伏見唐辛子(ふしみとうがらし)は、京都府伏見区を発祥とする京野菜の一つです。細長く、しわがあり、鮮やかな緑色をしているのが特徴で、唐辛子という名前がついていますが、辛みがほとんどない甘唐辛子の一種です。そのため、お子さんや辛いものが苦手な方でも安心して食べることができます。京の伝統野菜、伏見唐辛子歴史は非常に古く、江戸時代には栽培されていた記録が残っています。現在も京都を中心に栽培され、毎年夏から秋にかけての時期に旬を迎えます。おばんざいをはじめとするさまざまな料理で使用されており、おかずだけでなく、おつまみとしても人気の野菜です。JA公式サイト唐辛子だけど、辛くない!長さが10~15cmの細長い形状と、鮮やかな緑色が特徴の伏見唐辛子。口に入れると、柔らかさと独特の甘みが感じられ、別名「伏見甘長(ふしみあまなが)」「ひもとう」とも呼ばれています。熟すと身が赤くなりますが、辛くはなりません。種が少なく食べやすいため、子どもから大人まで幅広い年齢層に人気があります。参照伏見唐辛子の食べ方伏見唐辛子は、さまざまな食べ方を楽しむことができます。シンプルにグリルで焼いて塩をふりかけるだけでも、甘みと香ばしさが引き立ち、とても美味しい一品になります。また、天ぷらにすることで、外はサクサク、中は柔らかい食感が楽しめます。さらに、煮物や炒め物に加えることで、料理全体にほんのり甘みが広がり、アクセントとしての役割も果たします。油揚げと一緒に煮た「伏見唐辛子と油揚げの煮物」や味噌で炒めた「伏見唐辛子の味噌炒め」は、家庭料理として親しまれています。伏見唐辛子の甘さと柔らかさが際立ち、口の中でとろけるような食感が楽しめます。葉も食べられる直売所やスーパーマーケットでは、とうがらしの部分だけでなく、葉の部分も販売されています。辛みがないため、家庭料理で親しまれ、子どもも安心して食べることができます。若い葉は「きごしょう」と呼ばれ、佃煮などに使われることが多いです。最近では、葉を食べることに特化した「京唐菜(きょうとうな)」という品種も開発され、注目を集めています。伏見唐辛子の乾燥野菜乾燥させることで保存期間が大幅に延びるため、旬の時期を過ぎても一年中伏見唐辛子を楽しむことができます。調理前に水で戻した後でも特有の甘みや柔らかい食感をしっかりと感じられます。乾燥することで、うまみが凝縮されるため、煮物や炒め物などの料理に使うと、風味が一層深まります。また、スープやお吸い物に加えると、戻す作業をせずそのまま旨みを引き出すことができるため、手軽に使える便利な食材でもあります。さらに、乾燥野菜として長期保存ができるため、非常食やアウトドア用の食材としても重宝します。特にキャンプやハイキングなどの場面で、軽くて持ち運びやすい乾燥伏見唐辛子は、料理にアクセントを加える貴重なアイテムとなります。伏見唐辛子は、京都の伝統と食文化を象徴する大切な野菜です。その独特な甘みと食感、さらには栄養価の高さから、多くの料理に取り入れられ、地元だけでなく全国的にも愛されています。詳しくはこちら