コロナ禍を経て日本には多くの観光客が訪問をしています。その中でも東アジアの国だけでなく、インドや中東などのエリアから訪日する観光客も増加傾向にあります。JNTOによると、2023年1~5月に日本を訪れたインド人は6万5300人となっており、今後は年間14~15万人に達すると言われております。インバウンド観光客の多様化が進むにつれて現状で問題となっているのが、ベジタリアン対応です。そこで、今回はどの用にベジタリアン対応をすれば良いか食材選びの観点からご紹介していきます。ベジタリアンとはベジタリアン(Vegetarian)とは、動物の肉を食べず、主に植物性の食品を食べる人のことです。ベジタリアンは、その食事制限の程度によりいくつかの種類に分けられており、考え方によって食べるものが異なります。以下にいくつか例を示します。ラクト・ベジタリアン(Lacto-Vegetarian): 肉、魚、鶏肉、卵を食べませんが、乳製品(ミルク、チーズ、ヨーグルトなど)は摂取します。オボ・ベジタリアン(Ovo-Vegetarian): 肉、魚、鶏肉、乳製品を食べませんが、卵は摂取します。ラクト・オボ・ベジタリアン(Lacto-Ovo-Vegetarian):肉、魚、鶏肉を食べませんが、乳製品と卵は摂取します。ビーガン(Vegan):すべての動物性食品(肉、魚、鶏肉、乳製品、卵、蜂蜜など)を避け、完全に植物性の食品のみを摂取します。ベジタリアンの考え方はさまざまで、健康のため、環境保護のため、動物愛護のため、宗教的な信念によるものなどがあります。ベジタリアンの観光客の課題日本を訪れる外国人観光客は2023年で2,507万人となっており、東京や京都などではオーバーツーリズムが課題となっています。そして2018年には世界人口の約6.3億人がベジタリアンであり、毎年1%の水準で増加していることからベジタリアンの観光客も増加すると考えられます。その場合に、日本ではベジタリアンへの認識が弱く対応が十分でないことがあり、自社調査で行ったアンケートではベジタリアンが多いインド人から下記のような課題がありました。ベジタリアン表記はあるが、調味料の原材料まで含まれているか不安ベジタリアン対応しているが、サラダなどシンプルなものが多い安心して食べられる場所がないので、インド料理店や自国から持ってきたレトルト食品を食べる飲食店やホテルなどは、ベジタリアン対応は必要である一方で、しっかりと対応をすることで訪日外国人を呼び込むアピールポイントになることも事実です。日本らしいベジタリアン食材実際、ベジタリアン対応が必要になった際の食材の制限により味の幅が狭まってしまう不安を抱く方もいるかもしれません。例えば日本の食文化でもある出汁はカツオ、貝など魚介類が使用されておりベジタリアン対応には向いておりません。昆布や椎茸は使用できますが、味の幅を持たせるために一工夫をしたいと考えるシェフの方もいることと思います。野菜出汁干した野菜は水もどしや、調味液に漬け込むことで美味しい旨みが溢れます。例えばトマトは酸味と甘味のある出汁が取れるので、汁物やおばんざいなどの味付けにぴったりです。弊社ではトマトの果肉がない部分を乾燥させた「トマトの端」などを取り扱っており、出汁を取るのには最適です。大豆ミート日本でも一般的になりつつありますが、肉の代わりに大豆ミートでベジタリアン対応も可能です。ただベジタリアンの本場インドではほうれん草パウダーなどを練り込み肉のような食感にアレンジした食品などがあることから、大豆ミートをアレンジしてオリジナリティのある食材に仕上げることが必要になります。生麩日本の伝統的な食材でもあり、食感も独特なことからアレンジした料理を出すことで日本っぽさを残したベジタリアン対応ができます。生麩は小麦粉に水を加えて練り、抽出したグルテンを餅粉とあわせて蒸すというシンプルな工程であり味などは添加されていません。乾燥野菜と同様にお店独自の使い方をすることができ、料理の幅も広がると考えられます。多様な食文化を受け入れる精進料理などベジタリアンに近しい食文化はありますが、日本には古来から魚の出汁や多数の食材を使って繊細な味を出す料理文化があります。そのためベジタリアンへの認識を高めることへの難しさはある一方で、今後インバウンド向けの飲食店やホテルはニーズが高まると考えられます。そのためまずは小さな一歩から始めることが大切になります。例えば出汁魚と野菜の2種類で準備してみるなど小さく始めることができます。乾燥野菜は長期保存も効いて、調理時間の手間もかからないためオペレーションコストの削減にも繋がります。ベジタリアン対応で野菜出汁に関心を持たれた方は是非ご連絡ください。乾燥野菜のOEMをはじめ、原料での卸が小ロットから対応可能です。