「京野菜」という言葉を、一度は耳にしたことがあるかもしれません。古都・京都で長い歴史を通じて育まれ、京都の豊かな風土や文化と共に発展してきた京野菜には、他の野菜にはない魅力が詰まっています。ブランド野菜として全国でも人気があり、京料理に欠かせない京野菜たち。本記事では、京野菜の魅力や特徴についてご紹介していきます。京野菜とは?京都府内で栽培される野菜は基本的に「京野菜」と呼ばれますが、厳密な基準に基づき認定されるものが「京の伝統野菜」や「京のブランド野菜」です。現在食べられている野菜のほとんどが明治時代以降に西洋から入ってきた品種であるのに対し、伝統野菜は明治期以前からその地域で栽培されていた野菜を指します。大量生産の野菜にはない独自の魅力がある野菜たちです。京の伝統野菜「京の伝統野菜」は、明治時代以前から京都で作られてきた品種が認定されます。伝統的な方法で育てられており、その数は40種類ほど。この厳格な基準によって、地域の歴史や文化を感じる特別な存在として、多くの人々に親しまれています。具体的な基準は、以下の通りです。 明治以前の導入の歴史を有する。京都市域のみならず府内全域を対象とする。たけのこを含む。キノコ類、シダ類(ぜんまい、わらび等)を除く。栽培又は保存されているもの及び絶滅した品目を含む。京のブランド野菜「京の伝統野菜」の中でも、さらに基準をクリアした野菜が、京のブランド野菜と認定されます。「京のブランド産品」マークが貼られている京野菜は、特に優れた品質が保証されています。高規格のブランド認証基準※市場流通する生産量加工向け産品は除く(消費者の目に触れる)有識者の審査会をパス京のブランド野菜に認定されているのは、以下の野菜です。聖護院だいこんくわい京たけのこ賀茂なす京みず菜京壬生菜万願寺とうがらし花菜京山科なす紫ずきん鹿ヶ谷かぼちゃ金時にんじん伏見とうがらしやまのいも聖護院かぶえびいも堀川ごぼう京こかぶ九条ねぎ代表的な京野菜の種類京野菜にはたくさんの種類がありますが、ここでは特に人気の高いものを5つピックアップしてご紹介します。京水菜京水菜は、緑色の葉と白い茎が特徴的で、サラダや鍋物に使われることが多いです。歯ごたえがよく、シャキシャキとした食感が楽しめます。また、ビタミンや鉄分が豊富に含まれているため、健康を気にする方にもおすすめです。賀茂なす加茂なすは丸くて大きく、肉厚で甘みがあるのが特徴です。焼きなすや田楽にすると、そのとろけるような食感と甘みを堪能できます。聖護院大根冬の京野菜の代表である聖護院かぶらは、千枚漬けとして親しまれています。柔らかく甘みがあるため、お漬物としてだけでなく、煮物やサラダにもぴったりです。伏見とうがらし辛みが少なく、甘みが強い伏見とうがらし。炒め物や煮物に使われるほか、焼き物にもぴったりです。九条ねぎ風味が豊かで甘みがあり、濃厚な味わいが楽しめます。煮物やお鍋、薬味などに使われ、料理の味を引き立てる名脇役です。豊かな風土と長い歴史が育んだ特別な京野菜京都の豊かな風土と長い歴史が育んだ特別な京野菜。彩り豊かで味わい深く、四季折々の食卓を華やかにしてくれます。日々の料理に京野菜を取り入れることで、季節感や地域の味を楽しむことができます。家庭で気軽に京都の風土を感じられるのも魅力です。日常の食卓に京野菜を取り入れ、ぜひその美味しさを確かめてみてください。関連記事京野菜について京水菜聖護院大根伏見とうがらし九条ネギ