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神奈川の伝統野菜とは?29品目の特徴と旬・食べ方を解説

神奈川県の伝統野菜は、丹沢山地・相模川流域・三浦半島という多彩な地形と、江戸近郊の野菜供給地としての歴史のなかで受け継がれてきた在来種です。日本伝統野菜推進協会の認定では29品目があり、三浦大根や津久井在来大豆、万福寺鮮紅大長人参、のらぼう菜など首都圏で知名度の高い品種が揃っています。

この記事では29品目を一覧で整理し、代表7品目を詳しく解説します。鎌倉時代の飢饉を救ったという浜大根系の鎌倉大根、「幻の大豆」から復活した津久井在来大豆、復活プロジェクト中の万福寺鮮紅大長人参など、神奈川の食文化を代表する品種を紹介します。

目次

「伝統野菜」の定義と本記事の対象

「伝統野菜」には全国統一の定義がなく、認定機関によって基準が異なります。本記事の内容を正確に理解していただくため、主要な認定機関の基準を整理します。

認定機関主な基準
京都府「京の伝統野菜」明治以前から京都で栽培され、京都特有のもの
大阪府「なにわの伝統野菜」概ね100年以上前から大阪府内で栽培
奈良県「大和の伝統野菜」戦前から奈良県で生産が確認されている品目
秋田県「あきた伝統野菜」昭和30年代以前から県内で栽培
山形県「やまがた伝統野菜」村山・最上・置賜と地域別制度があり、昭和20年以前からの栽培が共通基準
日本伝統野菜推進協会独自の認定基準(より広め)

本記事では、日本伝統野菜推進協会の認定を主要ソースとして29品目を紹介します。神奈川県独自の公式認定制度はなく、「かながわゆかりの野菜」として神奈川県園芸種苗対策協議会が冊子等で紹介しています。29品目のうち本編では28品目を中心に扱い、マスクメロンである「ホの二メロン」は戦後普及の西洋系品種であり、記事末尾の「その他の地方特産品種」セクションで別途紹介します。

神奈川の伝統野菜とは?丹沢・相模・三浦の多様な風土

神奈川県は丹沢山地・相模川流域の平野・三浦半島・湘南海岸・横浜川崎の都市部と、地形と気候が多様です。江戸近郊の野菜供給地として早くから近代農業が発達し、昭和30年代までは多くの在来種が栽培されていました。

5エリアと品目分布

エリア代表品目地域特性
三浦半島三浦大根、城ヶ島ソラマメ、城ヶ島正月菜、城ヶ島草ネギ、城ヶ島サトイモ、鎌倉大根温暖な海洋性気候。冬の早出し野菜が充実
湘南(平塚・藤沢・茅ヶ崎)湘南ねぎ、鵠沼かぼちゃ、のらぼう菜湘南海岸の砂地と都市近郊農業
県央(相模原・伊勢原・厚木)株ねぎ、大山菜、大山とうがらし、波多野大根丹沢山麓の冷涼気候と山地作物
県西(小田原・開成・南足柄)開成弥一芋、さがみ長寿芋、コンニャク芋、真ねぎ、足柄の赤シソ足柄平野の沖積地と山間部の芋類
県北(津久井・川崎・横浜)津久井在来大豆、万福寺鮮紅大長人参、相模ウド、寺尾二年子大根、晩ねぎ、クリマサリ丹沢北側の内陸気候と川崎・横浜の都市近郊農業

5エリアのなかでも、三浦半島は冬の早出し大根・ソラマメ、県央・県北は丹沢山麓の根菜と豆類、湘南は都市近郊の葉菜と、地理ごとの品目構成がはっきり分かれます。29品目という多さは、神奈川の地形の多様性と江戸近郊野菜供給地としての歴史を反映しています。

歴史と救荒作物——鎌倉大根の伝承

  • 鎌倉大根 — 1230年(寛喜2年)の大飢饉を機に広まったと佐助稲荷神社「大明神縁起」や『和漢三才図会』に伝わる浜大根系の在来種
  • 波多野大根 — 江戸時代に徳川家への献上品として栽培された記録を持つ細長型大根
  • 万福寺鮮紅大長人参 — 川崎市麻生区の万福寺地区で栽培された赤く長い在来人参。一度途絶するも復活プロジェクト中
  • 津久井在来大豆 — 戦前には県内で広く栽培されていたが、戦後に激減し「幻の大豆」に。2008年にかながわブランド認定を受けて復活

神奈川の伝統野菜には、飢饉を救った救荒作物や藩主への献上品など、歴史的なエピソードが豊富です。鎌倉大根は約800年前の鎌倉時代に遡る最古級の在来種で、神奈川の食文化史の深さを物語ります。

神奈川の伝統野菜 全29品目一覧と旬カレンダー

日本伝統野菜推進協会が認定する神奈川県の伝統野菜29品目を、分類別に整理しました。大根類4品目、ねぎ類5品目(城ヶ島草ネギ含む)、芋類5品目(城ヶ島サトイモ含む)、豆類4品目、ニンジン類2品目と、主食級の品目が充実しているのが特徴です。

29品目早見表

29品目を分類・産地とともに整理しました。ホの二メロンは末尾の特産品種セクションで扱うため、本編では28品目を中心に扱います。

#品目分類主産地
1三浦大根ダイコン三浦市・横須賀市
2ホの二メロンマスクメロン神奈川県内
3波多野大根ダイコン秦野市
4鎌倉大根ダイコン(浜大根系)鎌倉市
5寺尾二年子大根ダイコン横浜市寺尾地区
6相模半白節成キュウリ平塚市系統
7万福寺鮮紅大長人参ニンジン川崎市麻生区万福寺
8小泉冬越五寸ニンジン川崎市宮前区野川
9株ねぎネギ相模原市
10湘南ねぎネギ平塚市周辺
11晩ねぎネギ横浜市西谷
12真ねぎネギ小田原市
13開成弥一芋サトイモ足柄上郡開成町
14さがみ長寿芋ヤマトイモ相模原・県央
15クリマサリサツマイモ県内広域
16コンニャク芋コンニャクイモ足柄・津久井地域
17岩いわちゃんマメインゲン豆川崎市麻生区黒川地区
18田の畔豆枝豆横須賀市秋谷・長沢・子安、葉山町、鎌倉市
19津久井在来大豆大豆相模原市津久井地区
20城ヶ島ソラマメソラマメ三浦市城ヶ島
21鵠沼かぼちゃカボチャ藤沢市鵠沼
22のらぼう菜葉菜県内広域
23大山菜葉菜伊勢原市
24大山とうがらしトウガラシ伊勢原市大山
25相模ウドウド(山菜)横浜市瀬谷区
26足柄の赤シソシソ小田原市下中地域・大井町相和地域・中井町
27城ヶ島正月菜葉菜三浦市城ヶ島
28城ヶ島草ネギ葉ネギ三浦市城ヶ島
29城ヶ島サトイモサトイモ三浦市城ヶ島

大根類4品目、ねぎ類5品目(城ヶ島草ネギ含む)、芋類5品目(城ヶ島サトイモ含む)、豆類4品目と、神奈川の地形多様性を反映した構成です。三浦半島の城ヶ島だけで4品目が集中しているのも特徴です。

主要品目の旬カレンダー

旬を迎える主な品目
2〜4月のらぼう菜、相模ウド(3〜4月)、寺尾二年子大根
3〜5月晩ねぎ、城ヶ島ソラマメ(5月)
5〜6月鵠沼かぼちゃ
6〜8月足柄の赤シソ、真ねぎ(8月〜)
8〜9月クリマサリ(さつま芋)、真ねぎ
9〜12月開成弥一芋、田の畔豆、津久井在来大豆、大山とうがらし(10月)
11〜12月三浦大根、津久井在来大豆、万福寺鮮紅大長人参、小泉冬越五寸、さがみ長寿芋、湘南ねぎ
12〜翌2月三浦大根、大山菜、城ヶ島正月菜、湘南ねぎ、株ねぎ(冬〜春)

11〜12月が最大の旬集中期で、大根類・人参類・芋類の冬野菜が同時期に揃います。3〜5月は春野菜(のらぼう菜・城ヶ島ソラマメ・晩ねぎ)、夏は赤シソ・真ねぎと、年間を通じて神奈川の在来種が揃う構成です。

100種前後の取り扱い品目がわかる商品カタログ

小ロット〜大ロットまで柔軟に対応できるアグリチャー

乾燥野菜
  • 100g~の小ロットから販売可能
  • 日本各地の伝統野菜の扱いあり
  • ドライフルーツ/ハーブも対応可能

代表的な神奈川伝統野菜7品目の特徴と食べ方

29品目のなかから、知名度・流通量・食文化への影響力を基準に代表7品目を選びました。

三浦大根 — 全国区の煮物・おでん用大根

11月〜翌2月
産地三浦半島(三浦市・横須賀市)
向く料理おでん、煮物、なます、ふろふき大根

三浦大根は、首の部分が細く中太り型の白首大根で、長さ60cm・重さ3〜8kgにもなる大型品種です。三浦半島の温暖な気候と海風を受けた砂地で栽培されており、肉質が緻密で煮崩れしにくく、煮物やおでんに最適です。

歯切れの良さと甘みが持ち味で、なますの材料にもよく使われます。現代は青首大根が主流ですが、三浦大根は冬の祭事や行事食で今も存在感を保ち、三浦半島の「冬の顔」として親しまれています。

津久井在来大豆 — 「幻の大豆」から復活したかながわブランド

10月下旬〜11月(乾燥大豆は通年)
産地相模原市津久井地区
向く料理豆腐、味噌、豆乳、煮豆、枝豆

津久井在来大豆は、丹沢山地北側の津久井地区で古くから栽培されてきた大粒の在来大豆です。戦前には県内の多くの農家が栽培していましたが、戦後の輸入大豆の普及により一時は「幻の大豆」と呼ばれるまでに生産量が激減しました。

2008年に「かながわブランド」に認定されて以降、地元の豆腐・味噌・醤油メーカーと連携した復活プロジェクトが進み、現在は安定生産が続いています。甘みと旨みが強く、豆腐や味噌に加工すると一般大豆とは一線を画す深い味わいが出ます。

のらぼう菜 — 江戸時代から続く早春の葉菜

2月下旬〜4月
産地神奈川県内広域(湘南・県北・相模原など)
向く料理おひたし、辛子和え、天ぷら、パスタ

のらぼう菜は、アブラナ科のつぼみ付きの茎を食用にする早春の葉菜です。埼玉の比企のらぼう菜と同じ系統で、江戸時代の天明・寛政の飢饉時に住民を救った救荒作物の歴史を持ちます。

甘みが強くシャキシャキした食感で、栄養価が非常に高い点も魅力。おひたし・辛子和えの定番調理以外にも、天ぷら・パスタの具にも使える汎用性があります。埼玉・東京・神奈川にまたがる「関東の早春野菜」として、都県境を越えて親しまれています。

万福寺鮮紅大長人参 — 川崎市麻生区で復活中の赤い人参

12月
産地川崎市麻生区万福寺地区
向く料理正月なます、煮物、おせち、サラダ

万福寺鮮紅大長人参は、川崎市麻生区の万福寺地区で栽培されてきた長さ約60〜70cmにおよぶ長根系の赤い人参です。濃い香味と深い赤色が特徴で、正月のおせち料理や紅白なますに用いられてきました。

昭和後期にF1品種の西洋人参(短根系)の普及で一度は栽培が途絶えかけましたが、地元の生産者グループと自治体が連携した復活プロジェクトが進行中です。正月期の首都圏市場に限定出荷され、料理店からの引き合いが高まっています。

城ヶ島ソラマメ — 濃厚な食味の海洋性そらまめ

5月
産地三浦市城ヶ島
向く料理塩ゆで、天ぷら、焼きそらまめ、炊き込みご飯

城ヶ島ソラマメは、三浦半島南端の城ヶ島で栽培される小型の在来そらまめです。莢に2粒入ることが多く、土壌に鉄分が豊富なため食味が濃厚なのが特徴です。

塩ゆでが最も豆の風味を引き立て、濃い旨みと甘みが堪能できます。5月の短い旬の時期に城ヶ島周辺の直売所に並ぶため、旬を狙って訪れるのが確実な入手方法です。

相模ウド — 横浜市瀬谷区の山菜系伝統野菜

3〜4月
産地横浜市瀬谷区
向く料理酢味噌和え、天ぷら、きんぴら、サラダ

相模ウドは、横浜市瀬谷区で栽培される伝統的なウドです。軟白栽培(光を遮って育てる手法)により、茎が白く柔らかくなるのが特徴。独特の香りとシャキシャキした食感が持ち味です。

春の山菜料理の代表格として、酢味噌和え・天ぷら・きんぴらに使われます。「首都圏にこれほどのウド産地がある」ことは意外に知られておらず、横浜市内の直売所で春限定で販売されます。

鎌倉大根 — 1230年の飢饉を救った伝承の浜大根

冬〜早春
産地鎌倉市周辺(海岸部)
向く料理なます、漬物、薬味、おろし汁

鎌倉大根は、海岸の砂地に自生する浜大根系の在来種で、辛み成分が強いのが特徴です。鎌倉時代の飢饉を機に広まったとする伝承が佐助稲荷神社「大明神縁起」や江戸期の『和漢三才図会』に伝わる、鎌倉の食文化を象徴する古い伝統野菜です(同時代の『吾妻鏡』に本品種の記録はなく、伝承の扱いには注意が必要です)。

辛味大根として薬味用途に使われることが多く、すりおろして蕎麦やうどんの薬味にすると強い辛さが立ちます。現在は栽培面積が限定的で、鎌倉市周辺の直売所・一部飲食店でのみ入手可能な希少品種です。

神奈川伝統野菜の購入方法と保存のコツ

神奈川の伝統野菜は、産地の直売所・JA直売所、ふるさと納税、一部は東京都内や横浜・川崎の百貨店でも購入可能です。旬の時期に産地を訪れるのが確実ですが、津久井在来大豆・のらぼう菜・三浦大根は首都圏スーパーでも比較的入手しやすい品目です。

県内直売所・道の駅

品目主な入手先時期
三浦大根三浦市内JA直売所、道の駅みうら11〜2月
津久井在来大豆相模原市津久井地域の直売所、道の駅どうし10〜11月(枝豆)・通年(乾豆)
のらぼう菜県内広域の直売所、首都圏のスーパー2〜4月
万福寺鮮紅大長人参川崎市麻生区の直売所(限定)12月
城ヶ島ソラマメ三浦市城ヶ島の直売所5月
相模ウド横浜市瀬谷区の直売所3〜4月
鎌倉大根鎌倉市内の直売所・一部飲食店冬〜早春

県外への通販・ふるさと納税

  • 津久井在来大豆 — 乾豆として通年販売。相模原市のふるさと納税返礼品にも
  • 三浦大根 — 冬季限定で産直ECから全国発送
  • のらぼう菜 — 春限定で東京の高級スーパー・産直ECに出荷
  • 加工品 — 津久井在来大豆の豆腐・味噌、三浦大根のたくあん、のらぼう菜の漬物など通年流通

品目別の保存方法

品目短期保存長期保存
三浦大根新聞紙で冷暗所2週間たくあん・切り干し大根(2〜3か月)
津久井在来大豆枝豆は冷蔵2〜3日乾燥大豆として密閉保存(1年以上)
のらぼう菜湿らせて野菜室3日さっと茹でて冷凍(2週間)
万福寺鮮紅大長人参新聞紙で野菜室2週間ささがき冷凍(1か月)
城ヶ島ソラマメさやごと冷蔵で2〜3日茹でてから冷凍(1か月)
相模ウド湿らせて冷蔵で3〜5日茹でて酢漬け(1週間)
鎌倉大根新聞紙で冷暗所2週間辛味成分は早めに消費が推奨

100種前後の取り扱い品目がわかる商品カタログ

小ロット〜大ロットまで柔軟に対応できるアグリチャー

乾燥野菜
  • 100g~の小ロットから販売可能
  • 日本各地の伝統野菜の扱いあり
  • ドライフルーツ/ハーブも対応可能

神奈川の伝統野菜を守る取り組み

29品目の在来種を維持するため、神奈川県園芸種苗対策協議会・JA神奈川・生産者団体が連携した活動が進んでいます。

「かながわゆかりの野菜」冊子と保存活動

取り組み内容
冊子「かながわゆかりの野菜」神奈川県園芸種苗対策協議会が29品目を紹介する冊子を制作・配布
かながわブランド認定津久井在来大豆など在来種のブランド化を県が支援
復活プロジェクト万福寺鮮紅大長人参、波多野大根など途絶した品種の復活栽培
地元飲食店との連携横浜・鎌倉の料理店が伝統野菜を積極的にメニュー化

県独自の公式認定制度はなくとも、協議会による冊子発行と「かながわブランド」制度の組み合わせが、在来種の可視化と流通を支えています。復活プロジェクトによって途絶品種が市場に戻ってきている点も、神奈川の特徴です。

津久井在来大豆の復活ストーリー

時期出来事
戦前津久井地区で広く栽培。県内多くの農家が自家採種
戦後〜1990年代輸入大豆の普及で生産量激減。「幻の大豆」と呼ばれる
2008年「かながわブランド」に認定。復活プロジェクトが本格化
現在地元の豆腐・味噌メーカーが原料採用。安定生産と販路拡大が実現

津久井在来大豆の復活は、在来種のブランド化と加工業者との連携が生んだ好例です。原料の特性を活かせる豆腐・味噌メーカーとの協力関係が、栽培面積の回復と品質維持の両方を支えています。

よくある質問

神奈川の伝統野菜は何品目ありますか?

日本伝統野菜推進協会の認定では29品目です。神奈川県独自の公式認定制度はありませんが、神奈川県園芸種苗対策協議会が「かながわゆかりの野菜」として冊子を発行し、29品目の保存と普及を支援しています。大根類4品目、ねぎ類5品目、芋類5品目、豆類4品目、ニンジン類2品目と分類が豊富です。

三浦大根と青首大根の違いは?

三浦大根は「白首大根」で首が細く中太り型、長さ60cm・重さ3〜8kgと大型です。現代主流の青首大根(首が緑色)より肉質が緻密で煮崩れしにくく、おでんや煮物に最適。甘みも強く、なますや漬物にも向きます。青首大根はサラダ・おろし向き、三浦大根は加熱調理向きと使い分けられます。

津久井在来大豆はなぜ「幻の大豆」と呼ばれたのですか?

戦前には相模原市津久井地区を中心に県内で広く栽培されていましたが、戦後の輸入大豆の普及により生産農家が激減し、一時は入手困難な状態になりました。2008年に「かながわブランド」に認定され、地元の豆腐・味噌メーカーが原料として採用したことで復活。現在は安定生産が続いています。

鎌倉大根は本当に1230年の飢饉を救ったのですか?

佐助稲荷神社「大明神縁起」や江戸期の『和漢三才図会』に、1230年(寛喜2年)の大飢饉を機に浜大根が広まったという記述が伝わります。鎌倉大根はその浜大根の系統を引くとされ、約800年の歴史を持つ神奈川最古級の伝統野菜の一つです(『吾妻鏡』に本品種の記録はありません)。現在の鎌倉大根は辛味大根として、蕎麦・うどんの薬味などに使われています。

万福寺鮮紅大長人参は県外でも買えますか?

生産量が非常に限られるため、県外流通はほとんどありません。川崎市麻生区の直売所で12月の限定販売が中心で、首都圏の一部百貨店に年末のおせち食材として少量出荷されることがあります。復活プロジェクト途上のため、今後の生産拡大が期待されています。

その他の地方特産品種

日本伝統野菜推進協会のリストに含まれますが、戦後普及の西洋系品種のため、厳密な「伝統野菜(戦前からの在来種)」とは位置づけが異なる品目を、ここでは「地方特産品種」として別途紹介します。

品目分類産地特徴・位置づけ
ホの二メロンマスクメロン神奈川県内戦後に普及したマスクメロン系の地方特産品種。他の28品目(戦前からの在来種)とは歴史的背景が異なるが、協会認定リストに含まれる神奈川の地域ブランドメロン

まとめ

神奈川の伝統野菜29品目は、丹沢山地・相模川流域・三浦半島・湘南海岸・横浜川崎という多様な地形のなかで受け継がれてきた在来種群です。三浦大根・津久井在来大豆・のらぼう菜・万福寺鮮紅大長人参など、首都圏の食文化を代表する品目が充実しています。

冬は三浦大根・津久井在来大豆、春はのらぼう菜・相模ウド・城ヶ島ソラマメ、夏〜秋は真ねぎ・クリマサリと、季節を通じて在来種が並びます。首都圏から日帰り圏内の産地が多く、旬の時期に現地を訪れれば神奈川の在来種を直接手に取れます。

参考文献・情報ソース

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    この記事を書いた人

    小島 怜のアバター 小島 怜 Agriture CEO

    株式会社Agriture CEO/乾燥野菜やドライフルーツを中心とした受託加工・OEM事業。京都府内の農家と連携し、規格外野菜の活用や6次産業化支援を通じて、「持続可能な食の流通」を追求している。製造現場での豊富な実体験を活かし、商品企画から試作、小ロット対応、パッケージ設計、販路開拓支援まで、OEMを検討するすべての事業者に伴走するサポートを提供。

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