鹿ヶ谷かぼちゃ(ししがたにかぼちゃ)は、京都の伝統野菜の一つで、江戸時代に現在の青森県から京都に持ち込まれました。今回は、見た目や歴史などユニークな特徴が盛りだくさんのこちらの野菜について、徹底解説していきます。鹿ヶ谷かぼちゃの特徴一般的なかぼちゃとは異なり、くびれのあるひょうたん型で表面の凹凸があります。口にいれると、独特な食感と風味を楽しむことができます。一般的な西洋かぼちゃに比べて、水分が少なく繊細でなめらかな肉質の鹿ケ谷かぼちゃ。甘味が強すぎず、和食の料理に特に適しており、煮物や蒸し料理、汁物など、さまざまな調理法で楽しむことができます。また、食感がしっかりしているため、煮崩れしにくく、見た目も美しい仕上がりになります。JA公式サイト鹿ヶ谷かぼちゃの歴史鹿ケ谷かぼちゃの歴史は、江戸時代・文化年間にまで遡ります。ある農夫が津軽国から山城国粟田村(現在の京都市東山区粟田口)に、かぼちゃの種を持ち帰ったことで栽培が始まりました。当初は菊座型だったものが、栽培を続けるうちにひょうたんのような形に変化したと言われています。明治の中頃までは、京都市を代表するかぼちゃとして親しまれていましたが、昭和に入り、より生産しやすい品種に取って代わられるようになったことで作付面積が大幅に減少しました。参照おすすめの食べ方代表的な料理に、そぼろあんかけが挙げられます。だしをしっかりと含ませることで、かぼちゃの甘みとだしの旨味が調和し、上品な味わいを楽しむことができます。また、蒸し料理にすることで、鹿ヶ谷かぼちゃ本来の風味と食感を存分に味わうことができます。鹿ヶ谷かぼちゃは天ぷらにも適しており、外はカリッと、中はホクホクとした食感が楽しめます。揚げることで甘みが増し、少量の塩でシンプルに味わうのがおすすめです。また、味噌汁やお吸い物に入れることで、かぼちゃのほのかな甘さが加わり、さっぱりとした味わいが楽しめます。西洋かぼちゃと同様に、スープやグラタンなどの洋風料理に利用することもできます。鹿ヶ谷かぼちゃ供養京都の住蓮山安楽寺では、毎年7月25日に「鹿ヶ谷かぼちゃ供養」が行われ、檀家たちから参加者に鹿ヶ谷かぼちゃが振る舞われます。この行事は、江戸時代中期に安楽寺の住職だった真空益随上人が、本尊の阿弥陀如来から「夏の土用の頃に鹿ヶ谷かぼちゃを振る舞えば中風にならない」というお告げを受けたことが由来とされています。 かぼちゃの乾燥野菜鹿ヶ谷かぼちゃは、乾燥野菜として利用することもできます。乾燥させることで長期保存が可能となり、旬の時期を過ぎてもかぼちゃの栄養と風味を楽しむことができます。煮物やスープに加えると、うまみが凝縮された風味が引き立ち、戻して使用する際にも、そのしっかりとした食感が保たれるため、さまざまな料理に応用が可能です。軽くて持ち運びに便利なため、非常食としても人気があります。保存が効く上に、栄養価もばっちり。忙しい日常やキャンプなどのアウトドアシーンでも活躍します。OEMはこちら