金時人参(きんときにんじん)は、日本の伝統的な品種の一つで、京都をはじめとする関西地域で栽培されています。色合いの美しさから、おせち料理やお正月の煮物など、祝いの席で使用されることも多い金時人参。その詳しい特徴を見ていきましょう。金時人参の特徴一般的なオレンジ色の西洋にんじんとは異なり、鮮やかな赤色をしています。この赤色はリコピンという栄養素によるもので、トマトにも含まれています。金時人参は肉質がしっかりしており、加熱しても形が崩れにくいため、煮物や蒸し料理にぴったりです。また、にんじん独特の匂いが少ないのも特徴です。JA公式サイト金時人参の歴史と名前の由来人参の原産地はアフガニスタンとされ、その後ヨーロッパに伝わったものが西洋系、アジアに伝わったものが東洋系の人参となりました。東洋系の人参は16世紀に中国を経由して日本に伝わったと言われています。金時人参の名前の由来は、赤ら顔で有名な坂田金時(幼名は金太郎)にちなんでいます。坂田金時はいつも赤い顔をしていたため、赤いものは「金時」に例えられることがあります。人参だけでなく、「金時豆」や「金時みかん」など、坂田金時にちなんだ食材は他にもあります。参照1 参照2 参照3おすすめの食べ方鮮やかな色と強い甘みから、煮物に適した食材と言えます。おせち料理でも欠かせない存在で、煮しめやなますに使われる金時人参の赤色は、祝いの席を華やかに彩ります。京都と同様に金時人参の栽培が盛んな香川県でも、郷土料理「あんもち雑煮」で親しまれています。家族円満を願って輪切りにした金時人参は、あんもち雑煮の欠かせない具材です。金時人参のきんぴらも人気のおかずの一つです。薄切りにした金時人参を、ごま油で炒め、醤油やみりんで味付けするシンプルな料理ですが、金時人参の甘みと風味が活きて、ご飯との相性が抜群です。さらに、金時人参は甘みが強くクセが少ないため、生でも美味しく食べられます。サラダやピクルスにして楽しむのもおすすめです。金時人参の乾燥野菜乾燥野菜にしても美味しい金時人参。長期保存ができて、水で戻せば必要な時にさっと使うことができます。乾燥野菜を使えば、四季を通じてその栄養と味を楽しむことができ、料理の幅も広がります。また、生の野菜に比べて栄養素が凝縮されるため、少量でも栄養価が高いといったメリットもあります。乾燥した金時人参は、スープや煮物に加えることで、生の金時人参と同じように使うことができます。特に冬場には、スープやお鍋の具材として便利で、料理に彩りを加えるだけでなく、栄養もプラスされます。忙しい現代人でも手軽に使える食材として、今後ますます注目されていくでしょう。