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福井の伝統野菜とは?23品目の特徴と旬・食べ方を解説

福井県の伝統野菜は、若狭湾の海洋性気候・越前海岸の砂丘地・大野盆地の豪雪地帯・勝山/奥越の山間部という地理的多様性のなかで受け継がれてきた在来種群です。日本伝統野菜推進協会の認定では23品目にのぼり、吉川ナス・山内かぶら・上庄さといも・河内赤かぶらなど、GI登録された品目を含む独自性の高いラインナップが並びます。

この記事では23品目を一覧で整理し、代表7品目を詳しく解説します。伝統野菜として全国初のGI登録となった吉川ナス、長年受け継がれてきた河内赤かぶら、釣り針状に曲がる谷田部ねぎ、若狭地方の在来中長ナス「立石ナス」など、福井の食文化を支える在来種を紹介します。

目次

「伝統野菜」の定義と本記事の対象

「伝統野菜」には全国統一の定義がなく、認定機関によって基準が異なります。本記事の内容を正確に理解していただくため、主要な認定機関の基準を整理します。

認定機関主な基準
京都府「京の伝統野菜」明治以前から京都で栽培され、京都特有のもの
大阪府「なにわの伝統野菜」概ね100年以上前から大阪府内で栽培
奈良県「大和の伝統野菜」40年以上の栽培歴を持つ品種
秋田県「あきた伝統野菜」昭和30年代以前から県内で栽培
山形県「やまがた伝統野菜」昭和20年以前から県内で栽培
日本伝統野菜推進協会独自の認定基準(より広め)

本記事では、日本伝統野菜推進協会の認定を主要ソースとして23品目を紹介します。福井県独自の公式認定制度はありませんが、福井県農林水産部や各市町村が地域ブランドとして在来種の保全・流通を支援しています。23品目のうち本編では22品目を中心に扱い、県内全域で栽培され特定産地を持たない「堅瓜」は、記事末尾の「その他の地方特産品種」セクションで別途紹介します。

福井の伝統野菜とは?若狭湾から奥越まで広がる食文化

福井県は若狭湾沿岸の温暖な海洋性気候、越前海岸の砂丘地、坂井平野の九頭竜川扇状地、大野・勝山の豪雪地帯、奥越の山間部という多様な地形を持ちます。京都・滋賀・石川に接するため、食文化は京料理・北陸料理・越中料理の影響を複合的に受けており、それが在来野菜の多彩さにも現れています。

3エリアと品目分布

エリア代表品目地域特性
嶺北(福井市・坂井・勝山・大野)明里ねぎ、新保ナス、妙金なす、勝山水菜、河内赤かぶら、嵐かぶら、穴馬かぶら、板垣だいこん、越前白茎ごぼう、上庄さといも、三年子らっきょ、蛙瓜、木田ちそ、菜おけ越前海岸の砂丘地と大野盆地の豪雪地帯。品目数が最多
嶺南(敦賀・小浜・若狭・美浜・高浜)谷田部ねぎ、山内かぶら、古田苅かぶら、くぼ丸なす、杉箸アカカンバ、立石ナス、黒河マナ若狭湾の海洋性気候。京都・近江との食文化の接点
丹南(鯖江・越前市・池田)吉川ナス鯖江市旧吉川村で千年以上の歴史を持つGI産品

嶺北(福井市〜奥越)が品目数で群を抜き、嶺南(若狭湾沿岸)は京都との食文化のつながりを反映した品目が並びます。丹南は鯖江の吉川ナスが象徴的で、GI登録された伝統野菜として全国的にも知名度があります。

歴史的背景——千年級の在来種と焼畑・砂丘栽培

  • 吉川ナス — 鯖江市旧吉川村で古くから栽培されてきた丸ナス。賀茂ナスのルーツともいわれ、2016年7月12日にGI第14号として登録(伝統野菜としては全国初のGI登録)
  • 河内赤かぶら — 福井市美山地区で長年にわたり受け継がれてきた赤かぶ
  • 山内かぶら — 若狭町山内地区の円錐形かぶ。2016年9月7日にGI第16号として登録
  • 上庄さといも — 大野市上庄地区の小粒で粘りの強いサトイモ。2017年11月10日にGI第43号として登録(協会リストでは「奥越さといも」として掲載)
  • 嵐かぶら — 大野市上打波嵐地区で焼畑栽培されてきた小ぶりのかぶ
  • 三年子らっきょ — 坂井市三里浜砂丘で3年かけて育てる砂丘らっきょう

福井の伝統野菜には、千年の伝承を持つ吉川ナス、焼畑栽培・砂丘栽培といった地形固有の栽培法まで、多層的な食文化が刻まれています。現行のGI登録は3品目(吉川ナス・山内かぶら・上庄さといも)で、谷田部ねぎは2022年8月4日に登録消除されました。伝統野菜カテゴリでは、福井県は複数のGI登録品目を擁する県の一つです。

福井の伝統野菜 全23品目一覧と旬カレンダー

日本伝統野菜推進協会が認定する福井県の伝統野菜23品目を、分類別に整理しました。ナス類5品目・カブ類6品目・ネギ類2品目という品目構成で、福井の食卓を支える根菜・葉菜・実野菜がバランスよく並びます。

23品目早見表

23品目を分類・産地とともに整理しました。全域栽培の堅瓜は末尾の特産品種セクションで扱うため、本編では22品目を中心に扱います。

#品目分類主産地
1吉川ナスナス(GI)鯖江市(旧吉川村)
2くぼ丸なすナス(丸)美浜町久保地区
3新保ナスナス福井市新保地区
4杉箸アカカンバカブ(赤・漬物用)敦賀市杉箸
5立石ナスナス高浜町
6妙金なすナス(小玉)勝山市
7山内かぶらカブ(GI)若狭町山内地区
8河内赤かぶらカブ(赤)福井市美山地区
9穴馬かぶらカブ(二色)大野市旧和泉村
10嵐かぶらカブ(焼畑)大野市上打波嵐地区
11古田苅かぶらカブ(白)敦賀市古田刈地区
12明里ねぎネギ福井市明里地区
13谷田部ねぎネギ(曲がり)小浜市谷田部地区
14板垣だいこんダイコン(薬味用)福井市木田地区
15越前白茎ごぼうゴボウ(白茎)坂井市春江町
16上庄さといもサトイモ(GI)大野市上庄地区
17勝山水菜葉菜(太茎)勝山市高島地区
18黒河マナ葉菜(ほろ苦)敦賀市
19菜おけ葉菜(漬物用)福井市岡保地区
20木田ちそシソ福井市木田地区
21三年子らっきょラッキョウ(砂丘)坂井市三里浜砂丘・福井市
22蛙瓜マクワウリ福井市旧東安居・高屋町

ナス類5品目・カブ類6品目という構成は、福井の食文化がナスとカブを中心に発達してきたことを示します。GI登録品目が3つ(吉川ナス・山内かぶら・上庄さといも)含まれる点も特徴で、いずれも福井を代表する全国区の在来種です。

主要品目の旬カレンダー

旬を迎える主な品目
2〜3月勝山水菜、黒河マナ(3月)
3〜5月越前白茎ごぼう、菜おけ(3〜4月)
6〜7月三年子らっきょ、蛙瓜、木田ちそ
7〜9月吉川ナス(県公式旬は7〜8月・鯖江市出荷は6〜11月)、くぼ丸なす、新保ナス、立石ナス、妙金なす
10〜11月板垣だいこん(10月)、山内かぶら、明里ねぎ、杉箸アカカンバ、嵐かぶら
11〜12月穴馬かぶら、古田苅かぶら、上庄さといも、谷田部ねぎ(〜翌3月)
10月〜翌3月河内赤かぶら、越前白茎ごぼう(11〜12月)

夏はナス類が中心、秋〜冬はカブ・ネギ・サトイモが続き、春は水菜・マナ・ごぼうと、季節を通じて在来種が切れ目なく並びます。特に11〜12月は大野・敦賀・若狭のカブ類が一斉に旬を迎え、「福井カブ類の月」と呼べる集中期となります。

100種前後の取り扱い品目がわかる商品カタログ

小ロット〜大ロットまで柔軟に対応できるアグリチャー

乾燥野菜
  • 100g~の小ロットから販売可能
  • 日本各地の伝統野菜の扱いあり
  • ドライフルーツ/ハーブも対応可能

代表的な福井伝統野菜7品目の特徴と食べ方

23品目のなかから、知名度・流通量・食文化への影響力を基準に代表7品目を選びました。

吉川ナス — 伝統野菜初のGI登録品

7〜8月
産地鯖江市(旧吉川村)
向く料理田楽、焼きなす、揚げ浸し、煮物

吉川ナスは、鯖江市旧吉川村で古くから栽培されてきた丸ナスで、京都の賀茂ナスのルーツとする説も伝わる在来種です。楕円〜やや巾着型(直径10cm前後)で、黒光りする艶やかな紫黒色と重量感が特徴。2016年7月12日に農林水産省の地理的表示(GI)第14号として登録され、伝統野菜としては全国初のGI登録品目となりました。

果肉は緻密で柔らかく、油と相性が良いため田楽・揚げ浸しで真価を発揮します。焼きなすにすると皮がパリッと焼けて中はとろりと崩れる食感になり、地元では夏の定番料理として親しまれています。2009年に最後の生産農家が亡くなり栽培が途絶えかけましたが、種を譲り受けた有志の農家と鯖江市による復活プロジェクトで産地が再興されました。

山内かぶら — 若狭の円錐形GI登録かぶ

10〜11月
産地若狭町(旧上中町)山内地区
向く料理酢漬け、塩漬け、なれずし、煮物

山内かぶらは、若狭町山内地区で栽培される直径8cm以上の円錐形かぶで、2016年9月7日にGI第16号として登録されました。肉質が緻密で辛みと甘みのバランスがよく、若狭の郷土料理「なれずし」や酢漬けの素材として古くから使われてきました。

塩漬け・酢漬けにするとパリッとした歯ごたえと独特の香りが引き立ち、京都・滋賀との食文化交流のなかで若狭独自の漬物文化を形成してきました。産地が若狭町山内地区に限定されるため流通量は少なく、現地の直売所か産直ECでの入手が中心です。

上庄さといも — 奥越の小粒で粘り強いサトイモ

11〜12月
産地大野市上庄地区
向く料理煮物、田楽、いも煮、衣かつぎ

上庄さといもは、大野市上庄地区で栽培される小粒のサトイモで、2017年11月10日にGI第43号として登録されました(日本伝統野菜推進協会のリストでは「奥越さといも」として紹介されています)。奥越盆地の寒暖差と粘土質の土壌が、身が締まって煮崩れしにくい独特の食感を生みます。

煮物にしても形が崩れず、強い粘りとほくほくした食感のバランスが楽しめます。大野市の郷土料理「いも煮」や秋の衣かつぎに使われ、地元では秋の味覚の筆頭格です。ふるさと納税の返礼品としても人気で、全国への出荷が拡大しています。

谷田部ねぎ — 釣り針状に曲がる小浜の伝統ねぎ

11月〜翌3月
産地小浜市谷田部地区
向く料理焼きねぎ、鍋物、すき焼き、汁物

谷田部ねぎは、白根が釣り針状に曲がった特徴的な形状を持つ小浜市の伝統ねぎです。曲がった形状は、一度植え付けた苗を抜き取り寝かせて再植付けする「曲がりねぎ」栽培法によるもので、白根部分の柔らかさと甘みを引き出すための工夫です。2016年9月にGI第15号として登録されましたが、2022年8月4日に登録を取り下げ、現在はGI表示外で流通しています。

加熱すると強い甘みが出るため、焼きねぎ・鍋物・すき焼きで持ち味が引き立ちます。小浜市谷田部地区の限られた生産者が手間のかかる栽培法を継承しており、冬季限定で若狭地域の直売所に並びます。

河内赤かぶら — 美山地区で長く受け継がれる赤かぶ

10月〜翌3月
産地福井市美山地区河内地域
向く料理酢漬け、塩漬け、なます、煮物

河内赤かぶらは、福井市美山地区の河内地域で代々受け継がれてきた赤かぶの在来種です。美山地区の冷涼な気候と清流が、鮮やかな赤紫色と締まった肉質を生み出してきました。地元では冬の保存食として、酢漬け・塩漬けに加工する文化があります。

酢漬けにすると切り口が鮮やかなピンクに発色し、正月料理のなますや紅白の彩りとして重宝されます。長く受け継がれてきた歴史は、福井の在来種のなかでも存在感が大きく、保存と継承の文化が今も生きている品目です。

立石ナス — 高浜町の在来中長ナス

8〜9月
産地高浜町
向く料理田楽、揚げ浸し、煮物、炒め物

立石ナスは、若狭地方の高浜町で栽培されてきた中長ナスの在来種で、紫黒色の皮と柔らかい果肉を持ち、熱を加えるととろけるような食感になります。福井県の「福井百歳やさい」にも認定されています。

固定種ならではの遺伝的安定性があり、田楽・揚げ浸しで深い味わいを引き出せます。栽培者の減少で流通量が限られ、生産が休止されている時期もあり、地元のJA直売所や道の駅で季節限定で見かける程度の希少品目です。

越前白茎ごぼう — 茎まで食べる珍しいごぼう

春4〜5月・秋11〜12月(年2回旬)
産地坂井市春江町
向く料理きんぴら、煮物、天ぷら、茎の和え物

越前白茎ごぼうは、坂井市春江町で栽培される白い茎を食用にできる珍しいごぼうです。一般的なごぼうは根だけを使いますが、越前白茎ごぼうは茎もやわらかく食用になり、春と秋の年2回旬を迎える点も特徴です。

根はきんぴら・煮物・天ぷら、茎は和え物・おひたしにと、一本で二度楽しめる在来種。坂井平野の砂地が生み出す柔らかい食感と豊かな香りが、地元の料理店で活かされています。

福井伝統野菜の購入方法と保存のコツ

福井の伝統野菜は、産地の直売所・JA直売所・道の駅・ふるさと納税が主要な入手ルートです。吉川ナス・山内かぶら・上庄さといもはGI登録ブランドとして全国流通の基盤が整い、首都圏でも比較的入手しやすい状況です。

県内直売所・道の駅

品目主な入手先時期
吉川ナス道の駅西山公園、鯖江市内JA直売所7〜8月
山内かぶら道の駅若狭熊川宿、若狭町内の直売所10〜11月
上庄さといも道の駅越前おおの荒島の郷、大野市内JA直売所11〜12月
谷田部ねぎ道の駅若狭おばま、小浜市内の直売所11〜翌3月
河内赤かぶら福井市美山地区の直売所10〜翌3月
立石ナス高浜町内の直売所、道の駅シーサイド高浜8〜9月(栽培年のみ)
越前白茎ごぼう坂井市春江町JA直売所3〜5月、11〜12月

県外への通販・ふるさと納税

  • 吉川ナス — 鯖江市のふるさと納税返礼品として夏季限定で全国発送
  • 山内かぶら — 若狭町のふるさと納税と産直ECで秋限定出荷。加工品のかぶら寿し・酢漬けは通年
  • 上庄さといも — 大野市のふるさと納税返礼品として11〜12月に全国発送
  • 加工品 — 河内赤かぶらの酢漬け、三年子らっきょうの甘酢漬けなどが通年流通

品目別の保存方法

品目短期保存長期保存
吉川ナス新聞紙で野菜室3〜5日揚げ浸しで冷蔵3日、冷凍1か月
山内かぶら新聞紙で野菜室1週間酢漬け・塩漬けで1か月以上
上庄さといも新聞紙で冷暗所2週間洗わず土付きで冷暗所1か月
谷田部ねぎ湿らせて野菜室5日刻んで冷凍(1か月)
河内赤かぶら新聞紙で野菜室1週間酢漬けで1か月以上
立石ナス新聞紙で野菜室3〜5日揚げ浸しで冷蔵3日、冷凍1か月
越前白茎ごぼう新聞紙で冷暗所1週間ささがきにして冷凍(1か月)

100種前後の取り扱い品目がわかる商品カタログ

小ロット〜大ロットまで柔軟に対応できるアグリチャー

乾燥野菜
  • 100g~の小ロットから販売可能
  • 日本各地の伝統野菜の扱いあり
  • ドライフルーツ/ハーブも対応可能

福井の伝統野菜を守る取り組み

23品目の在来種を維持するため、福井県・鯖江市・若狭町・大野市・JA福井県が連携した活動が進んでいます。

GI登録とブランド化の取り組み

取り組み内容
吉川ナス GI登録2016年7月12日にGI第14号として登録。伝統野菜としては全国初のGI登録
山内かぶら GI登録2016年9月7日にGI第16号として登録
上庄さといも GI登録2017年11月10日にGI第43号として登録
谷田部ねぎ GI登録(取下)2016年9月登録、2022年8月4日に生産組合が取下
復活プロジェクト鯖江市・若狭町などで途絶しかけた在来種の種子保存と栽培復活活動

福井県は伝統野菜の複数品目でGI登録を実現している県のひとつです。吉川ナスは伝統野菜カテゴリでの全国初のGI登録、それに続く山内かぶら・上庄さといものブランド化が、産地の復活と生産者所得の向上につながっています。谷田部ねぎの登録取下は、栽培・出荷体制の維持が難しくなったケースとして、伝統野菜の持続可能性を考えるうえでも参考になる事例です。

吉川ナスの復活ストーリー

時期出来事
古くから(千年以上の伝承)鯖江市旧吉川村で在来ナスの栽培が受け継がれてきたと伝わる。京都の賀茂ナスのルーツという伝承もある
昭和後期〜平成初期F1品種の普及で生産量が激減。平成20年頃には栽培農家は市内1軒のみに
2009年(平成21年)最後の生産農家が亡くなり、家族から種を譲り受けた有志の農家が栽培を継続
平成20年代鯖江市と有志生産者による復活プロジェクトで産地を再興
2016年7月12日農林水産省の地理的表示(GI)第14号として登録。伝統野菜カテゴリで全国初
現在ブランド化により首都圏レストラン・ふるさと納税で安定的に流通

吉川ナスは、途絶の危機にあった在来種が有志の種採りと自治体の支援、さらにGI登録を経てブランド化した事例です。自治体・生産者・流通業者・加工業者の連携が、古くから受け継がれてきた在来種を現代の市場へ再接続しています。

よくある質問

福井の伝統野菜は何品目ありますか?

日本伝統野菜推進協会の認定では23品目です。福井県独自の公式認定制度はありませんが、吉川ナス(GI第14号)・山内かぶら(第16号)・上庄さといも(第43号)の3品目は農林水産省の地理的表示保護制度に登録されています。伝統野菜カテゴリとして全国初のGI登録は吉川ナスで、2016年7月12日に認定されました。

吉川ナスは京都の賀茂ナスと関係があるのですか?

吉川ナスは鯖江市旧吉川村で古くから栽培されてきた丸ナスで、京都の賀茂ナスのルーツとする伝承も残っています。楕円〜やや巾着型(直径10cm前後)と黒光りする紫黒色が特徴で、賀茂ナスよりやや果肉が柔らかく、田楽・焼きなす・揚げ浸しに向いています。2016年7月12日にGI第14号として登録され、伝統野菜としては全国初のGI登録品目となりました。

「奥越さといも」と「上庄さといも」は違うものですか?

同じ品目です。日本伝統野菜推進協会のリストでは「奥越さといも」として紹介されていますが、農林水産省のGI登録名称は「上庄さといも」(2017年11月10日にGI第43号登録)です。大野市上庄地区で栽培される小粒で粘りの強いサトイモで、奥越盆地の寒暖差と粘土質の土壌が独特の食感を生み出します。流通や購入時は「上庄さといも」を目印にしてください。

谷田部ねぎはなぜ釣り針状に曲がっているのですか?

谷田部ねぎは、一度植え付けた苗を抜き取り寝かせて再植付けする「曲がりねぎ」栽培法によって白根部分が釣り針状に曲がります。このひと手間によって白根の柔らかさと甘みが際立ち、加熱したときのとろける食感が引き出されます。手間のかかる伝統的な栽培法で、小浜市谷田部地区の限られた生産者が受け継いでいます。2016年9月にGI第15号として登録されましたが、2022年8月4日に登録を取り下げており、現在はGI表示外で流通しています。

河内赤かぶらはどのくらいの歴史がありますか?

福井市美山地区の河内地域では、古くから赤かぶの在来種が代々受け継がれてきました。農家の自家採種で品種が維持され、冬の保存食として酢漬け・塩漬けに加工する文化が継承されています。正月料理のなます・紅白の彩りとして使われ、美山地区の直売所で秋〜早春に入手可能です。

その他の地方特産品種

日本伝統野菜推進協会のリストに含まれますが、特定の産地を持たず県内全域で栽培されてきた品目を、ここでは「地方特産品種」として別途紹介します。

品目分類産地特徴・位置づけ
堅瓜ウリ(奈良漬向け)福井県全域6〜7月に収穫される奈良漬け向けのウリ。特定産地を持たず県内各地で栽培されてきた伝統的な加工用ウリ

まとめ

福井の伝統野菜23品目は、若狭湾沿岸・越前海岸・坂井平野・大野盆地・奥越山間部という多彩な風土のなかで受け継がれてきた在来種群です。GI登録された吉川ナス・山内かぶら・上庄さといもを筆頭に、長年受け継がれてきた河内赤かぶら、釣り針状の谷田部ねぎなど、歴史と個性を兼ね備えた品目が揃います。

夏は吉川ナス・立石ナス、秋はかぶ類と上庄さといも、冬〜春は河内赤かぶら・勝山水菜・越前白茎ごぼうと、四季を通じて在来種が並びます。ふるさと納税や産直ECを活用すれば、福井の食文化を支える在来種を首都圏からでも気軽に楽しめます。

参考文献・情報ソース

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    この記事を書いた人

    小島 怜のアバター 小島 怜 Agriture CEO

    株式会社Agriture CEO/乾燥野菜やドライフルーツを中心とした受託加工・OEM事業。京都府内の農家と連携し、規格外野菜の活用や6次産業化支援を通じて、「持続可能な食の流通」を追求している。製造現場での豊富な実体験を活かし、商品企画から試作、小ロット対応、パッケージ設計、販路開拓支援まで、OEMを検討するすべての事業者に伴走するサポートを提供。

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