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みえの伝統野菜とは?選定6品目+2品目の特徴と旬・食べ方を解説

三重県の伝統野菜は、伊勢平野・志摩半島・熊野灘沿岸・鈴鹿山脈・伊賀盆地にまたがる多様な地形のなかで受け継がれてきた品種です。三重県は独自の「みえの伝統野菜」選定制度を運用しており、三重県公式ページによれば公式選定は6品目。これに日本伝統野菜推進協会が掲載する鵜方の水なすび・御薗大根を含めた8品目を中心に紹介します。

本記事では県公式6品目と協会掲載2品目をあわせた8品目を整理し、代表7品目(野菜)を詳しく解説します。粘りの強いヤマトイモ「伊勢いも」、紅色が美しい「松阪赤菜」、伊勢神宮ゆかりの「御薗大根」、志摩の「鵜方の水なすび」、加工品として別枠紹介する「きんこ」など、三重で受け継がれる在来種をまとめます。

目次

「伝統野菜」の定義と本記事の対象

「伝統野菜」には全国統一の定義がなく、認定機関によって基準が異なります。主要な認定機関の基準を整理します。

認定機関主な基準
京都府「京の伝統野菜」明治以前から京都で栽培、京都特有
大阪府「なにわの伝統野菜」概ね100年以上前から大阪府内で栽培
秋田県「あきた伝統野菜」昭和30年代以前から県内で栽培
山形県「やまがた伝統野菜」昭和20年以前から県内で栽培
三重県「みえの伝統野菜」生産量・歴史性(50年以上)・地域性・商品価値・品種品質の5つを満たす

三重県の「みえの伝統野菜」は2025年時点で6品目(伊勢いも・きんこ・芸濃ずいき・たかな・松阪赤菜・三重なばな)が選定されています。本記事ではこの6品目に加え、日本伝統野菜推進協会のリストに掲載される鵜方の水なすび・御薗大根を含めた計8品目を整理します。加工品の「きんこ」と別枠選定の「みえの伝統果実」(市木オレンジ・五ヶ所小梅・蓮台寺柿・前川次郎柿)は記事末尾の「その他の地方特産品種」セクションで別途紹介します。

みえの伝統野菜とは?伊勢・志摩・熊野の食文化

エリア代表品目地域特性
北勢(桑名・木曽岬)三重なばな木曽三川下流のデルタ地帯
中勢(津・松阪・多気)/南勢(伊勢)松阪赤菜、三重なばな、芸濃ずいき、伊勢いも、御薗大根伊勢平野の中核。松阪牛・伊勢神宮のお膝元
南勢・志摩(志摩・鳥羽)鵜方の水なすび、きんこ志摩半島の温暖気候とリアス式海岸
東紀州(熊野・尾鷲)たかな熊野灘沿岸と南牟婁の山間地

三重は伊勢平野の中勢地域に伝統野菜が集中し、志摩半島の鵜方・英虞湾沿い、熊野灘沿岸の東紀州と、地形別に独立した食文化が並びます。伊勢神宮の門前町として発達した食文化を背景に、地域独自の品種が受け継がれてきました。

歴史的背景——伊勢神宮と伝統野菜

  • 御薗大根 — 伊勢市御薗町(旧御薗村)で栽培される白首大根系品種。昭和初期に三重県農業試験場が伊勢たくあん向けに系統改良したとされる
  • 伊勢いも — 多気町で栽培されるヤマトイモ系の在来種。粘り気の強さが持ち味
  • 松阪赤菜 — 松阪市で栽培される鮮やかな紅色の蕪菜。地元の漬物文化を支えてきた
  • 芸濃ずいき — 津市芸濃町の里芋の茎(ずいき)。あずき色が特徴

三重の伝統野菜 8品目(野菜7+加工品1)一覧と旬カレンダー

野菜7品目早見表(+加工品「きんこ」)

#品目分類主産地県選定
1伊勢いもヤマトイモ多気町
2芸濃ずいきサトイモの茎津市芸濃町
3たかな(赤大葉・青大葉)葉菜(タカナ)熊野市
4松阪赤菜葉菜(紅色の蕪菜)松阪市
5三重なばな葉菜(ナバナ)桑名市長島町・木曽岬町・松阪市
6御薗大根ダイコン伊勢市御薗町協会掲載
7鵜方の水なすびナス(水なす系)志摩市阿児町鵜方協会掲載

※県公式「みえの伝統野菜」6品目には「きんこ」(干し芋加工品)が含まれます。本記事では野菜7品目を本編で紹介し、加工品の「きんこ」は末尾の特産品種セクションで扱います。

主要品目の旬カレンダー

旬を迎える主な品目
6〜8月芸濃ずいき
6月中旬〜10月鵜方の水なすび
11〜12月伊勢いも、御薗大根(11月下旬〜12月上旬)
11〜3月松阪赤菜、三重なばな、たかな(〜4月)

夏の芸濃ずいきと鵜方の水なすび、冬春の葉菜類(松阪赤菜・三重なばな・たかな)と根菜(伊勢いも・御薗大根)で、年間を通して三重県産の旬野菜が並びます。

100種前後の取り扱い品目がわかる商品カタログ

小ロット〜大ロットまで柔軟に対応できるアグリチャー

乾燥野菜
  • 100g~の小ロットから販売可能
  • 日本各地の伝統野菜の扱いあり
  • ドライフルーツ/ハーブも対応可能

代表的なみえの伝統野菜7品目の特徴と食べ方

伊勢いも — 餅のような粘りのヤマトイモ

11〜12月
産地多気郡多気町
向く料理とろろ、お好み焼き、つくね、いも汁

伊勢いもは、多気町で栽培されるヤマトイモ系の在来種で、ボール状の塊形と凸凹した白い表皮が特徴です。すりおろすと餅のような強い粘りが出て、クリーミーでコクのある味わいが楽しめます。多気町では古くから栽培され、地元の粘り気の強い品種として定着しています。

とろろご飯が定番で、お好み焼きのつなぎやつくねに使うと食感が締まります。旬の11〜12月は多気町内の直売所とふるさと納税で入手できます。

松阪赤菜 — 根と葉軸が紅色の蕪菜

11〜3月
産地松阪市
向く料理浅漬け、酢漬け、サラダ、お浸し

松阪赤菜は、松阪市で栽培される蕪菜の一種で、根の全体と葉の軸が美しい紅色に染まるのが特徴です。シャキシャキとした歯ごたえと、ほんのり苦みを含んだ風味が持ち味。松阪の漬物文化を支える食材として、地元で根づいてきました。

浅漬け・酢漬けにすると紅色がさらに映え、食卓の彩りとして使えます。サラダやお浸しにしても色が残り、冬の食卓に重宝します。

三重なばな — 桑名・長島の早春の菜花

11〜3月
産地桑名市長島町・木曽岬町・松阪市
向く料理お浸し、辛子和え、パスタ、味噌汁

三重なばなは、アブラナの茎葉を摘み取った葉菜で、ほのかな苦味とみずみずしい食感が特徴です。桑名市長島町・木曽岬町・松阪市が主産地で、木曽三川下流の肥沃な土壌と温暖な気候が早春出荷を可能にしています。

お浸し・辛子和えが定番の食べ方で、菜花特有の苦味が春の訪れを感じさせます。味噌汁・パスタの具材にも向き、11〜3月の冬春期には首都圏のスーパーにも出荷されます。

芸濃ずいき — あずき色の夏野菜

6〜8月
産地津市芸濃町
向く料理酢の物、煮物、佃煮、和え物

芸濃ずいきは、津市芸濃町で栽培される里芋の葉柄(茎)を食用にする夏野菜で、美しいあずき色と食物繊維の多さ、みずみずしくシャキシャキした食感が特徴です。里芋の茎を食用にする「ずいき」は全国にありますが、芸濃ずいきは色合いの鮮やかさで知られます。

酢の物・煮物・佃煮が定番で、夏の食卓の彩りと食物繊維源として三重の家庭に根づいてきました。旬の6〜8月は津市芸濃町の直売所で出荷されます。

たかな — 熊野の赤大葉・青大葉の2系統

11〜4月
産地熊野市
向く料理高菜漬け、炒め物、おにぎりの具、混ぜご飯

熊野のたかなは、葉が赤紫色に色づく「赤大葉」系と緑色の「青大葉」系の2系統があります。ぴりっとした辛みと厚みのある葉が特徴で、高菜漬けに加工すると独特の風味が引き出されます。熊野灘沿岸の温暖な気候と山間部の冷涼な気候の両方が栽培に向いています。

高菜漬けにした状態で、おにぎりの具や炒め物、混ぜご飯に使われます。11〜4月が旬で、生の葉と加工品(高菜漬け)の両方が流通します。

御薗大根 — 伊勢神宮ゆかりの白い大根

11月下旬〜12月上旬
産地伊勢市御薗町
向く料理伊勢たくあん(酒粕漬け)、煮物、漬物、おろし

御薗大根は、伊勢市御薗町で栽培される白首大根系の品種です。全体が白く長さ約50cmの細長い姿で、昭和初期に三重県農業試験場が伊勢たくあん向けに改良した系統とされています。乾燥させると甘みが増す性質から、伊勢たくあんの原料として長く使われてきました。

主用途は伊勢たくあんで、加工された伊勢たくあんは三重ブランドとして通年流通しています。生の御薗大根は11月下旬〜12月上旬の短期出荷で、伊勢市御薗町周辺で手に入ります。

鵜方の水なすび — 志摩の夏の水なす

6月中旬〜10月頃
産地志摩市阿児町鵜方
向く料理浅漬け、生食、サラダ、焼きなす

鵜方の水なすびは、志摩市阿児町鵜方で栽培される水なす系の在来ナスです。水分が多く、生でかじってもえぐみが少ないのが特徴で、甘みを感じられる品種として地元で親しまれてきました。大阪・泉州の水なすとは草姿・果実形・果色が異なる別系統で、志摩で独自に受け継がれてきた品種です。

浅漬けが最も一般的で、果肉のジューシーさが引き立ちます。サラダや生食でも楽しめるのは水なすの特徴で、焼きなすにしてもとろける食感が残ります。

みえの伝統野菜の購入方法と保存のコツ

品目主な入手先時期
伊勢いも多気町内JA直売所、ふるさと納税11〜12月
松阪赤菜松阪市内JA直売所11〜3月
三重なばな桑名・長島・木曽岬・松阪のJA直売所11〜3月
芸濃ずいき津市芸濃町の直売所6〜8月
たかな熊野市内JA直売所、加工品は通年11〜4月
御薗大根伊勢市御薗町周辺の直売所(伊勢たくあんは通年)11〜12月
鵜方の水なすび志摩市阿児町鵜方の直売所6〜10月

県外への通販・ふるさと納税

  • 伊勢いも — 多気町のふるさと納税返礼品として秋冬限定で全国発送
  • 三重なばな — 冬期に首都圏のスーパーでも流通
  • 加工品 — 松阪赤菜の漬物、たかな漬け、御薗大根の伊勢たくあん、きんこ(干し芋)が通年流通

100種前後の取り扱い品目がわかる商品カタログ

小ロット〜大ロットまで柔軟に対応できるアグリチャー

乾燥野菜
  • 100g~の小ロットから販売可能
  • 日本各地の伝統野菜の扱いあり
  • ドライフルーツ/ハーブも対応可能

三重の伝統野菜を守る取り組み

取り組み内容
みえの伝統野菜 選定制度三重県が「生産量・歴史性(50年以上)・地域性・商品価値・品種品質」の5基準で選定。現在6品目
みえの伝統果実 選定制度野菜とは別枠で4品目(市木オレンジ・五ヶ所小梅・蓮台寺柿・前川次郎柿)を認定
みえの食セレクション県が選定する地域食材ブランド。伝統野菜を使った加工品も対象
JA全農みえの産地サポート三重なばな・松阪赤菜などのブランド流通を支援

よくある質問

みえの伝統野菜は何品目ありますか?

三重県の「みえの伝統野菜」選定制度では、公式に6品目(伊勢いも・きんこ・芸濃ずいき・たかな・松阪赤菜・三重なばな)が選定されています。選定基準は「生産量・歴史性(50年以上)・地域性・商品価値・品種品質」の5点。加えて日本伝統野菜推進協会では鵜方の水なすび・御薗大根も掲載されており、本記事ではこれらを含めた8品目を紹介しています。別枠で「みえの伝統果実」4品目もあります。

伊勢いもと普通の山芋(長芋)の違いは?

伊勢いもはヤマトイモ系の在来種で、ボール状の塊形と凸凹した白い表皮が特徴。粘りが強く、すりおろすと餅のような食感になります。一般的な長芋は山芋系でナガイモ属、細長い形で水分が多くさらっとした粘りです。伊勢いもはとろろご飯・お好み焼きのつなぎ・つくねに向き、長芋は短冊切りサラダや長芋ご飯に向くと使い分けるのが定番です。

松阪赤菜と東北の赤かぶの違いは?

松阪赤菜は「蕪菜」の一種で、根の全体と葉の軸が紅色に染まる品種。東北(山形の温海かぶなど)の赤かぶは球形の根部分を食用にする「かぶ」系統です。松阪赤菜は葉と軸も食べられ、浅漬け・酢漬けで紅色の美しさと歯ごたえが引き立ちます。松阪市の漬物文化で冬の食卓を支えてきた品種です。

「きんこ」は野菜なのですか?

きんこは野菜そのものではなく、志摩市で栽培されるサツマイモの一系統「隼人芋(ハヤトイモ)」を煮切りして天日乾燥させた「干し芋」です。淡いオレンジ色の果肉と素朴でさっぱりとした甘さが持ち味で、伊勢志摩地方の冬の伝統食として親しまれてきました。三重県の「みえの伝統野菜」6品目のなかで唯一の加工食品として選定されています。

御薗大根と伊勢神宮の関係は?

御薗大根は、伊勢市御薗町で栽培される白首大根系の品種で、昭和初期に三重県農業試験場が伊勢たくあん向けに改良したとされます。全体的に白く長さ約50cmで、乾燥させると甘みが増す性質を持ちます。主な用途は伊勢たくあんで、三重ブランドとして通年流通しています。旬は11月下旬〜12月上旬です。

その他の地方特産品種

「みえの伝統野菜」および「みえの伝統果実」の選定品目のうち、加工食品や果樹類を別途紹介します。

品目分類産地特徴
きんこ干し芋(加工品)志摩市隼人芋(ハヤトイモ/サツマイモの一系統)を煮切りして天日乾燥させた志摩の伝統食。みえの伝統野菜6品目のうち唯一の加工食品
市木オレンジ柑橘(果樹)熊野市みえの伝統果実の一つ。熊野灘沿岸の在来柑橘
五ヶ所小梅梅(果樹)南伊勢町みえの伝統果実の一つ。五ヶ所湾近辺の小粒梅
蓮台寺柿柿(果樹)伊勢市みえの伝統果実の一つ。伊勢蓮台寺地区の在来渋柿
前川次郎柿柿(果樹)松阪市嬉野みえの伝統果実の一つ。松阪嬉野の甘柿

まとめ

みえの伝統野菜は、県公式選定6品目(伊勢いも・きんこ・芸濃ずいき・たかな・松阪赤菜・三重なばな)と、協会掲載の鵜方の水なすび・御薗大根をあわせた計8品目で構成されます。伊勢平野・志摩半島・熊野灘沿岸の気候や食文化と結びついた品種群です。

夏は鵜方の水なすび・芸濃ずいき、冬春は三重なばな・松阪赤菜・たかな、晩秋は伊勢いも・御薗大根と、季節ごとに流通時期が分かれます。ふるさと納税や直売所を通じて、伊勢志摩・熊野の食文化を家庭の食卓に取り入れられます。

参考文献・情報ソース

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    この記事を書いた人

    小島 怜のアバター 小島 怜 Agriture CEO

    株式会社Agriture CEO/乾燥野菜やドライフルーツを中心とした受託加工・OEM事業。京都府内の農家と連携し、規格外野菜の活用や6次産業化支援を通じて、「持続可能な食の流通」を追求している。製造現場での豊富な実体験を活かし、商品企画から試作、小ロット対応、パッケージ設計、販路開拓支援まで、OEMを検討するすべての事業者に伴走するサポートを提供。

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