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コーヒーOEM小ロットの始め方|3形態と発注7ポイント

この記事の要約
コーヒーOEMを小ロットで始める方法を3形態別(豆・ドリップバッグ・RTD)に解説。焙煎度と産地で決まる味、スペシャルティコーヒーでの差別化(SCA80点以上・シングルオリジン・処理方法)、小ロット発注の7ポイント、ドリップバッグ特有の設計(豆量・袋材・フィルタ・粉砕度)、失敗しやすい5パターン、販路別の適正仕様、小売価格の逆算式、代表企業6社まで、初めてのコーヒーOEMでも失敗しないための実務ガイドです。

コーヒーOEMの小ロット発注は、独自ブランドのコーヒーをリスクを抑えて市場投入する方法です。豆・ドリップバッグ・RTD(ペットボトル/缶)の3形態それぞれで、最小ロット・単価・設備が異なります。小ロット対応メーカーなら50〜500個から試作・量産ができ、初期投資を抑えてテスト販売から始められます。

この記事では、コーヒーOEM小ロットの3形態と焙煎度の設計、小ロット発注7ポイント、失敗事例、価格相場、代表OEM企業まで、初めてオリジナルコーヒーを作る方向けに、相談から納品までを整理します。

この記事で分かること

  • コーヒーOEM小ロットの3形態(豆/ドリップバッグ/RTD)
  • 焙煎度×産地一覧表で差別化
  • 小ロット発注時の7つの確認ポイント
  • ドリップバッグ特有の設計要素
  • 失敗しやすい5パターンと対処
  • 販路×小売価格の逆算式
コーヒーOEM小ロット

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小ロット〜大ロットまで柔軟に対応できるアグリチャーOEM

  • 既存原料100g~からOEM対応
  • 持ち込み原料の乾燥加工も可能
  • 加工から充填まで一括でサポート
目次

コーヒー小ロットの3形態

コーヒーOEMの小ロットには3つの主要形態があります。形態で最小ロット・単価・販路が大きく変わるため、最初にどの形態で勝負するかを決めるのが設計の出発点です。

形態最小ロット単価帯主な販路
豆・粉50〜500袋800〜3,000円/袋自家焙煎店・EC・ギフト
ドリップバッグ100〜1,000個80〜300円/個ホテル客室・ノベルティ・ギフト
RTD(缶・ペット)5,000〜10,000本100〜250円/本自販機・コンビニ・オフィス

小ロットの下限は形態で桁が変わるため、ブランドの資金力と販売計画で選びます。豆・粉は最も小ロットで始めやすく、焙煎のこだわりを伝えやすい反面、挽き方と賞味期限(開封後2週間程度)の扱いに慣れが必要です。ドリップバッグはギフトや法人ノベルティで需要が安定しており、技術や設備を店舗側で持たなくてよい特性からホテルアメニティでも採用されています。RTDは設備投資が大きく、小ロットでの参入は難しい領域です。

焙煎度と産地で決まる味

コーヒーの味は焙煎度と産地の組み合わせでほぼ決まります。焙煎度が「味の骨格」、産地が「風味の個性」を担当するイメージです。同じエチオピア産の豆でも、浅煎りならフルーティーで華やか、深煎りなら苦味が前面に出てスモーキー、というように焙煎度で印象が大きく変わります。

オリジナルコーヒーを設計するとき、最初に焙煎度を決め、次に産地を合わせるのがセオリーです。ターゲット顧客がどんな味を求めているかを想定し、そこから逆算して焙煎度と産地を選びます。

焙煎度代表産地味の個性向く販路
浅煎りエチオピア・ケニア・コロンビアフルーティー・酸味・華やかさスペシャルティ専門店・EC
中煎りコロンビア・グアテマラ・ブラジルバランス・適度な苦味と甘み一般EC・ギフト・ホテル
中深煎りブラジル・ペルー・タンザニアコク・甘み・ナッツ感カフェ・喫茶店・法人
深煎りインドネシア・ブラジル・ベトナム苦味・濃厚・スモーキーアイス用・ブレンド原料

浅煎りは「酸味と香り」が主役

浅煎りはフルーティーな酸味と華やかな香りが特徴で、ワインに例えられることもあります。エチオピアのイルガチェフェやケニアのアラビカは浅煎りと相性がよく、ベリー・柑橘・花のような風味が表現できます。スペシャルティコーヒー専門店やこだわり系ECでは浅煎りが支持されており、単一産地(シングルオリジン)×浅煎りのセットが差別化の基本形です。

中煎りは「万人受け」の王道

中煎りは酸味・苦味・甘みのバランスがよく、コーヒー初心者からベテランまで幅広く楽しめる焙煎度です。コロンビア・グアテマラ・ブラジルなどの中米〜南米豆が中煎りと相性がよく、ギフトやホテル客室向けドリップバッグの主流はこの焙煎度です。味の好みが分かれにくいため、不特定多数に届ける販路ではまず中煎りを選ぶのが無難です。

深煎りは「カフェ業務用」の定番

深煎りは苦味・コク・スモーキーさが前面に出ます。ミルクとの相性が抜群で、カフェラテ・カプチーノのベースやアイスコーヒー用として業務用で重宝されます。インドネシアのマンデリンやブラジルのサントスが代表的で、カフェ・喫茶店・法人向け業務用では深煎りのブレンドが主力商品になることが多い領域です。

小ロットで差別化を狙うなら、浅煎り×単一産地(シングルオリジン)が最もポジションが空いている領域です。大手ブランドは中深煎りのブレンドが中心で、浅煎りの個性派ブランドは個人経営や小規模ロースターが中心のため、新規参入でも勝負できます。特にコロンビア・エチオピア・コスタリカなどの単一農園ロットは、ストーリー性とトレーサビリティで高単価を取りやすい領域です。

スペシャルティコーヒーで差別化

スペシャルティコーヒーは、SCA(Specialty Coffee Association)基準で80点以上のカッピング評価を獲得した高品質豆のことです。生産から焙煎までの全工程でトレーサビリティが確保され、単一農園・単一品種・単一収穫期(シングルオリジン)で扱われるのが基本です。小ロットOEMと相性が非常によく、新規ブランドが高単価ゾーンに参入する近道になります。

特徴スペシャルティコーヒーコモディティコーヒー
品質基準SCA 80点以上商業グレード
トレーサビリティ農園・品種・処理方法まで特定産地国のみ
収穫処理手摘み・水洗式/ナチュラル/ハニー機械摘み・一括処理
単価(生豆)kg 1,500〜5,000円kg 300〜800円
販路専門店・EC・サブスク量販・業務用

スペシャルティを選ぶ3つの理由

①差別化の訴求軸が明確:農園名・品種・標高・処理方法まで語れるため、ブランドストーリーが作りやすい領域です。②高単価を正当化できる:SCA評価という第三者基準があることで、「なぜこの価格か」が説明しやすくなります。③小ロット調達が可能:単一農園・単一収穫期のロットは数トン単位で流通するため、新規ブランドでも少量購入で個性を作れます。

主要な処理方法(プロセス)

処理方法特徴代表産地
ウォッシュド(水洗式)クリーンな酸味・クリアな風味エチオピア・ケニア・コロンビア
ナチュラル(自然乾燥)フルーティー・ワインのような余韻エチオピア・ブラジル
ハニー(セミウォッシュド)甘み・ボディ感のバランスコスタリカ・ニカラグア
アナエロビック(嫌気発酵)強い香り・個性的な酸味コロンビア・エチオピアの一部

処理方法はパッケージや商品説明に書くだけで「わかっている感」が出て、スペシャルティ層の顧客に刺さります。特にアナエロビックやハニー系は日本市場ではまだ新しく、希少性をストーリーにしやすい選択肢です。

小ロット発注の7ポイント

コーヒーOEMを小ロットで発注する際、事前に7つのポイントを確認すると、試作の往復を減らせます。焙煎・粉砕度・包装は特に後から変更しにくい項目です。

ポイント確認事項
焙煎度の指定浅煎り/中煎り/中深煎り/深煎りの明示
粉砕度豆のまま/中粗挽き/中挽き/細挽き
袋形態と素材バルブ付き/脱酸素剤/アルミ蒸着
賞味期限焙煎後3〜6ヶ月、ドリップバッグは12ヶ月以上
MOQ店で出せる在庫量との整合
リードタイム試作1〜2ヶ月/量産1〜2ヶ月
試飲・サンプル焙煎プロファイル違い2〜3種を比較

発注前の相談段階で「焙煎度の指定言葉」をメーカーと揃えることが、最も重要です。「中煎り」は業者ごとに色の基準(アグトロン値)が違うため、実際の焙煎サンプルで確認してから量産仕様を決めます。希望する味の方向性が曖昧なまま進めると、量産後に「こういう味じゃなかった」が発生します。

ドリップバッグ特有の設計

ドリップバッグは豆量・袋材・フィルタ構造・粉砕度の4要素が味を決めます。同じ豆でもドリップバッグ用の粉砕度は豆・粉販売とは別設計になるため、専用の打ち合わせが必要です。

要素設計の考え方
豆量8〜12g(1杯用)、ホテル向けは7〜10g
袋材アルミ蒸着+脱酸素剤で香り保持
フィルタ浸漬式/透過式/ハイブリッド
粉砕度ドリップバッグ専用の中細挽き

豆量は10gが標準で、150〜200mlのお湯で1杯抽出できる量です。ギフト用途では「1箱10袋入り」が主流で、1袋あたりのコストを200〜300円に抑えつつ、箱のデザインで単価を上げる設計が一般的です。ホテル客室向けは単価重視で7〜8gに抑え、100円以下の原価を目指すケースもあります。

失敗しやすい5パターン

コーヒーOEM小ロットで発生しやすい失敗と、対処を整理しました。いずれも事前の打ち合わせで防げる問題です。

失敗症状対処
焙煎ムラロット間で色・風味が違うアグトロン値指定/サンプル承認
粉砕飛び粉が細かすぎて目詰まり粉砕度を数値(メッシュ)で指定
香り抜け開封時に香りが薄い脱酸素剤+バルブ付き包装
賞味期限が短い店頭在庫で劣化焙煎日から逆算した発注計画
パッケージ不整合棚で目立たない/ギフト感が弱い販路別に別仕様を設計

特に焙煎ムラは量産段階で発覚するケースが多く、試作1回では気づきにくい問題です。量産時は「アグトロン値◯〜◯」のように数値で焙煎度を指定し、ロットごとのサンプルを事前承認するフローを組みます。メーカー側の技術力と相談体制を確認しておくと、焙煎ムラは大幅に減らせます。

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小ロット〜大ロットまで柔軟に対応できるアグリチャーOEM

  • 既存原料100g~からOEM対応
  • 持ち込み原料の乾燥加工も可能
  • 加工から充填まで一括でサポート

コーヒー販路別の適正仕様

コーヒーの小ロット商品は、販路によって適正な仕様が変わります。同じ100個ロットでも、ECとホテル客室では単価とパッケージが全く違う設計になります。

販路推奨形態単価帯パッケージ
EC自社販売豆・粉・ドリップバッグ1,500〜3,500円/袋メール便対応・軽量
ホテル・宿ドリップバッグ50〜100円/個個包装・ロゴ印字
ノベルティドリップバッグ1〜3個セット100〜300円/セットシンプル袋・熨斗対応
ギフトドリップバッグ箱入り1,500〜5,000円/箱化粧箱・手提げ付
カフェ・喫茶店豆・粉(1kg単位)3,000〜8,000円/kg業務用アルミ袋

コーヒー小売価格の逆算式

小売価格からOEM原価の上限を逆算すると、豆のグレード・焙煎コスト・パッケージの配分が決まります。粗利率別に計算例を整理しました。

粗利率小売1,500円小売3,000円小売5,000円
30%(量販)OEM原価 ≤ 1,050円≤ 2,100円≤ 3,500円
40%(標準)≤ 900円≤ 1,800円≤ 3,000円
50%(D2C)≤ 750円≤ 1,500円≤ 2,500円
60%(プレミアム)≤ 600円≤ 1,200円≤ 2,000円

豆・粉販売の場合、原価の60%が生豆・焙煎費、30%が包装・設備稼働費、10%が検査・手数料というのが一般的な配分です。小ロット発注では原価率が70〜80%まで上がることもあり、粗利50%を取りたい場合はブランド価値・パッケージ・ストーリーで小売価格を引き上げる設計が必要になります。

コーヒーOEM 代表企業

コーヒーOEMを小ロットで相談できる先として、食品OEMの窓口掲載企業の中で、技術力・店舗実績・試作柔軟性で定評のある企業を紹介します。

企業名得意領域
はかた珈琲工房自家焙煎・ドリップバッグ25年超・福岡
ベースコーヒー株式会社スペシャルティコーヒー専門・愛知
フレッシュネス株式会社コーヒー専門50年・ドリップバッグOEM・東京
KUNZUDO(薫豆堂)クラフト珈琲OEM・素材×珈琲
shimaji coffee自家焙煎・リキッド・ラテベース・広島
株式会社Agriture野菜素材×コーヒーブレンド設計

全てのコーヒー・お茶OEM企業は食品OEMの窓口「コーヒー・お茶類」一覧からご確認いただけます。希望する焙煎度・形態・ロットを明確にしたうえで、3社程度から見積もりを取って比較するのが実務的です。

コーヒー小ロットまとめ

コーヒーOEMを小ロットで始めるなら、形態の選択→焙煎度・産地→粉砕度と袋形態→試飲→量産の順で積み上げます。特に浅煎り×シングルオリジンはポジションが空いているため、個性派ブランドなら差別化が作りやすい領域です。

発注前に7ポイントの確認アグトロン値・粉砕メッシュの数値指定を徹底すれば、量産後の「こういう味じゃなかった」は大幅に減らせます。店で出す在庫量と小売価格の目標から逆算して、原価・ロット・リードタイムを決めるのが、小ロット発注の基本です。

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    この記事を書いた人

    小島 怜のアバター 小島 怜 Agriture CEO

    株式会社Agriture CEO/乾燥野菜やドライフルーツを中心とした受託加工・OEM事業。京都府内の農家と連携し、規格外野菜の活用や6次産業化支援を通じて、「持続可能な食の流通」を追求している。製造現場での豊富な実体験を活かし、商品企画から試作、小ロット対応、パッケージ設計、販路開拓支援まで、OEMを検討するすべての事業者に伴走するサポートを提供。

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