだ」品種のらっきょうで、出荷団体・流通経路の違いにより2名称が併記されています(登録生産者団体:鳥取いなば農業協同組合)。

板井原だいこんと普通の大根の違いは?

板井原だいこんは長さ10〜15cmの小型の在来大根で、一般の大根(長さ30cm前後)よりかなり小さいサイズです。八頭郡智頭町板井原地区の山間集落で受け継がれてきた品種で、生食よりも漬物加工が主用途。地元の郷土料理「板井原ごうこ」(たくあん漬け)の素材として使われます。栽培・出荷は限定的で、智頭町内の直売所で扱われることがあります。

三宝甘長とうがらしは辛くないのですか?

はい、三宝甘長とうがらしは辛味のない甘長トウガラシです。果肉が肉厚で甘く柔らかいため、焼きもの・天ぷら・油炒め・肉詰めなど加熱調理に幅広く使えます。辛味がない甘長系統のため、子どもでも食べやすい品種です。旬は7〜8月で、鳥取市・八頭郡のJA直売所で出荷されます。

伯州ねぎと「伯州美人」は同じもの?

「伯州ねぎ」は鳥取県西部で古くから栽培されてきた在来の白ねぎの総称で、現行の主力品種は在来種を改良した固定種「改良伯州5号」(鳥取県オリジナル品種)です。「伯州美人」はJA鳥取西部(鳥取西部農業協同組合)が出荷する伯州ねぎのブランド名で、2024年8月27日に農林水産省の地理的表示(GI)第153号として登録されました。品種としては同じ改良伯州5号ですが、GIマーク付きで流通するのはJA鳥取西部の選別基準を満たす「伯州美人」名称のものです。

伯州ねぎと下仁田ねぎの違いは?

どちらも軟白部が太く加熱でとろける食感を持つ白ねぎですが、産地と系統が異なります。伯州ねぎは鳥取県西部(米子市・境港市・大山山麓)で栽培される在来ねぎで、現行の主力品種は固定種「改良伯州5号」。ブランド名「伯州美人」は2024年にGI第153号として登録されました。旬は11〜2月(米子市公式)。下仁田ねぎは群馬県下仁田町産の太短の白ねぎで、江戸時代に大名家へ献上された逸話から「殿様ねぎ」の異名を持ち、旬は11月下旬〜12月。いずれも鍋物・すき焼き・焼きねぎで甘みと食感が楽しめます。

まとめ

鳥取の伝統野菜は、砂丘らっきょう(GI第11号・2016年、品種:らくだ)・板井原だいこん・三宝甘長とうがらし・伯州ねぎ(主力品種:改良伯州5号/JA鳥取西部のブランド名「伯州美人」はGI第153号・2024年登録)の4品目。鳥取砂丘の砂地、智頭町の山間集落、米子平野の砂壌土といった鳥取の地形特性に合わせて栽培される品目が並びます。

6月は砂丘らっきょう、7〜8月は三宝甘長とうがらし、秋冬は板井原だいこん、11〜2月は伯州ねぎと、季節ごとに鳥取の在来種が楽しめます。ふるさと納税や直売所を通じて、因幡・伯耆の在来種を家庭の食卓に取り入れられます。

参考文献・情報ソース

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    この記事を書いた人

    小島 怜のアバター 小島 怜 Agriture CEO

    株式会社Agriture CEO/乾燥野菜やドライフルーツを中心とした受託加工・OEM事業。京都府内の農家と連携し、規格外野菜の活用や6次産業化支援を通じて、「持続可能な食の流通」を追求している。製造現場での豊富な実体験を活かし、商品企画から試作、小ロット対応、パッケージ設計、販路開拓支援まで、OEMを検討するすべての事業者に伴走するサポートを提供。

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