堀川ごぼう(ほりかわごぼう)は、京野菜の一つで、希少性の高いごぼうです。主に京都市左京区で栽培されています。高級料亭でもよく使用されている堀川ごぼうについて、詳しく見ていきましょう。堀川ごぼうの特徴普通のごぼうと比べて太く短いのが特徴です。栽培には2年以上かかり、直径は10センチ以上になることもあります。一般的なごぼう(滝野川ごぼう)が直径2~3センチ、長さ1メートルほどであるのに対し、堀川ごぼうは直径6~9センチ、長さ約50センチと太く育ちます。成長過程で内部に「す(鬆)」と呼ばれる空洞ができやすく、表皮は暗褐色で、首の部分には裂け目が生じ、松の幹のような外観になります。JA公式サイト堀川ごぼうの歴史堀川ごぼうの栽培が始まったのは、江戸時代の豊臣家滅亡後のことです。聚楽第(豊臣秀吉が京都に建てた政庁兼邸宅)が破却され、その堀がゴミ捨て場となった際、偶然捨てられたごぼうが翌年に芽を出しました。巨大に成長したそのごぼうを見た付近の農家が生産を始めたとされています。堀には有機物が多く含まれた通気性のよい土壌ができていたため、ごぼうが大きく育ったといわれます。参照1 参照2おすすめの食べ方堀川ごぼうは、空洞を生かした肉詰め料理で有名です。空洞部分に下味をつけたひき肉を詰め、照り焼きなどにすると、子どもも喜ぶおかずになります。また、先端のタコ足状の根は、おでんやきんぴら、煮物、鍋料理にも適しています。じっくりと煮込むことで、独特の旨味が引き出されます。しっかりとした歯ごたえは他の野菜にはない特徴で、料理に深みを加えます。先端部分を用いた代表的な料理としては「堀川ごぼうの含め煮」があり、だしや醤油でじっくり煮込むことで、ごぼうに味がしっかりと染み込みます。柔らかくも歯ごたえがあり、特にお正月や特別な行事に作られることが多い、京料理の伝統的な一品です。また、炒め物や天ぷらにもよく使われます。特に天ぷらでは、外はカリッと、中はしっかりとした食感が楽しめ、塩だけでシンプルに味わうのがおすすめです。堀川ごぼうの乾燥野菜堀川ごぼうは、乾燥野菜にしても美味しく食べることができます。乾燥させることで長期保存ができ、季節を問わずその風味や栄養を楽しむことが可能に。煮物やスープ、鍋料理に加えることで、じっくりと戻してもその独特の風味と食感が保たれ、料理のアクセントとして活用できます。軽くて保存がきく非常食としても使うことができます。特に忙しい家庭や、アウトドアのシーンでも、堀川ごぼうの乾燥野菜は簡単に使える便利なアイテムになります。